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1970~80年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.82】Roland D-10 ~名機D-50譲りのLA音源搭載シンセ[1988年]

2018/11/25

 

 

 今回ご紹介するシンセサイザーは、ローランドの「D-10」です。発売されたのは1988年で、LA音源を搭載した名機・D-50の一年後に登場した、いわば同機の廉価版といった感じでしょうか。詳しく見てみますよ。

 

Roland D-10
 
 
 

D-10とD-20の違いについて

 D-10リリースの1~2ヶ月後には、兄弟機といえる「D-20」が発売されました。両機の音源部は同じ物であり、D-20にはシーケンサーおよびFDDが搭載されています。パネルデザインも似ていますね。“シーケンサーを付けたモデルと、付けないモデル”という分け方としては、他社(ヤマハ)になりますが「EOS YS200/YS100」を思い出させます。
 
 
 なおD-20については、本ブログの「Roland D-20 ~オールインワン・シンセのはしりとなった、シーケンサー内蔵シンセ」にて改めて記事にさせてもらいました。
 
 
 

音源部について

 D-50譲りの音源方式・LA音源(Linear Arithmetic)を採用しています。とはいえ音源部のアーキテクチャに関しては、D-50のそれというよりは、先に発売されている(DTM向け)音源モジュール「MT-32」に近いです。むしろMT-32をグレードアップしてキーボード仕様にしたもの、という考え方の方がしっくりくる感じですね(ただし音色データには互換性はありません)。
 
 
 関連記事:「Roland MT-32 ~DTMパック『ミュージくん』でも同梱された音源モジュール[1987年]
 
 
 32のパーシャル(波形単位)を持ち、1パーシャルごとに独立使用すれば最大32音のポリシンセとして使用できます。とはいえ通常は2パーシャルを組み合わせた音作りを行うため、16ボイスと捉えておいてよいでしょう。
 
 PCM波形データはプリセットで256種用意されており、D-50の100種類から大幅な増加となりました。

 

Roland D-10(advertisement)
D-10/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

2つの演奏モード

 D-10にはパフォーマンス・モードとマルチ・ティンバー・モードという2つのモードがあります。
 
 一般的な鍵盤演奏を行うモードが「パフォーマンス・モード」であり、MIDIシーケンサーのスレーブ音源として使用する場合には「マルチ・ティンバー・モード」(→8パート+1リズムトラック)が便利です。
 
なおモードの切り替えはパネル上のスイッチによって簡単に行えます。
 
 
 

プログラマブル・リズム・マシン内蔵

 シーケンサーを省略している代わりに、リズム・マシン機能が搭載されています。本体に63種のプリセット・リズム・トーンを装備し、(64種のプログラマブル・トーンと共に使用して)リズム・パターンを組み演奏させることが可能です。
 
 
 また、あらかじめ本体に32種のプリセット・リズム・パターンが用意されているため、難しいことを考えずともとりあえずリズムを鳴らすことができます。

 

 

 

価格改定について

 1989年4月1日、それまでの物品税が廃止され消費税が導入されたことにより、販売価格も128,000円→119,000円と改定されました。よりお手頃になりましたね。
 
 
 

個人的かんそう

 単純にD-50の廉価版かと思いきや、音色数は増えてるし、操作も使いやすくなっている部分もあり悪くないと思います。価格もD-50の約半額とお買い得感があったし、中級者向けのシンセとしては手に入れやすかったのではないでしょうか。
 
 
 ただし、ヤマハ「EOS YS200/YS100」 VS ローランド「D-20/D-10」のタッグマッチ戦として考えると、(勝ち負けはともかく)どうしてもローランドの方が地味な感じになってしまっていましたね。発売は共に1988年であり、価格帯も近いです。よく見たら型番も似ていますね。やはり広告の力が大きかったのでしょうか。。
 
 
 関連記事:「YAMAHA EOS YS200/YS100 ~EOS初号機、現る![1988年]
 
 
 
 関連記事(ローランドLA音源シンセ他):
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 「Roland D-70 ~「DLM」機能を搭載した76鍵ライブ・キーボード[1990年]
 

仕様
■鍵盤:61鍵(ベロシティ対応、ただしアフタータッチ非対応)
■音源方式:LA方式(32パーシャル、13ストラクチャー)
■最大同時発音数:32音
■音色メモリー容量:128プログラマブル・パッチ、128プログラマブル・ティンバー、128プリセット・トーン、64プログラマブル・トーン、63プリセット・リズム・トーン、32プリセット・リズム・パターン、32プログラマブル・リズム・パターン、1リズム・トラック
■内蔵エフェクト:デジタル・リバーブ
■ディスプレイ:16文字×2行LCD(バック・ライト付)
■外形寸法:974(W)×98(H)×301(D)mm
■重量:8.6kg
■発売当時の価格:128,000円(のちに119,000円)
■発売年:1988年

 

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