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1970~80年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.214】Roland SH-2000 ~30音色内蔵のプリセット・シンセサイザー[1974年]

2018/07/01

 今回ご紹介してみるシンセサイザーは、ローランドが1974年に発売した「SH-2000」です。当時の価格は185,000円。ローランド初となるシンセ・SH-1000の翌年に発売された、SH-1000とよく似たルックスのシンセになっています。とはいえ内容はSH-1000の単純な上位機種(後継機)という感じではないですね。どういったモデルだったのでしょう。

 

Roland SH-2000

 

 関連記事:「Roland SH-1000 ~1973年発売の「国産初のシンセサイザー」
 
 
 

【はじめに】1973~74年頃のローランド・シンセサイザーについて

 当時のシンセサイザーといえば海外製の大型・高価なものが主流だったのですが、お手頃シンセメーカーとして船出したローランド社シンセの当初のラインナップは、SH-1000(1973年)、SH-3(1974年)、SH-2000(1974年)といったところです。どれも20万円を切る価格帯であり、“一般人でも買える”ということでシンセサイザーの普及に大きく貢献することとなりました。
 
 
 当時のコンパクトサイズ・シンセサイザーとしては、大きく分けて以下3タイプに分かれていました。

①オシレーターを搭載し、ゼロから音を創造していけるタイプ
②あらかじめ特定の音色をいくつか内蔵しているタイプ
③音色も内蔵しているが、オシレーターにより音作りも可能なタイプ(いわば①+②)

 
 今回の記事の主役・SH-2000は②ですね(ただしある程度の音色変化やポルタメントなども操作可能)。以前本ブログでも書かせてもらったSH-1000は③のタイプです。ちなみにSH-3(のちにSH-3A)は①のタイプになりますね。
 
 
 

SH-2000概要

 鍵盤数は37鍵盤。バラエティ豊かな30種の音色が内蔵された、いわば “プリセット・シンセサイザー”。パネル面のコントローラーやタブレットを使って、それら内蔵音色をある程度お好みに変化させることができます。
 
 
 本体左部にはコントロール部、手前には音色切替用の各種タブレット・スイッチを配置しており、SH-1000と同様、当時の電子オルガンの上に置いてメロディ楽器として使用することを想定して設計されています。デザインも型番も似てますよね。ただしSH-2000は前述したように “音をゼロから創り出す”という感じではないです。
 
 
 また、キーを押す指の速さによって効果(エフェクト)が変化する「タッチエフェクト・コントロール機能」を、同社のシンセとして初搭載。これは従来の電子オルガンには見られなかった機能であり、演奏効果の幅を広げるという意味で電子オルガンとは一線を画す仕様となっています。
 
 
 

内蔵音色について

 様々なプリセット音色を30種類内蔵。SH-1000では全10種類でしたが、本機では3倍に増えてますね。しかもSH-2000ではいわゆる「特殊音」がいくつか入っており、それらは既存の楽器では得られなかった “当時としては斬新だった音色”となっています。以下全て挙げてみましょう。
 

楽器音系(左から並んでる順)

●チューバ●トロンボーン●フレンチホルン●トランペット●サキソホン●バスーン●オーボエ●フルート●クラリネット
●チェロ●バイオリン●ベースギター●ハワイアンギター●バンジョー●ファズギター1●ファズギター2
●ピアノ●ハープシコード●アコーディオン●ビブラホン●シロホン

特殊音系(同じく左から並んでる順)

●シンギングボイス●ソングホイッスル●ポップコーン●スペースリード●プラネット●フロッグマン●ファニーキャット●グロールワウ●ウインド

 
 特殊音系は、名前だけ聞いて音色が想像しにくいものもありますね。。最近のシンセにも意味不明な音色名が登録されているもの多々ありますし(笑)、まあ気にするほどでもないでしょう。

 

 

 

SH-2000での音色操作について

本機でできる音色変化(操作)についてざっと見てみましょう。
 
 
●フィルター・コントロール
 カットオフ・フリケンシー、レゾナンス、モジュレーションつまみを装備。
 
●トランスポーズ
 ワンタッチで上下オクターブずつの音程切替が可能。
 
●ランダムノート
 タブレットが押されているプリセット音が、鍵盤には関係のない不規則な音程で自動的に発音されるという機能。
 
●エンベロープ・タブレット
 音色タブレット群とは別に、エンベロープを選択できるタブレットも装備。操作できるものは「リピート(繰り返し)」「ロング・サステイン」「ホールド(鍵盤から指を離しても音が鳴り続ける)」の3つのみ。
 
●ポルタメント
スライダーによってSPEEDコントロールが可能。
 
 
 

新機能・タッチエフェクト・コントロールについて

 あらかじめ変化させたいパラメーター・スイッチをONにしておき、鍵盤を押す指の強さによってその変化(効果)を出す機能。以下の種類があり、全体的な掛かり具合を「SENSITIVITY」ノブで調節可能となっています。

■ボリューム …いわゆるイニシャルタッチ
■ワウ
■グロール  …周期的にフィルター・エンベロープを変化させる
■ビブラート
■ピッチベンド…打鍵の強さによってピッチの変化幅を変えられる(→UP/DOWN変更可)

 
 こんなところでしょうか。「グロール」という言葉は最近のシンセではあまり聞かないですね。。あとSH-2000には本体に物理ピッチベンドを装備していないので、上記タッチエフェクトによって(タッチの強さにより)ピッチを変化させるということになります。
 
 
 

まとめ的な

 SH-1000よりもプリセット大幅増ということで、とりあえずすぐに音を出したい、演奏に集中したいというプレーヤー向けの一台といったところでしょうか。電子オルガンの上に置いて、オルガンでは出せない “プラスアルファの電子音を出す”という用途で重宝されたかと思います。
 
 
 
 関連記事(ローランドSHシリーズ):
 「Roland SH-1000 ~1973年発売の「国産初のシンセサイザー」
 「Roland SH-3A ~幅広い音作りに対応した初期ローランド・シンセ[1974年]
 「Roland SH-1 ~ローランド初となる…[1978年]
 「Roland SH-32 ~卓上シンセで音作り[2002年]」  ※平成の卓上SH
 

仕様
■鍵盤数:37鍵(Fスケール)
■最大同時発音数:1(1VCO)
■音色数:30プリセット
■タッチエフェクト:6種類(ボリューム、ワウ、グロール、ビブラート、ピッチベンド・アップ、ピッチベンド・ダウン)
■ボルタメント・コントロール:ポルタメント・スイッチ(オン/オフ/スロー)、ポルタメント・スピード
■フィルター・コントロール:フィルターマニュアル・タブレット、カットオフ・フリケンシー、レゾナンス、モジュレーション
■エンベロープ・タブレット:3つ(リピート、ロングサステイン、ホールド)
■外形寸法:865(W)×133(H)×266(D)mm
■重量:11kg
■発売当時の価格:185,000円(免税価格:171,000円)
■発売開始年:1974年

 

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