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1990年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.53】KORG X5D ~ヒイズミマサユ機氏ご愛用鍵盤[1995年]

2018/07/22

 今回ご紹介するシンセサイザーはKORGの「X5D」です。最初に発売されたのは1995年。外観がほぼ全く一緒である同社の「X5」のわずか半年後に発売されました。どのような内容のシンセサイザーだったのでしょう。

 

KORG X5D
 
 
 

X5との違い

 同時発音数が32→64音になっています。これは、X5といえばライブ向けキーボードという側面プラス、「DTM音源」という顔も持っていたため、“DTM音源だったらそろそろ64音にしとかないとマズいんじゃない?”という時代の空気があったのだと思います。末尾の「D」は、発音数がDouble(倍)になりましたよという意味に取れますね。
 
 
 関連記事:「KORG X5 ~元祖お手軽シンセサイザー[1994年頃]
 
 
 筐体デザインおよびインターフェイスはX5と全く同様であり、TO-HOST端子でコンピューターとの接続を前提としており、内蔵シーケンサーやFDDは装備していません。
 
 
 価格はX5の79,800円から99,800円(※ただし最初の発売時の定価)と結構な値上がりとなりました。同時発音数が64になったことが2万円のコストアップの要因だったのでしょうか??

 

KORG X5D(advertisement)
X5D/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用

 
 
 

特徴は?

 本機の音源部はX5(=05R/W相当)のそれではなく、新世代のDTM音源モジュール「X5DR」のそれが採用されています。05R/Wは当時では既に “一世代前”というべき音源であり、ブラッシュ・アップした音源群を搭載する必要があったのでしょう。
 
 関連記事:「KORG X5DR ~ライブでも使えるGM音源モジュール[1995年]
 
 
 つまり、X5Dは単純に「X5の同時発音数を倍にした」ということではないのです。また同社のMシリーズなどに収録していた人気の高いサウンドも追加され、結果、波形メモリーも6MB→8MBに増えています。この辺りでもX5とは十分に差別化が図れており、コストアップのつじつまも合うかもしれません。
 
 
 音源方式は「aiスクエア音源」とコルグではうたっていますが、実際のところは、元となるPCM波形にフィルターを掛けるというごく普通の方式です。
 
 
 なおM1や01/W、X3では、演奏中でもパラメーターをリアルタイムでエディットできるという特徴がありましたが、残念ながらX5Dではこれは不可能となっています。音色を変更するにはその都度エディット・モードに入らなければいけません。

 

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異例のロングセラーを記録

 商品としてのX5Dの珍しいところは、「一旦は製造終了となったが、人気が高かったため再販売した」ことです。おそらくDTM音源としては数年で古くなってしまったと思われますが、ライブ用キーボードとして考えた時、“これほど軽く運びやすく、かつ音のクオリティも十分高いシンセサイザー”は他にありませんでした。
 
 
 1度目の製造終了時期および、その後の再販売開始の時期は把握していませんが、そういったライブ・キーボーディストからの熱い声が多く挙がっていたというのは事実ですね。ちなみに再販後の店頭価格は4~5万円程度と、非常にお買い得感があったことを覚えています。結果、非常に息の長いセールスを誇りました(→2006年頃まで)
 
 
 

個人的つぶやき

 これはヒイズミマサユ機さん(元PE'Z)が、本機にステッカーなどを貼りまくりジャンクな外観にカスタマイズしていたことでも有名ですね。
 
 
 僕はMTVか何かでPE'Zの特集映像を見た時、「あんな安い鍵盤であんなに弾けるんだ! いい音するんだ!」と驚いたことを鮮明に覚えています。確かに音色のクオリティは高級機には及ばないけど、ヒイズミ氏のように超絶技巧で弾かれるといい音に聴こえてくるから不思議です。。
 
 
 僕自身もこのX5Dは購入していて(→中古で3万円くらい)、いまだに持っています。「M1 PIANO」音色とかよく使ったわ。。
 
 
 関連記事:「KORG M1 ~【前編】世界中で記録的大ヒットしたワークステーションタイプ・シンセサイザー[1988年]

 

【2018年5月追記】:このX5Dですが、知人に譲ることになりました。詳しくは別の記事にしてあります→ 「コルグのシンセ・X5Dを手放すことになった! ~最後の動作チェック&記念撮影
 

 

 

KORG X5D
 
 
 今だと安価で市場に出ていることもありますし、ズミヒーさんよろしくジャンクな外観に仕立て上げて楽しむという手もありますね(笑)

 

 
 

仕様
■鍵盤:61鍵
■音源方式:aiスクエアシンセシス・システム
■最大同時発音数:64音(ダブル・モード時32音)
■波形メモリー:PCM 8Mバイト
■プログラム数:ROM:128プログラム+8ドラム・プログラム
        RAM:100プログラム+100コンビネーション
■エフェクト:47種類(完全独立2系統デジタル・マルチエフェクター)
■外形寸法:900(W)×83.4(H)×254.2(D)mm
■重量:4.5kg
■発売当時の価格:99,800円
■発売開始年:1995年

 

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