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1990年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.189】KORG SP-100 ~1999年発売のスリム・デジタルピアノ

2018/11/25

 

 

 今回ご紹介するキーボードは、コルグのデジタルピアノ「SP-100」です。発売は1999年で当時の定価は115,000円(税抜)。同時代の同じような仕様のデジタルピアノといえば、以前本ブログでも取り上げたYAMAHA P-80辺りが該当しますね。どちらもスリムで重量も20kg未満、当時としては可搬性に優れた電子ピアノとして人気を集めました。
 

KORG SP-100
  ※これはシルバー・バージョン。ブラックもある。

 

 

SP-100概要

 88鍵フル・スケールの、ハンマー・アクション機構を搭載した普及版デジタルピアノ。同様のデジピは他社からも発売されていたのですが、世界中のプロ・ミュージシャンの間でも定評のあったKORGステージ・ピアノの系統(SGシリーズ)と見られる向きもあり、単なる家庭向けだけではなく、ライブステージでの使用でも想定されていたと思われます。
 
 
 
 関連記事(コルグSGシリーズ):
 「KORG SG-1D/SG-1 ~80年代の定番デジタル・ピアノ[1986年]
 「KORG New SG-1D ~SG-1Dのメモリー容量が5倍に![1987年]
 「KORG SGproX ~イコライザー付ステージ・ピアノ[1997年頃]
 「KORG SG-Rack ~デジタルピアノSG proXが1Uラックになったよ[1997年]
 
 
 

内蔵音色について

 本体内に収められている音色は全6種類。パネル上にはそれぞれ独立した音色ボタンが配されており、一発で音色変更が可能になっています。数も少ないので全て挙げてみましょう。
 

PIANO …ピアノ。アコースティックな響きの、ステレオ・サンプリングされた音色。
E.PIANO …エレクトリック・ピアノ。どちらかというとRhodes系の音色。
HARPSI …ハープシコード
VIBES …ビブラフォン
ORGAN …いわゆるパイプオルガンの音色。こちらもステレオ・サンプリングされたもの。
STRINGS …ストリングス。バイオリンなどの弦楽器のアンサンブル音。

 
 なおピアノとオルガンはステレオでサンプリングされているということもあり、最大同時発音数は16音となっています(→その他の音色は32音)
 
 
 オルガンはともかく、“顔”とも言えるピアノ音色が16音というのはちょっとね。。だったらハープシコード辺りを省略して、32音のモノラル・ピアノも用意してくれた方がよかったのかも(まあ昔の機種だし今さら何を言っても仕方ないのですが。。)
 
 
 

演奏時のモード

 通常は1音色の「シングル・モード」なのですが、音色ボタンを2つ同時に押すことにより2音色を重ねて(→レイヤー)演奏することも可能。この場合は「デュアル・モード」と呼ばれ、その2音色の音量バランスも調節できるようになっています。
 
ただしデュアル・モードにすると当然のように同時発音数は減っていくので要注意です。
 

KORG SP-100

バンドメンバー所有のSP-100
 
 
 

タッチについて

 ハンマー・アクション鍵盤を採用しており、いわゆる上位機種譲りの本格タッチと言いたいところですが、個人的には全体的に軽めの印象を受けます。まあ僕はヤマハのデジピのタッチにすっかり慣れていたので(→若干重い)、好み/印象は人それぞれでしょう。。
 
 
 なお、タッチの強さによる反応を3種類(ライト/スタンダード/ヘビー)から選択できる「キー・タッチ・コントロール機能」を搭載しています。物理的に鍵盤が重くなったりはしないのですが、弾く人の好みによりモードを選べるという感じですね。
 
 
 

内蔵エフェクトについて

 本機ではリバーブとコーラスを各1系統ずつ搭載していて、ボタン1つで簡単にON/OFFが可能です。なお効き具合を調整するいわゆるパラメーターはありません。レンタルスタジオ程度のスペースならともかく、ライブハウスなどで使用する際は別途エフェクターを用意しておいた方が無難ですね。

 

 

 

他の機能は?

 演奏を記録してくれる「レコーダー機能」を搭載しています。これは最大4,000音の録音/再生が可能な1トラック・シーケンサーといった感じあり、個人練習やアレンジの確認などに使えると思います。
 
 
 またキー・トランスポーズ(-6半音~+5半音)、ピッチ・コントロール(±50セント)、MIDIの送受信に関する設定等も行えるようになってます。
 
 
 

まとめ的な

 当時の定価115,000円は比較的廉価と言え、軽量コンパクトということもあり購入しやすい一台だったのではないかと思います。とはいえ2000年代に入ると、10万円を切るさらに低価格で質の良いモデルが次々と投入されたため、すっかり時代の波に飲まれてしまった印象ですね。。
 
 
 今でも中古品として目にする機会もたまにある本機なのですが、リサイクルショップなどで数千円の値が付いているのを見るとちょっと寂しい気持ちになりますね。。
 

KORG SP-100(advertisement)
SP-100/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用
 
 
 
 関連記事:「KORG SP-200/SP-300 ~コスパに優れたシンプル・デジタルピアノ[2002年]
 

仕様
■鍵盤数:88(ハンマー・アクション鍵盤)
■プリセット音色:6種(PIANO、E.PIANO、HARPSI、VIBES、ORGAN、STRINGS)
■最大同時発音数:32音  ※PIANOとORGANのみ16音
■内蔵エフェクト:リバーブ、コーラス
■外形寸法:1365(W)×116(H)×278(D)mm
■重量:19kg
■発売当時の価格:115,000円(税抜)
■発売開始年:1999年

 

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