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2000年代~'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.433】YAMAHA CP300 ~スピーカー内蔵! ステージ・ピアノの名機[2006年~]

2019/04/14

 ちょっと間が空きました。今回は、2006年に発売されたヤマハのステージピアノ・「CP300」を取り上げてみたいと思います。同社のP250(2002年)の後を受け、かつてのエレピシリーズ・「CP」の冠を復活させた意欲モデルですね。弟分であるCP33と同時リリースされました。

 

YAMAHA CP300

 

 さて2006年発売の本機ですが、なんと2019年4月現在も現行製品として販売されています! 電子ピアノのカテゴリーとしては異様?とも言える超ロングセラーを続けているCP300、実はなかなかワン・アンド・オンリーな仕様となっているのです。では早速紹介してみましょう。
 
 
 

CP300概要

 高品位なグランドピアノ音色はもちろん、バンド・アンサンブルで存在感を放つモノピアノやコンプピアノを搭載した、ライブユースに特化したデジタル・ピアノ。鍵盤部は88鍵グレードハンマーを採用し、タッチもより本格的になっています。
 
 
 特筆すべきなのが、本体にステレオ・スピーカーを内蔵している点。迫力ある音と振動を体感しながら、よりライブ感あふれる演奏が行えます。
 
 
 

まずは音源部

 同社のサンプリング方式路線である「AWM音源」を搭載。特にグランドピアノの波形は、前身モデルであるP-250から2倍の容量に増えているそう。
 
 
 この音源部には「3レベル・ダイナミック・ステレオサンプリング」という技術が採用されており、ベロシティの強弱によって3種類のサンプリング波形をコントロールします。
 
 
 また、ダンパーペダル使用時の音色変化(→サステイン・サンプリング)や、離鍵したタイミングの微妙な音の減衰(→キーオフ・サンプリング)、さらに打弦時に他の弦が共鳴して生まれる響き(→ストリング・スレゾナンス)も再現。アコースティック・ピアノ独特の機構・挙動による音色変化を、当時最新の技術でシミュレートし、弾き手のイメージをより細かく伝えられるといった感じですね。

 

 

 

内蔵音色について

 本機に内蔵されている楽器音色は50種類(+XGボイス)であり、同時発音数は余裕の128音!。各ボイスグループは、パネル上に独立した音色スイッチにより直感的に変更が可能です。以下はその全ボイスグループ。

●GrandPiano1 ●GrandPiano2 ●Mono Piano ●E.Piano1 ●E.Piano2 ●E.Piano3 ●Clavi. ●Vibraphone ●Organ1 ●Organ2 ●Harpsichord ●Strings ●Choir/Pad. ●Guitar ●Bass

 
 ボイスグループは各々2~4種類のバリエーションが収められており、Variationスイッチにより簡単に変更が可能となっています。音色は色々ありますが、やはりヤマハさんの得意分野であるピアノ系には特に力を注いでいるという印象ですね。
 
 
 ちなみに「Mono Piano」というのはその名の通りモノラル・サンプリングされたアコピ音色であり、“ステージでパンチのあるピアノ音を鳴らしたい”というライブ寄りの思想に基づく音色と言えるかも。弟機であるCP33にもあります。
 
 
 エレピ系はヤマハ得意の “FM系”はもちろん、いわゆるローズ、ウーリッツァー系音色も内蔵しています。
 
 
 CP300では複数のボイス(音色)を重ねたり(→デュアル)、分割したり(→スプリット)することができるので、ライブでも便利な機能と言えるでしょう。左右でベース+ピアノを分けたり、あるいはピアノに薄くパッドを重ねたりetc.. もちろん設定は保存も可能です。
 
 
 

ステレオスピーカー内蔵!

 本体には左右に13cm、30Wのスピーカーが埋め込まれています。ヤマハさんはオーディオメーカーでもあるため、このスピーカーもおまけという感じではなく音質にもちゃんとこだわって作っている印象です。
 
 
 このスピーカーをONにすることにより、スピーカー由来の出力振動が鍵盤にも伝わってきます。これが実際のアコースティック・ピアノを弾いた際の指に伝わる振動を疑似体感できるといった感じなのですね。
 
 
 本記事冒頭で述べた “ワン・アンド・オンリー”な仕様というのはこのスピーカー内蔵のことです! まあ確かに5万円以下の家庭向け電子ピアノの中にもスピーカー内蔵のものもありますが、CP300を比べると「出力が弱い」「タッチが軽い」「音色もそれほどリアルじゃない」と感じることも多々ありといった感じですね。
 
 
 ちなみにCP300の内蔵スピーカーはスイッチ1つでON/OFFが可能。リハ中にPA側でキーボードの音量が落とされている時でも、気軽に発音してチェックできたりと何気に便利ですね。
 
 
 

鍵盤部

 アコースティック・ピアノ鍵盤に近い弾き心地を実現した同社の「GH(グレードハンマー)鍵盤」を採用。これは高音域で若干軽く、低音域で重くなっていくという実物を模したタッチとなっています。
 
 
 ヤマハのピアノ鍵盤は、鍵(の押し込み)が若干深いのが特徴、と個人的には思っていて、本機でもその深さ、ひいては全体的な弾きやすさがバランスよく仕上がっているという印象です。
 
 
 

マスターキーボードとしても使える!

 本機はステージピアノ(デジタルピアノ)というカテゴリーでありながら、シンセに見られるピッチベンド・ホイール、モジュレーション・ホイールなども装備しています。つまりは、マスターキーボードとしての使用も最初から想定され設計してありますね。
 
 
 関連記事:「YAMAHA KX88 ~MIDI楽器の可能性を引き出す、80年代製 名MIDIマスター・キーボード[1985年頃]
 
 
 パネル上には4つの「ZONEスライダー」が配されており、外部音源を最大4台までコントロールできるようになっています。
 
 このマスター機能を使うことにより、鍵盤を最大4つのゾーン(領域)に分けて各ゾーンに異なるMIDIチャンネルを割り当てたり、スライダーの機能を変えるといったことも可能。

 

 

 

その他機能

 リバーブ、コーラス、インサーションといったエフェクターおよび、5バンドのマスターEQを内蔵。
 
 また16トラックのシーケンサーも装備し、内蔵のXG音源と併せて、ドラムなどを含めたちょっとしたオケも本機一台で制作することができます。USB端子を備えており、コンピューターと直でMIDI接続することも可能。
 

YAMAHA CP33, CP300(advertisement)
CP33, CP300/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 他にも、音声出力には通常のPHONE端子とは別にプロの現場でよく使われるXLR端子を搭載していたりと、いかにもステージユースこだわった一台といったところですね。
 
 
 CP300の特徴はやはりスピーカー内蔵という点であって、“ちゃんとした鍵盤・音源部に、ちゃんとしたアンプ/スピーカーを加えた”という、本機独自のアイデンティティを確立しているといった印象を持ちます。
 
 
 これって2010年代後半の現代モデルでも見られないレアな作りだったりするんですよね。そこそこ古いモデルでありながら、いまだにステージでCP300を使用しているプロミュージシャンの方もいます。もちろんスピーカーはONにしているのでしょう。
 
 
 まあそうは言っても32.5kgという本体重量は、現代のステージピアノ感覚から見るとヘビー級という感じではありますね。。アンプ/スピーカー積んでるからそりゃそうでしょう。運搬および設営の際は誰かに手伝ってもらった方が無難です(笑)

 

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 関連記事(ヤマハCPシリーズ):
 「YAMAHA CP33 ~シンプル・ステージピアノ[2006年]
 

仕様
■鍵盤数:88(GH[グレードハンマー]鍵盤)
■音源方式:AWMダイナミック・ステレオ・サンプリング
■最大同時発音数:128音
■プリセット:
 手弾き用パネルボイス:50
 XGボイス:480+12ドラムキット
■効果:リバーブ、コーラス、インサーション、マスターEQ(5バンド)
■アンプ出力:30W×2    ■スピーカー:13cm×2
■付属品:フットペダル FC3他
■外形寸法:1391(W)×170(H)×460(D)mm
■重量:32.5kg
■発売当時の価格:270,900円(税込)  ※2019年4月現在はオープンプライス
■発売開始年:2006年

 

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