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1960~80年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.173】KORG New SG-1D ~SG-1Dのメモリー容量が5倍に![1987年]

2018/07/01

 今回紹介するキーボードは、コルグが1987年に発売した本格派エレクトロニック・ピアノ「New SG-1D」です。前年(86年)に発売された「SG-1D」のメモリー容量を大幅に増やしたグレードアップ版という感じですね。価格はSG-1Dから2万円アップの298,000円でした。

 

KORG SG-1D

 

 
 SG-1Dの記事は本ブログでも以前書いたのですが、メモリー容量と価格が上がった以外は、実はこれといって相違点は見当たりません。よってSG-1Dの記事とほぼ重複する内容となりますが、基本スペックを改めて記述してみたいと思います。
 
 関連記事:「KORG SG-1D/SG-1 ~80年代の定番デジタル・ピアノ[1986年]
 
 
 

概要

 PCM方式によって、アコースティック・サウンドを贅沢にサンプリングした、(当時としては)超リアルなピアノ音色を備えたステージ・ピアノ。ちなみに「SG」とは【Sampling Grand】の頭文字から。
 
 
 SG-1Dからのグレードアップ点としては、メモリー容量が従来の5倍に拡張されたこと。容量が増え、サンプリング・タイム(やサンプリング・ポイント)が拡張されたことにより、打鍵時のアタックからボディ・弦の共振、さらにはよりナチュラルな音の減衰を実現しています。
 
 
 

内蔵音色について

 「PIANO I」「PIANO II」「E.PIANO I」「E.PIANO II」の全4音色を内蔵していました。当時としては非常にリアルだった本格的ピアノ音源を搭載しています。なおこれら4つの音色は前モデルのSG-1Dと全く同じ顔ぶれであり、「せっかくメモリーが5倍にもなったのに音色数は変わってないの?」と思わなくもないです。
 
 ただし、中途半端にサンプリングした “使えない”音色を追加されるよりも、少数精鋭の “使える”音色が揃っている方がよいという考え方もできます。
 
 
 PIANO Iはグランドピアノの音色、PIANO IIはエフェクトをかけて広がりを持たせている感じのピアノ音色ですね。E.PIANO I および II はRhodesがベースとなっているようなエレピサウンドです。特にE.PIANO IIの方は若干高域が目立ち、きらきらした印象になっています。
 
 
 

音色メモリーカード(オプション)について

 上記のように内蔵音色は4つなのですが、別売りのROMカードを本体に挿すことにより音色を追加することができました。「ハープシコード」「クラビ」「ギター/ベース」「エレクトリック・ピアノIII」「ハープ」の全5音色です。
 
 
 

内蔵エフェクト方面

 3バンド(BASS、MIDDLE、TREBLE)のイコライザーを内蔵。またパネル上に「ブリリアンス」というスライダーが装備されています。こいつを上げるとブライトに、下げるとメロウな感じといった感じで、音色の明るさを変える際に使います。
 
 
 さらに内蔵のデジタル・コーラスは、DEPTHとSPEEDのスライダーにより簡単にパラメーター変更が行えます。広がりを持たせたい時のE.PIANOの音色作りに活躍しそうですね。

 

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タッチ方面

 標準的な重さのしっかりとしたピアノ・タッチ鍵盤となっています。ちなみにリア・パネルにはダイナミクスのつまみが装備されていて、キー・タッチのレスポンスを8段階に調整可能です。
 
 
 

マスターキーボードとしての機能

 音源を鍵盤から独立させる機能により、ローカルオン/オフをパネル上でコントロール可能です。鍵域をスプリット・ポイントでLOWERとUPPERに分割し、それぞれ別のMIDIチャンネルを割り当てることもできますね。
 
 
 また、シンセにはおなじみの「ピッチベンド・ホイール」と「モジュレーション・ホイール」を装備しています。この2つのホイールは外部のMIDI機器に接続した際、データ送信用として機能します。なお、この2つのホイールはNew SG-1D本体のサウンドにはかけられないのでちょっと注意です。
 
 
 

つぶやき的な

 ピアノ音色は当時としては非常にリアルに仕上がっていて、SG-1Dともども、国内/国外問わず、数多くのプロ・ミュージシャンに使われた名機でもあります。
 
 
 個人的に思い出せるところといえば、「B'z LIVE-GYM'95 “spirit loose”」で、キーボーディストの増田隆宣さんがSG-1Dでピアノ音を鳴らしていたり(→KORG 01/W proXのスレーブ用音源として)といったところでしょうか。
 
 
 あとジャズ/フュージョン系ピアニストの塩谷哲さんが、2000年代のSING LIKE TALKINGのライブツアーにサポートで参加した際にも、確か本機を使っていました。このSLTのライブには僕も実際に行ったのですが、『何故80年代の古い電子ピアノを未だに使うのだろう? 同時発音数はたった12なのに。。』と不思議に思ったものです。
 
 
 「内蔵プリセットは数千パッチ!」などと(シンセの)音色数を誇る時代もありましたが、SG-1Dのような個性的な音の出る機材は、たとえ内蔵音色が少なくても、時代を超えて永く使われ続けるのかもしれません。
 
 
 
 関連記事(コルグSGシリーズ):
 KORG SG-1D/SG-1 ~80年代の定番デジタル・ピアノ[1986年]
 「KORG SGproX ~イコライザー付ステージ・ピアノ[1997年頃]」 →平成のSG
 「KORG SG-Rack ~デジタルピアノSG proXが1Uラックになったよ[1997年]
 

仕様
■音源:PCM方式
■鍵盤数:88鍵
■最大同時発音数:12
■内蔵音色:4種(PIANO I、PIANO II、E.PIANO I、E.PIANO II)
■外形寸法:1370(W)×123(H)×400(D)mm
■重量:33.7kg
■発売当時の価格:298,000円
■発売開始年:1987年

 

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