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1970~80年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.87】Roland RD-1000 ~ローランドのデジタルピアノ・RDの源流[1986年]

2018/11/25

 

 

 今回のご紹介する一台は、ローランドが1986年に発表したデジタル・ピアノ「RD-1000」です。現在でも続くローランドのデジタルピアノ・シリーズ「RD」の元祖ともいうべき一台ですね。90年代中頃まで町のスタジオでもよく見かけました。

 

Roland RD-1000

 
 今から30年以上前のデジピであり、当時の88鍵盤は本機に限らずどれもデカくて重かった! 当時の価格は550,000円、同時発音数は16音です(※ハープシコードのみ10音)
 
 
 

外観について

 プロミュージシャン向けのコンボ・タイプといった感じですね。フロントパネルは手前に少し傾斜が付いていて、見た目はKAWAI MP9000(1998年発売)にも似ているかも。。以前本ブログでも記事にした「Roland MK-80」よりもパネルトップの面積は狭いですが、奥行きの短いシンセだったら “2段乗せ”も可能です。
 

 関連記事:
 「KAWAI MP9000 ~優れた鍵盤タッチを備えたステージピアノ[1998年]
 「Roland MK-80(88鍵) ~ローランドが作った“デジタル”Rhodes [1989年]
 
 
 そして何といっても目を引くのが巨大なペダル。横幅だけ見ればちょっとしたオルガン用脚鍵盤といった趣きです。安定性は極めて高そうですね、ずれにくそう(笑)

 

Roland RD-1000(advertisement)
RD-1000/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

鍵盤部/タッチについて

 木製88鍵のフルスケール鍵盤であり、木製鍵盤という点では1984年に発売された同社の「MKB-1000」(MIDIマスター・キーボード)を継承した感じですね。
 
 関連記事:「Roland MKB-1000 ~木製鍵盤採用の、元祖MIDIマスター・キーボード[1984年]
 
 
 打鍵時の強弱に対する音色(および音量変化の度合い)は、4つのベロシティ・カーブから選択でき、MIDI端子からも送信可能です。
 
 
 

音について

 ローランド独自の開発による「SA(Structured Adaptive Synthesis)音源」を採用しています。プリセット・ボイスは全8音色と少ないので、全て見てみましょう。いずれも個人的な感想が入っていますよー
 
 
PIANO1
  音源の顔ともいえる「プリセット1」がこのピアノ。クセが少なく、エフェクターやイコライジング等で音作りをする時はこの音色を基準にするといいかもしれません。本機のピアノ音色全てに言えることですが、独特のクリック感の効いたキャラクターですね。
 
 
PIANO2
  ミドルの音域が若干上がっている印象。ピアノソロを中域で組めばライブ時で抜けてきそうな感じです。
 
 
PIANO3
  アタック感があり全域に派手な音。ハード系なギターにプリセットで対抗できるのはこの音色かな。。
 
 
HARPSICHORD(ハープシコード)
  いたってノーマルなハープシコードの音。なおこの音は他の音に比べて高域のレンジが必要なので同時発音数が10に減っています。
 
 
CLAVI
  ワウをかまして「ハービー・ハンコック」ごっこをするには十分です。ファンキーな曲のバッキングに合うと思います。
 
 
VIBRAPHONE
  ローランド・ローズ(Rhodes)にも通じる、DX7でもない独特の透明感のあるビブラフォンの音です。
 
 
E.PIANO1
  ローズ(Rhodes)系のエレピですね。強く叩いても本家のように歪みませんが、ムラのない音が出るためバッキング用としても使えます。
 
 
E.PIANO2
  アタックがコロコロした、いわゆる “ダイノマイ系”エレピですね。

 

 

 

音色エディットについて

 本機では、各ボイスに対し、イコライジングやコーラス効果の各パラメーターをエディット可能です。エディットした音色は、本体内メモリーに56種類(メモリーカードには64種類)記憶することができます。
 
なおエディット操作は(この頃のローランドのトレンドである)αダイヤルで行います。
 
 
 

つぶやき的な

 MIDIについても送受信チャンネル(1~16)、プログラムチェンジ、コントロールチェンジなどをフォローしています。さらに「エクスターナル・ボリューム・スライダー」も装備しているため、外部音源制御のためのマスター・コントローラーとしての使い方もできますね。
 
 
 なお、RD-1000の音源部分を、2Uサイズに収めたモジュール「MKS-20」というのもありました(→価格は250,000円)
 

Roland MKS-20
 
 
 
 関連記事(Roland RDシリーズ):
 「Roland RD-500 ~1994年発売のステージ向けデジタル・ピアノ[1994年]
 「Roland RD-300(/RD-300S) ~MIDIコントローラーが充実した80年代製・RD
 「Roland RD-600 ~ピアノサウンド・操作性が向上した90年代製ステージピアノ
 

仕様(Roland RD-1000)
■鍵盤数:88鍵(キー・ロック機構付き)
■音源:SA方式
■最大同時発音数:16
■本体メモリー:プリセット8音色、ユーザー・エリア56音色
■エフェクト:コーラス、トレモロ、イコライザー(ミドル・フリケンシーは400Hz、560Hz、770Hz、1000Hz、1400Hz、2000Hz、2800Hz、4000Hzの8ポイントで可変)
■外形寸法:1352(W)× 557(D)× 154(H)mm
■重量:43.5kg(本体)
■発売当時の価格:550,000円
■発売開始年:1986年頃

 

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