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2000年代~' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.7】Roland SH-32 ~卓上シンセで音作り[2002年]

2018/12/08

 

 

 今回は2002年に発売されたRoland SH-32というシンセのご紹介です。発売当初の定価は55,000円でしたが、僕は生産が既に終わっていた2011年頃に中古で購入。15,000円くらいでした。
 

Roland SH-32

 
 当時、アナログライクかつコンパクトなシンセモジュールを探していて、低価格な点からも何となくこの子にたどり着きました。要するに、アナログな音をリアルタイムでCUTOFF(フィルター)いじってウネウネさせたかったわけです。できれば安価で。。
 
 
 僕の買ったそれは割と美品で、スライダーの頭のカバー(プラスチック?)が経年劣化のため多少ヒビが入っている以外は、比較的状態のいいものでした。ちなみにこのスライダーってARP Odessyのそれに似てて、ちょっとそそられます(笑)
 
 
 さてこの機材、音作りに必要な操作子がパネル上にところ狭しと配置されていて、一通りシンセの音作りを知ってる人だったらそれほど問題なく操作できると思います。というか僕は思っていました(→実際はうまくいかなかった)
 
 
 

音源部について

 同社における当時新開発の「WA(ウェーブ・アクセラレーション)音源」を搭載。基本波形はノコギリ波、矩形波、パルス波、三角波、サイン波、ノイズなど、合計67種類ものオシレーター原波形が収録されています。特にSAW(ノコギリ波)は非常にバリエーション豊かですね。
 
 
 

リズム・セットおよびフィルター部

 プリセット2種、ユーザー2種のリズム・セットが用意されています。こちらも(当時の)ハウス/フロア系を意識したTR-808/TR-909などの音色が充実しています。
 
 
 フィルターはローパス、ハイパス、バンドパスなど全4種類。可変幅は広く、効きも強めですね。「-12dB/oct」と「-24dB/oct」のスロープが切り替え可能です。


Roland SH-32(advertisement)
SH-32/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

「アナログ・フィール」機能?

 本機にはANALOG FEELというパラメーターがあり、これを0~127の間で設定することにより、“発音する音色のピッチに、不安定な揺らぎを付加する”というもの。これにより往年のアナログ・シンセのような不安定さを楽しめる(笑)という、使い方によってはちょっと面白いかもしれない機能です。

 

 

 

個人的所感

 肝心の音の方ですが、いわゆる「アナログモデリング・シンセ」に近いものを求めていた僕にとってはかなりベクトルが違っていましたね。。まず、本機は基本的な設計がダンス/フロア向けです。実際プリセットにはループものが多く、アルペジエータも実にバリエーション豊富。リズムを鳴らして、そこにアルペジエーターでループを重ねて、さらに効きのいいフィルターを開け閉めして、リアルタイムで遊ぶというスタイルがばっちりハマる感じです。
 
 
 音色自体は、良く言えば「エッジの効いた音」、悪く言えば「下品な音」。まあ個人の好みにもよりますが、どれもエグく、さらにそのエグさを強調する変態系なエフェクトなんかも充実していて、一言でいえば全てがエグかったです。
 
 
 それでもループを外し、MIDI鍵盤につないで、使えそうな音色を探そうとしましたですよ。金属的なモジュレータ音は結構かかりがいいですね。やっぱり全体的にキツめの音が多いのだけど、うまいことフィルターで尖った音をカットすれば、ちょっとしたエレクトロポップとかには合いそう。
 
 
 でもって僕の場合、なかなかイメージした通りの音色になりませんでした。センスがなかったのでしょう。。ライブでも一度だけ使いましたが、その後使い込む気力は湧かず結局手放してしまいました。
 

 

まとめ的な

 やっぱり予算15,000円以内(当時)で本格的なアナログシンセ・モジュールを手に入れるという発想自体が甘かったか。。ただし音は立っているので、用途と使い方によっては面白くハマる可能性はあると思います。
 
 
 
 関連記事(ローランドSHシリーズ):
 「Roland SH-1000 ~1973年発売の「国産初のシンセサイザー」
 「Roland SH-2000 ~30音色内蔵のプリセット・シンセサイザー[1974年]
 「Roland SH-3A ~幅広い音作りに対応した初期ローランド・シンセ[1974年]
 「Roland SH-1 ~ローランド初となる…[1978年]
 
 「Roland SH-201 ~21世紀によみがえった伝統の “SH” [2006年]
 

仕様
■最大同時発音数:32音
■シンセオシレーター原波形:7グループ、67種
■リズムセット用波形:63種
■プリセットメモリー:128パッチ、2リズムセット
■アルペジエーター:64スタイル(ユーザープログラム可能)、64リズムスタイル
■コードメモリー:64コードフォーム
■外形寸法:303(W)×91.5(H)×228(D)mm
■重量:1.9kg
■発売当時の価格:55,000円
■発売開始年:2002年

 

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