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KAWAI 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.380】KAWAI GMega(/GMegaLX) ~カワイ初となるGM音源モジュール[1992年]

2018/08/26

 今回取り上げる機材は1992年に河合楽器から発売された「KAWAI GMega(XS-2)」です。これはハーフラックサイズのいわゆるDTM音源機ですね。価格は69,000円(税別)

 

KAWAI GMega

 

 この手の音源モジュール/シンセサイザーを作らなくなって久しいKAWAIですが、90年代までは国産シンセ・メーカーの四天王(→他の3つはヤマハ、ローランド、コルグ)の一角として市場に存在感を放っていたのですね。本機は同社初となるGM専用音源モジュールでした。
 
 DTM音源機としてはやや後発であったGMegaなのですが、どのような機種だったのでしょう。
 
 
 

概要

 1Uハーフラック・サイズのコンパクトボディに48Mビットの波形ROMを内蔵した、新方式音源搭載のGM音源機。2つのMIDI入力端子を持ち、32チャンネル・プレイも可能となっています。同時発音数は32音。
 
 
 

音源部について

 同社新開発となる「DMS2音源」方式を採用。波形サンプリングは16bitリニア、44.1kHzとなっており、理論上はCDと同等の音質ということになりますね。
 
 GMegaの音といえば、市場に後発で登場したということもありクオリティの高さは当時から特筆されていたと記憶しています。
 
 
 

3つの演奏モード

本機GMegaには以下3つのモードが搭載されています。

GMモード
SP(サウンド・パレット)モード
ユーザー・モード

 
 GMモードはGMシステム1に準拠。音色は128+7ドラムセットとなっています。
 
 SPモードというのは、KAWAIがそれまで展開していたDTM向けシステム「サウンド・パレット」との互換(コンパチ)モードのことであり、旧来のサウンド・パレットの音色配列が問題なく再生できるものですね。またサウンド・パレット自体がローランドMT-32/CM-32Lとほぼ同じ音色(および配列)を持っており、これらのサウンド・データも再生することができます。
 
 
 関連記事:「Roland MT-32 ~DTMパック『ミュージくん』でも同梱された音源モジュール[1987年]
 
 
 ローランドのそれとは音色のニュアンスは若干違っていたそうですが、当時のデファクトスタンダードだった「ミュージくん/ミュージ郎」の演奏データをほぼそのまま再現できるということで、本機の特筆すべき点に挙げられるでしょう。
 
 
 ユーザー・モードは文字通りユーザーが任意でオリジナル音色を登録できるモード。GM、SPモードと同じく128音色+7ドラムセットです。

 

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32パートの演奏が可能

 MIDI IN端子を2つ備えており、合計32パート(16ch×MIDI IN A/B)のセクションにて同時発音が可能です。同時発音数も同じく32。これは当時このクラスのGM音源機としては多かった方ですね(実際には32パートフルで鳴らすことは難しかったらしいですが)
 
 
 

コンピューターとの連携について

 従来のMIDIインターフェイス無しで、Macintoshシリーズにダイレクトで接続できるSERIAL I/Fを装備。Macで本格的なDTMを始めたいという人にはうってつけといった感じでした(接続ケーブルは別売り)
 
 
 このシリアル・インターフェイスは1系統のみなので16セクションまでしか利用できませんが、別途MIDIインターフェイスを用意すれば32セクションをフルに使うことも可能です。
 
 
 

操作性について

 16文字×2行のLCDディスプレイを搭載。グラフィカルではありませんが視認性は悪くないと思います。そして何といっても、国産のGM音源機としては初となるデータ・インクリメント・ダイアルを搭載しているのがポイント。0から127に数値を変化させる時でもスピーディーに行うことができます。
 
 
 

音色エディット機能について

 本機のユーザー・モードでは本格的な音色エディット機能を備えており、単体のシンセ・モジュールとして考えても使い回しが利くと言っていいでしょう。この辺りは同クラスのエントリーGM機との差別化が見られる大きなポイントです。
 
 
 具体的には、(PCM波形を使った)オシレーター/フィルター/アンプというごくオーソドックスな流れによるシンセサイズが可能といったところで、エンベロープや、フィルターのカットオフやレゾナンスなどのパラメーターももちろん備えています(→MIDIエクスクルーシブデータにて送信)
 
 
 

55種類の音律を設定可能

 「音律」というのは、平均律やら純正律などの調律法のこと。本機では32の各セクションごとに55種類もの音律が設定できるようになっています。
 
 
 一般的なポップ/ロックなどでは平均律以外を使うことはあまりありませんが、オーケストラの複雑な響きをよりリアルに再現するには様々な音律が用意されているのは便利かも。オーケストラといえば音律の異なる楽器の集合体みたいものですしね。。あと民族楽器にも使えるかもです。
 
 
 

エフェクトもあるでよ

 デジタルリバーブ×3、ディレイ×3を内蔵。いわゆるエコー系のみですが付いているだけ良いでしょう。

 

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後継モデル・GMega LX(XC-3)について

 GMegaの翌年に発売された後継機。内容は同社のキーボード・シンセサイザー「KC20」の音源部を踏襲したものであり、それをGM音源としてハーフラックに凝縮した感じです。最大同時発音数は28(20音色+8ドラムキット)
 
 
 関連記事:「KAWAI SPECTRA KC20 ~GM音源搭載の軽量・コンパクトシンセサイザー[1993年]
 

KAWAI GMegaLX

 

 見た目の大きなポイントとしては、LCD画面およびボタン類が排され非常にすっきりとした本体デザインとなっている点でしょう。電源とボリューム・ダイヤルのみというザッツシンプル設計! 操作はPC側で全てやってくれいといった感じですね。ボディカラーもオフホワイトに変更され当時のPCと同系色となったことで、システム全体の統一感を演出するのに一役買っていると言えるでしょう。
 
 
 機能的にはパフォーマンス・モードなどが省略され、そのシンプルな筐体も相まってコストも37,000円(税別)とぐっとお手頃になりました。音色もGM128音色に新たに32音色が加わり、160音色+7ドラムセットとなっています。ただし肝心の出音のクオリティは前モデルよりも若干落ちたという話は聞きますね。。
 

KAWAI GMega(advertisement)
KAWAI GMega, Q-80EX/(株)河合楽器製作所 雑誌広告より画像引用
 
 
 

つぶやき的な

 互換性確保、ダイヤル装備、シリアル端子搭載などなど、後発ということでよく練られたなかなかの仕様と言っていいでしょう。当時のGM音源機といえばRolandがやはり強かったのですが、MT-32などには見られない音色のきめ細やかさ(特にピアノ系)などには定評がありました。
 
 
 KAWAIのDTM用機材といってもいまいちピンと来ない人もいるかと思いますが、こういったややマイナーでありつつも、なかなかの良機があったことだけでも知っていただければ幸いに思います。
 
 
 
 関連記事(同時代のDTM音源機):
 「Roland SC-55 ~ローランドの初期DTM音源モジュール。リモコンも付いたよ!
 「YAMAHA TG100 ~ヤマハ最初期のGM対応DTM音源モジュール[1992年]
 「ENIAC Sound Saurus BH-1000 ~90年代のレアDTM音源モジュール[1994年]
 「KORG X5DR ~ライブでも使えるGM音源モジュール[1995年]
 「AKAI SG01k ~AKAIが出したGM音源・ハーフラックモジュール[1995年頃]
 

仕様
■音源方式:DMS2音源
■波形メモリー:48Mビット

■最大同時発音数:32音
■トーンバンク:
 GM〈レベル1モード(128音色+7ドラムセット)〉
 サウンド・パレット・モード(128音色+7ドラムセット

 ユーザー・モード(128音色+7ドラムセット)
 ドラムセット:スタンダード、ルーム、パワー、エレクトロ、アナログ、ジャズ、オーケストラ

■セクション(パート)数:32パート
■エフェクト:リバーブ3、ディレイ3
■外形寸法:219(W)×46(H)×203(D)mm
■重量:1.4kg
■発売当時の価格:69,000円(税別)
■発売開始年:1992年

 

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