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1960~80年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.321】KORG DRM-1 ~80年代のリモコン付きデジタル・リズム・モジュール[1987年]

2018/07/01

 今回は、1987年にコルグから発売された「DRM-1」というリズム・モジュールを紹介してみたいと思います。当時の定価は128,000円。以前本ブログでも取り上げた「DDD-1」の翌年に発売された、1Uラックモジュールサイズのドラムマシンです。

 

KORG DRM-1(advertisement)
DRM-1/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用
 
 
 
 
DDD-1(およびDDD-5)ではデスクトップ型であり、多くの音色ボタン(音色パッド)やパラメーター変更ボタンが配されていおり直感的な操作性が売りだったのですが、1U仕様となるとスペース的にそうもいきません。けれどその点についてDRM-1では、今見ても面白い解決の仕方をしてあります。それでは早速見てみましょう。
 
 関連記事:「KORG DDD-1 ~ダイナミクス機能を備えた80年代の高性能ドラムマシン
 
 
 

概要

 同社のDDDシリーズのサンプリング・ノウハウを投入して開発された、ドラム音源、シーケンサー、トリガー/MIDIコンバーターとして使える1Uデジタル・リズム・モジュール。音源は12bit D/A変換技術により当時としては高いSN比(→高音質)を誇り、またワイドなダイナミックレンジを実現。
 
 
 音源のみならず本機のみでドラム・シーケンスを組めたり、トリガー/MIDIコンバーターとしても使用できることから、これ一台でリズムに関する幅広い活用ができるようになっています。
 
 
 

まずは “リモコン”

 本機を語る上で外せないキーワードが本体付属の「リモコン」でしょう。ちなみにこれは付属品にもかかわらず「DRM-1R」という個別の型番が振られています。
 

KORG DRM-1(remote controller)

 ボタンは多く、当時のコンポやビデオデッキに付属していたリモコンに近い感じですね。

 反面、本体側に設置されているのは、電源スイッチやボリューム・ノブ、LCDディスプレイ、さらに4つのカードスロットだけという必要最小限のものだけ。そう、つまり本機は1Uラックという限られたパネルスペースでの操作を諦め(?)、リモコン側のボタンにて全て行うようになっています
 
 
 

音源部について

 内蔵音色はバスドラ×4、スネア×4を始めとして、各種シンバル、各種タム、パーカッション類など全23音色を内蔵。また、それら楽器音のチューン(ピッチ)、ディケイ(→アタック音の減衰)、アウトプットレベルなどの設定が可能となっています。これらのインスト・セッティングは16種までメモリーが可能。
 
 
 内蔵音色はDDD-1/5と比較すると「まぁそこそこ増えてる」といった印象ですが、DDD-1/5の膨大なサウンドライブラリーが全て使用できるので拡張性は結構強力です。DRM-1発売時にはDDD-1/5用ライブラリーは50タイトルくらいリリースされており、DDD-1/5のユーザーでなおかつ多数のライブラリーを保有していた人にとっては、本機は強力な拡張音源として使えたと思います。
 
 
 

拡張カードスロットについて

 本体に4つあるカードスロットは、ROM/RAM兼用×1、ROM専用×3という内訳。前述したように、膨大なDDD-1/5向けサウンド・ライブラリーが同時にMax4枚まで本体に装備できたということになります。

 

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トリガー入力について

 ドラム・パッドなどを接続して演奏できるトリガー入力端子を7系統装備。これは外部から入力されたパッドなどの音声信号をMIDI信号に変換し、本機あるいはサンプラー等の音源とをつないでスレーブとして鳴らすこともできました。
 
 
 MIDIに関しても柔軟な活用ができたという感じですね。演奏中も、ピッチ、ディケイ、ダイナミクスなどをパッドを叩く強さのほか、MIDIベロシティやフットペダルなどにより変化させることが可能でした。
 
 
 また演奏はそのまま内蔵のリアルタイム・シーケンサーにMax16パターンまでメモリーOK、もちろん後からのエディット(パンチイン/アウト、オーバーダブ、イレース等)もOK。
 
 
 

音声出力について

 

 

 上図は本機リアパネルの入出力系統のジャック穴の概略図。これを見て分かるように、メインのステレオアウトの他にいわゆるパラアウトの端子が8系統装備されています。この出力は任意にアサインが可能で、楽器ごとにどこから出力するのかもセットすることができます。
 
 
 それにしても本機はフロントパネルのシンプルさとは対照的に、リアパネルにはとことん詰め込んじゃった感がありますね。。ちなみに上図で何も書かれていない3つのジャック穴はペダル用です。
 
 
 

つぶやき的な

 入出力端子の多さなど特筆すべき点はありますが、本機のインパクトは何といってもリモコンですよね~。リモコン付き音源モジュールという意味では、以前本ブログでも紹介した「Roland SC-55」「Roland SB-55」などがあるのですが、DRM-1ではリモコンがないと何もできないというのが決定的な違いです。よってヤフオクなどでもリモコンのみの出品とかもあったりします。
 
 
 このリモコン、1Uラックものの操作性を飛躍的に向上させるという意味では面白いと思うのですが、各種パラメーター表示は本体の小さなLCDで確認しなければいけないわけで、よほど慣れていない限り結局は本体の近くで操作せざるを得ないですよね。両手で操作するのもちょっと難しそうだし、コンポやビデオデッキのそれのような使いやすさは得られなかったのではないかと思います。
 
 
 だったら同社の同時期のサンプラー「DSM-1」「DSS-1」に見られた専用エディットソフト・『イマジン』のように、PCのCRTディスプレイにて(リモコンで)操作できるオプションも用意してくれていたなら使いやすかったかも、何て感じました。
 
 
 
 関連記事:
 「KORG DDD-1 ~ダイナミクス機能を備えた80年代の高性能ドラムマシン[1986年]
 「KORG DSS-1 ~サンプリングした音をシンセのパラメーターで加工可能[1986年]
 

仕様
■内蔵音源:23種(スネア×4、サイドスティック、バスドラム×4、クローズドハイハット、オープンハイハット、クラッシュシンバル、ライドシンバル、ハイタム、ミッドタム、ロータム、カウベル、ハンドクラップス、ハイコンガ、ローコンガ、ミューテドコンガ、ハイティンバレ、ローティンバレ)
■カード・スロット:ROM/RAM兼用×1、ROM専用×3
■端子:PHONES、アウトプット(L,R/MONO)、マルチアウト(1~8)、MIDI IN/OUT/THRU
■外形寸法:482(W)×44(H)×315(D)mm
■重量:4.3kg
■発売当初の価格:128,000円
■発売開始年:1987年

 

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