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1990年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.63】Roland JV-35 ~コスパの高かったローランド・JVシンセの一つ[1994年]

2018/07/01

 今回は1994年発売のRolandのシンセサイザー・「JV-35」のお話です。同社のXPシリーズの一世代前のシンセサイザー・ラインナップの一機種ですね。

 

Roland JV-35

 
 姉妹機にJV-50、JV-90がありますが、本機JV-35は最も価格が安く(118,000円)、コストパフォーマンスが高いことでも知られました。個人的にはDTMの音源および入力用鍵盤として使っていたのが思い出深いですね。
 
 
 

えきすぱんだぶる・しんせさいざー

 本機を含めたJV-50、JV-90には、共通して「EXPANDABLE SYNTHESIZER」というキャッチコピーが冠されていました。つまり「拡張性」が売りだったということですね。何の「拡張性」なのでしょう。
 
 
 

ボイス数とプリセット音色の拡張性

 本機の音源部は、ローランドの標準的なGM/GS音源と考えてもよいです。同時発音数は標準で28音。そこで別売の「ボイス・エクスパンション・ボード」を装着すれば、同時発音数が一気に倍の56音になるというものでした。なおこれによりプリセット音色数も増えます。
 
 
 28ボイスというは実際弾いてみると結構微妙な数で、手弾き時(特にピアノ音色)に、減衰している音が途中でフッと途切れたりすることもありました。当時の業界は「そろそろ次世代の64ボイスが見えてきた」タイミングであり、本体価格を抑える代わりに、オプション・ボードという形でボイス数を56音まで供給することになったのでしょう。
 
 
 

2種類の「ボイス・エクスパンション・ボード」が用意されていた

 「VE-VJ1」(当時の価格:35,000円税別)は、一つの独立したシンセサイザー音源ともいえるボードで、JV-80、JV-90のプリセット・サウンドなどから移植した512音色・28ボイスを拡張するものです。
 
 
 もう一つの「VE-GS1」(当時の価格:30,000円税別)はGSフォーマット音源を226トーン搭載。さらに同時発音数も+28音拡張するものです。これにより、手弾きはもちろん、DTM音源としても大幅な「ボイス数」「音色数」が追加できることになりますね。
 
 
 なお上記のボイス・エクスパンションボード「VE-JV1」/「VE-GS1」は、どちらかいずれかのみを本体に挿すことができます(同時に挿すことは不可)
 
 
 ちなみに、のちに数多くのシリーズが発売された音源ボード・「SR-JV80シリーズ」は本JV-35には挿さらないので要注意です(※JV-90には対応)。
 
 
 

拡張ボード・「VE-VJ1」の注意点

 VE-VJ1に内蔵されている追加音色は、本機に装着した際、エフェクトやコントローラーなどの全体的なパラメーターの一部しかエディットすることができません。
 
 また音色そのものに関してはADSRも変えられないので、完全なプレイバック音源として使用することになるので要注意です。

 

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操作性について

 トーン・エディット可能なパラメーターは比較的少なく、かつ操作方法は明快です(→逆に言うと、あまり細かい部分までエディットできない)。ここら辺はローランドさんの割り切りなのでしょうか。でもこの価格帯であることを考えると納得でもあります。
 

 一方、ソロ/ポルタメントのための専用スイッチが装備されているのは、ローランドさんのシンセに対するこだわりとも見て取れます。
 
 
 

まとめ的な

 当時のGM音源の主流だった「To host端子」(パソコン用インターフェイス)は装備していませんが、標準的なGM対応音源内蔵シンセとして一通りのところは押さえている、“バランスの取れた、コスパの高い一台”といえたのではないでしょうか。軽かったし(6.2kg)、個人的には結構気に入ってましたよ。
 
 
 手弾きのみなら28音でもなんとかなる(する)として、DTMで使うなら56音は必須ですね。現在、本機をオークション等で探す際は、上記の拡張ボードも一緒に付いているかどうかも確認しておいた方がよいと思います。
 
 
 
 関連記事(ローランドJVシリーズ):
 「Roland JV-80 ~エキパン「SR-JV80シリーズ」搭載可能の初シンセ[1992年]
 「Roland JV-90 ~JV-1000からシーケンサー部を除いた76鍵シンセ[1993年]
 「Roland JV-1000 ~二つの心臓を持ったモンスター・シンセ[1993年]
 「Roland JV-1080 ~90年代の人気音源モジュール(前編)[1994年]
 「Roland JV-1010 ~GM音源も内蔵したハーフラック・音源モジュール[1999年]
 

仕様
■鍵盤数:61(ベロシティ付)
■最大同時発音数:28音(拡張により56音まで可能)
■パート数:16パート(2つをドラム・パートに設定可能)
■本体メモリー:【トーン】プリセット256、ユーザー256 【ドラム】プリセット9、ユーザー9、パフォーマンス8
■エフェクト:リバーブ、コーラス
■外形寸法:1011(W)×83(H)×289(D)mm
■重量:6.2kg
■発売当時の価格:118,000円(税別)
■発売開始年:1994年

 

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