キーボーディスト、脱初心者を目指す

ピアノ、シンセサイザー、オルガンとか鍵盤楽器もろもろ。関係ない記事もたまにあるよ

Oberheim 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.280】Oberheim OB-1 ~フォースは君と共にある[1978年頃]

2018/05/15

 今回取り上げるシンセサイザーはOberheim(オーバーハイム)の「OB-1」です。発表は1977年秋、発売は翌78年。自分で作った音色を内蔵のプログラマー部に8音まで記憶させることができるという、8音完全プログラマブルを実現した2VCO仕様のモノフォニック・シンセサイザーといったところです。

 

Oberheim OB-1(前期型)

 

 数が余り出回らなかったためか今日でもマイナーな機種というイメージはありますが、存在感のあるリード、ファットなシンセ・ベースなど、モノフォニック・シンセとしてなかなかの完成度を誇っているのではと思います。
 
 
 

概要

 OB-1の元になったのは同社の最初期のシンセであるSEM(1974年)というモジュール・ユニットなのですが、それに鍵盤を付け、上記のプログラマーなどを搭載し発展させたものが本機OB-1と概ね言うことができます。このように基本的な構造としてはSEM【Synthesizer Expander Module】を踏襲しているのですが、フィルター部など全く異なる部分もあります。
 
 関連記事:「Oberheim OB-X ~OBERHEIMサウンドが詰まったアナログ・ポリシンセ
 
 
 なおOB-1には製造時期により、ざっくり初期型/後期型といった型の違いが存在します。パネル色が黒/グレーだったり、フィルター・セクションに(オシレーターと同様の)ファイン・チューニングの調整用ノブが搭載されているなどの相違があります。後期型はのちのOB-Xに繋がるデザインになっていると言えるでしょう。
 

Oberheim OB-1(後期型)

 

 

8音プログラマブル!

 作った音色を8音までメモリー可能で、パネル左上部にある8個のボタンを押し分けることにより瞬時に音色変更が可能。ライブ時に特に便利な機能だったと言えるでしょう。またカセット・インターフェイスの採用により、外部にプログラムを保存することもできました。保存したデータは同社のシンセサイザー「4-Voice」などともコンパチブルだったそうです。
 
 
 

オシレーター部について

 2基のオシレーター(2VCO)からなり、ノコギリ波と三角波の間、あるいは2種類の異なるパルス波の間を連続可変できるようになっています。またVCO1はVCO2へシンクすることができ、VCO1ブロックにある「CROSS MODスイッチ」によりクロスモジュレーションも可能。サブオシレーターも装備しています。
 
 
 全体的には、このオシレーター部(音源部)だけでも様々なサウンド作りができるというのが特徴的と言えるでしょう。2VCOアナログ・シンセとしては高い自由度を誇っていました。
 
 
 

フィルター部

 2ポール/4ポール(12/24dB)を切り替え可能なローパス・フィルターを装備。このフィルターに関してはSEMとは決定的な相違があって、SEMのようにローパス、ハイパス、バンドパスなどの多彩な選択肢はありません。とはいえ同社のシンセサイザーとして、4ポールのフィルターを持った(なおかつ特性切り替え可能な)機種というのは非常に珍しいですね。本機の特徴の一つといってもいいと思います。
 
 
 パネル上にはFREQUENCY、RESONANCEノブが搭載されている他、MODULATIONノブもあります。なおこのモジュレーションはLFOとENVのどちらかを選択しなければならないため、LFOとエンベロープを同時に掛けることはできません。
 
 
 

LFO部

 LFOは1基で、3種類の波形から選択可能。またモジュレーションの掛かり始めるタイミングを変えられるDELAYノブを装備しているのが特徴的ですね。もちろんモジュレーションのRATE変更も可能。
 
 
 

エンベロープ部

 VCFエンベロープとVCAエンベロープを独立して装備。いずれもADSR方式(アタック、ディケイ、サステイン、リリース)となっています。

 

スポンサーリンク

 

 

ベンドレバーについて

 本機の左下部に搭載されているベンド・レバーにより、ベンドの可変幅(2段階)もしくは、LFOによるモジュレーションをコントロールするよう設定可能です。これはVCO2だけを適用先として選択することができたため、(オシレーター)シンクの際には非常に効果的だったと言えるでしょう。しかし特筆すべき点は機能ではなくその形状にあると個人的には思います。
 
 
 このレバーにはスプリングが内蔵されていて、まるで昭和初期の手動パチンコ台のようなギミックを備えていました。シンセのベンド・コントローラーにおいてこのような形状のものは本機を除き見られないし、おそらくこれからも登場しないような気がします(笑)
 
 
 

個人的つぶやき

 本機はオーバーハイム唯一の(鍵盤付き)モノフォニック・シンセサイザーというだけではなく、2VCOから繰り出されるパワフルな音、切替可能なキレのいいフィルター、反応のよいエンベロープなど、モノシンセとして非常にキャラの立った一台と見ることができるでしょう。
 
 
 さて本機の次には、OB-XやOB-Xa、OB-8といった一連のポリフォニック・アナログシンセが続きます。そちらの方もいくつか記事にしているので興味のある方は読んでみてください。
 
 
 
 関連記事(オーバーハイムOBシリーズ):
 「Oberheim OB-X ~OBERHEIMサウンドが詰まったアナログ・ポリシンセ[1979年]
 「Oberheim OB-Xa ~ヴァン・ヘイレンの『ジャンプ(Jump)』のシンセ音はこれ
 「Oberheim OB-Mx ~MIDIアナログ・シンセ・モジュール、そして5Uの威圧感!
 

仕様
■鍵盤数:37鍵(3オクターブ)
■最大同時発音数:1音
■音色メモリー:8
■VCO:2系統(シンク可能)+2サブオシレーター
■VCF:1系統(ローパス。2/4ポール切替可能)
■LFO:1(三角波/矩形波/サンプル&ホールド)
■エンベロープ:ADSR方式(VCF/VCA)
■発売当時の価格:600,000円
■発売開始年:1978年

 

関連記事および広告

関連記事および広告


-Oberheim, 楽器・機材【Vol.〇〇】