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WALDORF 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.157】WALDORF MicroWave ~WALDORF初のシンセサイザー・90年代の“PPG” [1989年]

2018/03/09

 今回ご紹介するシンセサイザーは、WALDORF(ウォルドルフ)から発売された「MicroWave」です。発売は1989年。発売当初の価格は300,000円でした(→後に値下げ)。鍵盤なしの2U音源モジュールであり、当時ほぼ無名だったドイツのメーカー・WALDORFが手掛けた初のシンセサイザーでもあります。

 

WALDORF MicroWave
 
 
 

はじめに・「PPG WAVE2.3」から「MicroWave」へ

 1980年に発売された「Waveシンセサイザー“PPG”」は、その画期的な音源方式・独創的なサウンドキャラクターから、当時の音楽シーンに大きな影響を与えました。それから約10年の時を経て、PPGの心臓部を(カスタム)チップ化して発売されたのが本機・MicroWaveです。PPGで採用されていた音源「ウェーブ・テーブル方式」を引き継ぎ、特にPPG WAVE2.3の機能をベースとしてそれを発展させた仕様となっています。
 
 
 

仕様について

 64種類のPCM波形を内蔵し、同時発音数は8ボイス。ボイスごとにそれぞれオシレーター×2、フィルター(アナログ方式・レゾナンス付き)、エンベロープ・ジェネレーター×4、LFO×2を搭載しています。
 
 
 なお前述したように本機では「ウェーブ・テーブル音源方式」を採用しており、ここでのオシレーターというのは直接的な音源ということではなく、ウェーブ・ジェネレーターのピッチ・ソースとしての役割を果たすものだそうです。これによりオシレーターは時間経過に伴って正確な波形を出力し、ウェーブ・ジェネレーターに変調を掛けるようになっています。
 
 
 

出音について

 またPPG WAVE2.3では12ビットだったA/Dコンバーターが16ビットとなり、フィルター部はCURTIS(カーチス)社のアナログ・フィルターを採用しており、キレのある抜けの良いサウンドを実現しています。当時はアナログシンセからデジタルシンセへの移行期でもあったのですが、本機は「デジタル・ウェーブテーブルをアナログ・フィルターに通す」というコンセプトであり、これはのちの「The Wave」にも見られますね。
 
 
 本機のデジタルとアナログを融合させたような不思議なサウンドは、他のメーカーでは出ない独特なキャラクターと言えます。なお当時、ドイツのテクノ・ミュージックシーン(→ジャーマン・テクノ)において本機のベースサウンドは大変に評価されたそうで、「音源はMicroWave、ループはAKAI(のサンプラー)」なんて使われ方がよく見られたそうですね。
 
 
 

操作系について

 前述した仕様は、シンセサイザー初心者には非常に理解が難しく、使いこなす複雑さはなかなかと言えるでしょう。それに反して操作パネルの構成は超絶シンプルです(笑)。真っ赤な大型のダイヤルと、OKボタン、モード変更ボタンと、それぞれのモードに対応する4つのボタンだけです。それにしてもWALDORFの個性的なデザイン(カラーリング)は、初号機からして既に発揮されていたという感じですね。。

 

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内蔵音色について

 内蔵音色は、シングル・ファクトリー・プログラム×32、マルチ・ファクトリー・プログラム×16となっており、これらは全て書き換えが可能になっています。また本体にカード・スロットも搭載し、カードを差し込むことによって作った音色をライブラリー化しておくこともできました。
 
 
 

オプションの「Wave Slave」について

WALDORF WaveSlave
 
  本機発売の2年後に発売された「Wave Slave」(1Uモジュール)は、MicroWaveの音源部のみを搭載したモデルで、MicroWaveと(MIDIで)接続することでボイス数を8→16に増やすことができました。当時の定価は250,000円。MicroWaveを2台購入するよりも若干お得(かつ省スペース)で、MicroWaveの完全16音ポリを実現するというものでした。
 

Waldorf MicroWave+WaveSlave

 
 
 

個人的かんそう

 のちに値下げはされたものの、発売当初の30万円はなかなかのお値段だったと思われます。本体のみでの同時発音数は8ボイス、エフェクトは内蔵されていなくて、その頃のシンセ・モジュールにはよく見られたドラム音源も搭載していません。とはいえ本機にしか出せない音もあり、その個性的なキャラクターを求め数多くのミュージシャンによって愛用されたそうですよ。
 
 
 
 関連記事(MicroWave専用プログラマー):
 「ACCESS Matrix Programmer/MicroWave Programmer ~ACCESS初の製品
 
 
 関連記事(MicroWaveシリーズ):
 「WALDORF MicroWave II ~フルデジタル化したMicroWave [1997年]
 「WALDORF MicroWave XT ~PPGの伝統を受け継ぐシンセサイザー[1998年]
 

仕様
■最大同時発音数:8音
■音源方式:ダイナミック・スペクトラル・ウェーブテーブル方式
■メモリー容量:システムROM 128KB、RAM 256KB
■音色メモリ:256(シングル)、128(マルチ)
■構成:オシレーター×2、フィルター(アナログ方式・レゾナンス付き)、エンベロープ・ジェネレーター×4、LFO×2(波形:4種)
■LCDディスプレイ:16文字×2行
■外形寸法:482(W)×88(H)×225(D)mm
■重量:5.5kg
■価格:300,000円(のちに値下げ)
■発売開始年:1989年

 

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