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E-mu 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.247】E-mu Proteus /3 World ~世界中の楽器のサウンドを集めた音源モジュール[1992年]

2018/03/09

 今回紹介する機材は、E-mu Systemsの「PROTEUS /3 World」という1Uサウンド・モジュールです。発売は1992年で、価格は170,000円。E-muのプロテウス・シリーズとしてはPROTEUS /1、2に続く第3弾ですね。その名の通り、世界中の楽器のサウンドを集めた音源モジュールといった内容になっています。

 

E-mu Proteus /3 World

 

概要

 ガムラン、シタール、琴、尺八などのアジアの楽器をはじめ、アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパ、アメリカなど世界の様々な楽器のサウンドを収録。PROTEUS /2ではオーケストラ楽器に特化したサウンドでしたが、本機ではエスニック&ワールド・インストゥルメントといったサウンドを多数収録した特化型音源と言えます。
 
 
 当時の音源モジュールといえば、鍵盤付きシンセの音源部のみを切り取った、いわば “どんな音色でも一通り入っている”系のものが多かったのですが、本機のように収録サウンドを特定化したものはちょっと珍しい感じでした。
 
 
 

基本スペック

 PROTEUS /1および2と共通の操作方法を踏襲した1U音源モジュール。音源方式もPROTEUS /1および2譲りの16ビット・サンプリングで、古くはEmulatorIIIからのサンプリング技術が脈々と引き継がれている一台といった感じです。
 
 
 いわゆるプリセット・サンプラー・タイプなのも先代機と同様。その頃の一般的なサンプラーのように音色ライブラリーを追加することはできず、ROM内に内蔵された波形のみを再生することになります。
 
 
 サウンド・メモリーは本体内に4Mバイト収録、全192音色を備えています(→ROMで128音色、RAMで64音色)。これらは16マルチ・ティンバーに振り分けられ、6つの独立したアウトプット(ステレオ×3系統)に自由にアサイン可能となっています。同時発音数は32。
 
 
 

音色エディットについて

 PROTEUS /1、2同様、本機でもある程度の音色エディットはできるので、自分だけのニュアンスを作ることは可能です。本機にはフィルターはありませんが、LFOをかけたりエンベロープをかけたりといったことはできます。
 
 
 本機には211個のウェーブ・フォーム(サンプリング素材)があり、そのの中から2つを組み合わせ、それぞれピッチをずらしたり発音タイミングをずらしたりすることで様々なバリエーションを作ることができます。プリセットの雰囲気を残しつつ、ちょっとキャラクターに変化を持たせたいケースではこの程度のエディットでも結構効果的です。
 
 
 また本機ではリバース再生やLFOもあるので、特異な音色をさらにSEっぽく昇華させることも工夫次第で可能でしょう。

 

 

 

Proteus /3 World XRについて

 RAM領域が増え、384プリセット(128ROM/256RAM)を備えた拡張モデル。価格は220,000円でした。外観および操作系は同じです。
 
 
 

(早くも)まとめ

 民族楽器専用音源モジュールといえば、以前本ブログでも紹介した「E-mu Planet Earth」が思い出されますね。言ってみれば本機Proteus /3の後継機がPlanet Earthと捉えることもできます。
 
 
 民族楽器といえば、一般的なポップス/ロックなどにおける王道音色とは言い難いのですが、ありきたりなオケに異彩を放つ音色として用途を絞って使えば、非常に効果的に機能する可能性があると思います。もちろんエスニック・サウンドがメインのクリエイターにとっては、本機はメインの一台として活躍したことでしょう。
 
 
 まあ本機以前にもサンプリング・ライブラリーとして民族楽器の音色ネタはいくつかあったのですが、(メディアなどから)ロードすることなくすぐに選んだ音色を出せるというスピード感は大きなメリットだったと思います。
 
 
 

つぶやき的な

 E-muのプロテウスも1→2→3と続いてきたわけですが、どうもこの初期プロテウス・シリーズはデザイン的に新鮮味に欠けるんですよね。。もうちょっと凝った色とかデザインに仕上がらなかったのかなと個人的には思ったりします。。時代のトレンドに安易に流されることないブレない製品ポリシーは評価できると思うのですが。
 
 
 
■関連記事(E-mu 1Uラック)
 【初期シリーズ】:
 「E-mu Proteus /1 ~イーミュPROTEUSシリーズの初号機[1989年]
 「E-mu Proteus /2 ~オーケストラ音源特化型モジュール[1990年]
 「E-mu PROTEUS/MPS ~PROTEUSに鍵盤が付いた!」  ※本機のみ鍵盤付きモデル
 「E-mu PRO/CUSSION ~90年代初頭のドラム/パーカッション専用音源
 
 【中期シリーズ】:
 「E-mu MORPHEUS(モフェウス) ~Z-Planeフィルターを初搭載したPCMシンセ…
 「E-mu Orbit/Orbit V2 ~90年代のダンスミュージック特化型音源モジュール
 「E-mu Planet Phatt ~ヒップホップ、ラップ等向けサウンド・モジュール
 
 【後期シリーズ】:
 「E-mu B-3 ~E-muが作ったジョン・ノヴェロ仕様オルガン[2000年]
 「E-mu Planet Earth ~世界中の民族楽器を収めた音源モジュール[2000年頃]
 

仕様
■最大同時発音数:32音
■データ・フォーマット:16ビット・リニア
■マルチ・ティンバー数:16
■内蔵メモリー量:4Mバイト
■内蔵音色数:192音色(128ROM/64RAM)  ※XRは384音色(128ROM/256RAM)
■オーディオ・アウトプット:6(ステレオ×3系統)
■外形寸法:482(W)×44(H)×216(D)mm
■重量:約2.0kg
■発売当時の価格:170,000円  ※XRは220,000円
■発売開始年:1992年

 

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