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1990年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.193】Roland RD-500 ~1994年発売のステージ向けデジタル・ピアノ[1994年]

2018/10/06

 今回ご紹介する一台は、ローランドが1994年に発表したデジタル・ピアノ「RD-500」です。価格は248,000円。“顔”となるピアノ音色を始め、高品位な音色を豊富に装備していました。90年代に多くのミュージシャンが愛用していたステージ・ピアノの一つですね。

 

Roland RD-500

 

 

概要

 同社のRD-1000、RD-300を引き継ぐステージ向けデジタル・ピアノ。従来のRDと比較すると小型・軽量化が図られており、持ち運びやセッティングなどの要素も考えなければならないライブ・ミュージシャンに歓迎されました(→半面、従来のように本体上に別の楽器を置くスペースはない)
 

Roland RD-500(advertisement)
RD-500/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

内蔵音色について

 プリセットとして搭載されている音色は全120音色(+1リズム・セット)。音色グループは12に分かれており、内訳は以下のようになります。

GRAND1:10音色
GRAND2:10音色
E.GRAND:8音色
MKS-20:9音色
RHODES:8音色
E.PIANO:10音色
CLAV/HARPSI:8音色
ORGAN:10音色
SYNTH:16音色
STRINGS:12音色
BASS:10音色
PERCUSSION:10音色(1リズム・セット含む)

 
 ピアノの音色はタイプごとに全28音色を内蔵。以前のRD-1000なんかと比べたら格段に生ピアノっぽい音になっていますね。エレピ方面は独立したRHODES系があるのが特徴(→内容はいわゆるローランド・ローズであるMKシリーズを踏襲したもの)。他にも数は多くありませんが、ウーリッツァー系、ヤマハのCP系、FMエレピ系音色も搭載されていますね。
 
 
 面白いのが「MKS-20」という音色グループが独立していること。MKS-20とは以前本ブログでも紹介したRD-1000の2U音源モジュール版になります。RD-1000/MKS-20は共にSA音源という方式を採用しており、80年代頃は「全然生ピアノっぽく聴こえないけど、これはこれで別物のピアノ音色」という感じで認知されていたのです。これを90年代半ばリリースの本機に残しちゃった辺りは、過去のSA音源を黒歴史にしたくないみたいな、ローランドさんの意地みたいなものを個人的には感じます(笑)
 
 
 音色のキャラクターとしてはピアノ系を始め全体的に明るく、やはりどちらかというとクラシック曲よりもバンド向けの曲に合うような気がします。これもRDシリーズに概ね共通する個性となっていると言えるかもしれません。
 
 
 

鍵盤部/タッチについて

 木製鍵盤ではないものの、定評ある88鍵のハンマーアクション鍵盤を採用。実際、今日の “RDらしいタッチ”は本機によって始まったと言ってもいい出来になっていると思います。プレイヤーの微妙なタッチや早いパッセージの打鍵にも追従します。まあ実際このタッチの評価は個人の好みによるところも多いのですが。。
 
 
 

操作性について

 前述した12の音色グループはパネル上のスイッチに独立しているおり、グループ名もそれぞれ書かれているので選びやすいと思います。また鍵盤スプリット(およびレイヤー)も可能で、鍵域を左右に分け別々の音色を割り当てることもできますね。このアッパー/ロワーは別々にコントロールすることが可能で、それぞれ独立したトランスポーズや音量なども設定可能となっています。
 
 
 また3バンドのイコライザー(LOW/MID/HIGH)や、コーラス、リバーブといったエフェクターも搭載しており、ステージの音場に合わせたとっさの音質調整にも対応します。

 

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同時発音数について

 本機の同時発音数は28音。今見ると少ない数字ですが、RD-1000の16音の頃に比べると、ストレスなくプレイに集中できる環境が整ってきたといった感じでしょうか。ただし本機は、前述したように音色レイヤーもできるため、その場合だと当然ポリフォニック数は下がっていきます。特に「ストリングス+ピアノ」などの場合は音切れに注意しなければならなかったですね。
 
 
 またRD-500は8パートのマルチ音源としても使うことができます。一見何故入っているのかよく分からない「BASS」や「リズム・セット」も、とりあえず本機のみでデモを作る際に活用できるかもしれません。
 
 
 

マスター・キーボードとして

 本機はマスター・キーボードとしての機能も装備していて、基本的に外部2系統のMIDIチャンネルをコントロールすることができます。本体系と外部MIDI系を独立配置したパネル・デザインは、マスター向けとしての使用でも操作しやすい配慮がなされていると思います。ベンダー・レバーも本体左に何気に搭載されていますね。
 
 
 

個人的つぶやき的な

 90年代半ばにもなれば内蔵メモリーの容量も80年代のそれに比べたら遥かに増加しているのですが、本機では「オールインワン・シンセばりのいろんな音色を詰め込みました! マスターキーボードとしても使えますよ」といった感じの印象となっており、だったらデジタル・ピアノとしての基本性能である同時発音数を必要十分な数に増やせとか思わなくもないです(笑)。タッチおよびピアノ音色自体は悪くないと思うのですが。。
 
 
 2017年春に発売された「RD-2000」で新たに注目を集めている(かもしれない)RDシリーズですが、本機はRD-600と共に90年代を代表するRDということで、とりあえず記憶にとどめておけばよいでしょう。
 
 
 
 関連記事(Roland RDシリーズ):
 「Roland RD-1000 ~ローランドのデジタルピアノ・RDの源流[1986年]
 「Roland RD-300(/RD-300S) ~MIDIコントローラーが充実した80年代製・RD
 「Roland RD-600 ~ピアノサウンド・操作性が向上した90年代製ステージピアノ
 

仕様
■鍵盤数:88鍵(ハンマー・アクション付き)
■最大同時発音数:28音
■音色数:プリセット120音色(+1リズム・セット)
■エフェクト:コーラス、リバーブ、イコライザー(3バンド)
■外形寸法:1419(W)× 391(D)× 141(H)mm
■重量:25kg
■発売当時の価格:248,000円
■発売開始年:1994年

 

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