キーボーディスト、脱初心者を目指す

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1990年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.192】Roland G-800 ~欧米でヒットした90年代アレンジャー・ワークステーション[1996年]

2018/07/01

 今回ご紹介するキーボードは、ローランドが1996年に発売した「G-800」です。以前本ブログでも取り上げた同社の「E-20/E-10」の進化形といった趣きの、いわゆる自動伴奏機能の付いた鍵盤楽器です。76鍵で定価は229,000円。

 

Roland G-800

 

 こちらもE-20/E-10同様、イタリア生まれ(→ローランド・ヨーロッパ)のキーボードなのですが、デザインおよび文字色(→赤茶)などは同時代のMIDIキーボード「A-33」とよく似ているんですよね。。個人的にはどちらかというと中華系の雰囲気が感じられます。
 
 
 

G-800概要

 高品位なサウンドおよび、多彩な「ミュージック・スタイル」を搭載したインテリジェント・ワークステーション(自動伴奏アレンジ・キーボード)。同時発音数は音切れの心配がない64音。鍵盤部はベロシティにも対応した76鍵盤仕様となっており、多様な演奏スタイルにも演奏性を損なわず対応できます。
 

Roland G-800(advertisement)
G-800/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

音源部について

 GM/GS規格に対応した、689種類の音色(トーン)および25のドラム・セットを内蔵。これらはA~Dの4グループに分かれ、A/BグループはG-800独自の音色、C/DグループにはSC-55、MT-32などのGM音色が搭載されています。
 
 
 90年代半ばの本格派モデルにもなると、以前のような「家庭向け」のそれとは比べものにならないほど音色クオリティが上がっていますね。ローランドに限らず各メーカーも、最先端の主力シンセの音源を移植してくるなど、ちゃんと力を入れていたといった印象です。
 
 
 

音色エディットについて

 本機はバリバリのシンセサイザーという感じではないのですが、ちょっとした音色エディットならば可能となっています。以下、主だった変更可能パラメーターを挙げてみましょう。

■フィルターのカットオフ(およびレゾナンス)
■エンベロープのアタック、ディケイ、リリース ※アンプ/フィルター共用
■ビブラート
■各種エフェクト(リバーブ、コーラス、ディレイ、2バンドイコライザー)

 
 「演奏」を第一に考えた上で必要なエディット・パラメーターとしては、上記のもので十分だったのかもしれません。これ以上コストがかさむと手が出しにくくなりますし、合理的な割り切りと見ていいと思います。
 
 
 

自動伴奏機能について

 本機にプリセットされた「ミュージック・スタイル」は全128種類(16ジャンル×8パターン)。ジャンルは、8ビート/16ビートといったいわゆるスタンダードなロック系から、ラテン系、エスニック系など多様に搭載されています。
 
 
 伴奏作りはまず、1種類のパターンごとに「ベーシック」「アドバンスト」の2つのレベルから選び、それぞれに「オリジナル」「バリエーション」、さらに「イントロ」「エンディング」「フィルイン」のパターンを選んでバッキングを組み立てます。
 
 
 

コード認識機能について

 これも従来のシリーズから受け継がれている機能で、1~2音しか弾かなくても押さえたコードを自動判別し、瞬時にバッキング・フレーズを生成してくれるというもの。G-800ではさらに8分音符単位でコード・チェンジに追従してくれるため、ちょっとしたシンコペーションにも素早く対応してくれます。

 

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まとめ的な

 シーケンサーのように事前に仕込み作業が不要で、とりあえず適当なバッキング・フレーズが鳴ってくれればよいという目的ならば、本機は非常に便利に使えると思います。
 
 
 あと76鍵というのは演奏上非常に便利であり、本機では2か所のスプリット・ポイントを設定することができます(→つまり鍵域を3つに分割可能)。もちろん各鍵域ごとに別々の音色でプレイすることも可。これはライブでも使えたのではないかと思います(ライブ向けの設計ではないけど。。)
 
 
 

個人的つぶやき

 この手の自動伴奏機能搭載のインテリジェント・キーボードというと、昔から日本(の本格志向のプレーヤーの間)ではあまり人気がなく、一方欧米では熱狂的に受け入れられているという面白い側面があります。
 
 
 歌や生演奏が街中に溢れ、そういった音楽が自然に生活に溶け込んでいる欧米に対し、日本では「とりあえずカラオケボックス」みたいな、皆で盛り上がりつつもどちらかというと閉鎖的なスタイルが主流とでも考察しましょうか。。
 
 
 日本でも欧米のようにバーやレストランにさりげなく楽器が置いてあって、一般客が何となく即興演奏を始めちゃうといった文化が広まればよいのになと思うわけです。話がちょっとそれました。。
 
 
 自動伴奏なんぞいかにもおもちゃっぽいなどと敬遠せず、リズムはこういったバッキング・マシンに任せて、マシン+キーボード+歌というスタイルでのストリート・ミュージシャンがもっと増えてもいいと思うのです。ありきたりなギター(あるいはピアノ)弾き語りよりも、歩行している人の足を止めやすいと個人的には感じます。
 
 

仕様
■鍵盤数:76鍵(ベロシティ・センシティブ、シンセサイザー・タイプ・アクション)
■最大同時発音数:64音
■内蔵音色:689音、25ドラムセット
■ミュージック・スタイル:128種類
■ユーザー・スタイル:8(1スタイルにつき8トラック)
■パフォーマンス・メモリー:192
■レコーディング方式:ダイレクト・トゥ・ディスク ※ディスクに直接書き込み
■エフェクト:デジタル・リバーブ、コーラス、ディレイ、イコライザー
■ディスプレイ:240×64ドット(バックライト付き)
■外形寸法:1267(W)×150(H)×407(D)mm  ※E-20/E-10共通
■重量:18kg
■発売当時の価格:229,000(税別)
■発売開始年:1996年

 

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