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KAWAI 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.378】KAWAI MP9500 ~MP9000が進化した本格ステージ・ピアノ[2002年]

2018/04/21

 今回ご紹介するキーボードは、2002年に発売された河合楽器の「MP9500」というステージ・ピアノです。これは1998年に同社から発売されたMP9000の後継モデルですね。発売当時の定価248,000円(税別)もMP9000と全く同じです。最大同時発音数は64音。

 

KAWAI MP9500

 

 KAWAIの電子ピアノにおいてこの「MP」と頭に付くシリーズは、一貫してライブステージでの演奏を意識して作られた設計となっており、2018年4月現在の現行製品としてはMP7SE、MP11SEがあります。
 
 
 関連記事:「ステージ・ピアノとはそもそも何なのか ~「電子ピアノ」とは違うの?
 
 
 今回取り上げるMP9500は今から16年前のモデルではありますが、これは当時の完成度の高さから、“完全プロ仕様”をうたった高級機となっており、実際プロの現場を中心に多くのステージを支えました。初代モデルのMP9000との比較を交えつつ記事を展開してみましょう。
 
 
 

まずは外観

 MP9000同様、パネルが一段階手前に傾斜しているデザインを採用。パネルトップはシルバー・フィニッシュとなっていて近未来的なデザインという印象を受けます。
 
 
 スイッチ/スライダー類の配置が若干異なっているため筐体は全く同じというわけではないですが、まあ全体的な形状・デザインはMP9000とあまり変わっていない感じですね。パネルトップの奥行が微妙に狭いのもMP9000譲りで、他のシンセを2段積みしようかどうかは悩ましいところであります(笑)。まあ細くて軽い鍵盤なら載せてもアリでしょう。
 
 
 関連記事:「KAWAI MP9000 ~優れた鍵盤タッチを備えたステージピアノ[1998年]
 
 
 

鍵盤部について

 鍵盤メカニズムは、弾きごたえのある木製鍵盤『AWAグランドプロ』アクションを採用。これは実際のグランドピアノと同様のフロント・ピン、バランス・ピンといったパーツを使用し、高音部と低音部での鍵盤の重さの違いを追求した構造となっており、本機の最もこだわりの感じられる部分の一つであります。
 
 
 ちなみに前モデルMP9000ではこの部分は『AWAグランド鍵盤スーパー』と名付けられていました。字面的には “スーパー”から“プロ”へ進化したといったところでしょうが、ちょっと言葉では説明しにくいですね。。いずれにせよ本物のアコースティックピアノのようなどっしりとした弾きごたえを実現していると思います。
 
 
 関連記事:「そもそも木製鍵盤のどういったところがよいのかを調べてみた ~電子ピアノの鍵盤について
 
 
 

音色について

 音色群は以下8カテゴリーに分かれており、それぞれ×8のバリエーションを持っています。つまり8×8で64音色を搭載
 

PIANO
E.PIANO1
E.PIANO/MALLET
ORGAN/HARPSI
DRAWBAR
STRINGS/BRASS
VOCALS/PAD
BASS

 
 前モデルMP9000ではピアノ系音色を中心に16音色(内蔵)にとどまったので、単純な音色数を見れば4倍に増えているということですね。
 
 
 本機の “顔”ともいえるアコースティックピアノ系音色は、KAWAIの最上級グランドである「EX」を細かくステレオ・サンプリングしたものが収録されており、タッチの強弱による音色の変化にもよくついてくるといった感じで、申し分のないクオリティと言えるでしょう。
 
 
 面白いのが、持続系音色である「DRAWBAR」が用意されている点。これはつまりハモンドB3系のオルガン音色なのですね。付属のペダルにてロータリースピーカーの回転スピード(LOW/HIGH)の切り替えもできるそうですよ。

 

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音色のエディットも可能

 また、MP9000と同様に本機でもある程度の音色エディットが可能となっています。パネル上にある「TONE MODIFY」スイッチを押すと、4つのつまみがそれぞれ「CUTOFF」「ATTACK」「DECAY」「RELEASE」に対応します。レゾナンスがないのは惜しいです(笑)
 
 
 あと本機には4バンドのイコライザーおよび、リバーブ(全7種)や各種エフェクト(コーラス、トレモロ、フェイザー、オーバードライブなど。全21種)を搭載しています。ピアノ系はもちろんそれ以外の音作りにもある程度対応可能といったところですね。
 
 
 

マスター・キーボードとして

 発音域は4つのゾーンに割り当てることが可能になりました。パネル左側には4つの独立したフェーダーおよび8つのセレクトスイッチがあり、このセクションにて(本機をマスターキーボードとして使用する際の)様々な機能を設定することができます。内蔵音源+外部音源を任意に組み合わせて演奏することが可能となっています。
 
 
 あとピッチベンドホイール、モジュレーションホイールも装備していますね。マスターキーボードとして惜しむらくはアフタータッチがない点でしょうか。MIDI出力も1系統しかないのもちょっと残念ポイント。
 
 
 とはいえ、近年では複数の外部音源を制御することを前提とした “マスターキーボード”という概念自体があまり流行らない時代なので、今どきの演奏表現の使用にはあまり問題ないと言えるかもです。
 

KAWAI MP9500(advertisement)
es1, MP9500/(株)河合楽器製作所 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 前モデルで好評だった “素晴らしいタッチの鍵盤部”を踏襲し、マスターキーボードとしての使い勝手をより広げた、MP9000の正統な進化モデルといったところでしょうか。内蔵音色だって、生ピアノ系はもちろんエレピ系だって使えないことはないと思います。ピアノ特化型のキーボードを探している人にとってはマッチしやすい一台だと思われます。
 
 
 ちなみに本体重量は、MP9000から微減となる32kg(→MP9000では34kgだった)。うーん、、重量に関しては相変わらずのヘビー級でもって、外のライブなどで移動させるのはかなりの困難さを伴いそうです(笑)。とはいえ自宅使いのマスターキーボードや、あるいは練習用電子ピアノとして使うのであればなかなかのパフォーマンスを発揮してくれると思いますよ。
 
 
 
 関連記事:
 「KAWAI MP9000 ~優れた鍵盤タッチを備えたステージピアノ[1998年]
 「KAWAI es1 ~全6色展開の2000年代初頭デジタル・ピアノ[2000年]
 

仕様
■鍵盤数:88鍵(AWAグランドプロ)
■最大同時発音数:64音
■音色数:64
■インターナル・メモリー:マルチ64、シングル64
■ディスプレイ:16文字×2行LCD(バックライト付き)
■内蔵エフェクト:リバーブ7種、エフェクト21種、4バンドEQ
■外形寸法:1466(W)×189(H)×442(D)mm
■重量:32kg
■発売当時の価格:248,000円(税抜)
■発売開始年:2002年

 

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