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1990年代'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.56】YAMAHA QY10 ~ベストセラー・ハンディ作曲マシン[1990年頃]

2018/07/01

 今回ご紹介する機材はヤマハのQY10というシーケンサーです。発売は1990年末頃。シーケンサーとはいっても音源も内蔵しており、一応1オクターブ分のキーボード(キーパッド)も備えています。これで大きさは当時のVHSビデオカセット・サイズでした。
 
 ちなみにメーカーが提示した本機のコンセプト(キャッチフレーズ)は『スキーバスの中で曲作り』だったそうです。なんじゃそりゃ!

 

YAMAHA QY10


 
 YAMAHAの単体シーケンサーといえばQXシリーズも知られているのですが、「X」の次の世代ということで「Y」というネーミングらしいです。のちに続く同社の「QY」シリーズの先陣を切った本機、実はかなり画期的だったのです。
 
 関連記事:「YAMAHA QX1 ~ヤマハの本格的シーケンサー・シリーズ「QX」第1号機[1984年]
 
 

YAMAHA QY10(advertisement)
QY10/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用

 
 
 

特徴は?

 超コンパクトなサイズの筐体に、シーケンサー、音源、ミニ鍵盤、リズム・マシンが収められています。こんなに小さいのにMIDI IN/OUT端子もしっかりついてるし、乾電池(単3×6本)で動くし、300gの超軽量という、これまでにない仕様で市場を沸かせました。しかも39,000円と超お手頃価格!
 

 なお純正ACアダプタは「PA3」です(※PA3Cではないので注意!)。生産終了となっているPA-1BでもOKです。
 
 
 

シーケンサー部は?

 QYシリーズに共通する機能なのだけど、スタイル・シーケンサーというのが装備されています。 スタイル・シーケンサーとは、プリセットされたスタイル(例:ロック、ジャズ、ラテンなど)とその中に用意されたパターン(例:16ビード、8ビート、フィルインなど)を組み合わせ、あとはコードネームを指定するだけで、容易に伴奏部分を作成できる機能のことです。
 
 
 プリセット・パターンというとかつては「ダサイのしか入ってない」というイメージが強かったですが、QY10に関しては非常に使える範囲内だったと記憶しています。
 
 
 

音源部は?

 AWM音源によるリアルな56音色(うちドラム/パーカッション系は26音色)が入っています。もちろんアコースティック・ピアノ、エレピ、ストリングス、ブラス、ベース等一通りは収録されており、それらは最大同時発音数28音ポリ、8パート・マルチ・ティンバーでシーケンサー部と直結しています。

 

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外部記録メディアは?

 本体内のみ記録可能で、最大保存曲数は8曲まで。曲データを直接外部記録メディア(汎用のメモリー・カード等)に記録することはできませんでした。ただし、トラック1~4のシーケンス・データは、MIDI経由で同社のQX5FD、SY77、SY55、V50、B500、B200にバルク送信できました(※MIDIエクスクルーシブ・バルク・ダンプ機能)
 
 
 関連記事:
 「YAMAHA SY77 ~2つの音源を持つオールインワン・シンセ[1989年]
 「YAMAHA V50 ~ 珍しいFM音源版オールインワン・シンセサイザー[1989年]
 「YAMAHA EOS B200 ~EOSにスピーカーが付いたよ![1988年]
 「YAMAHA EOS B500 ~【前半】“小室プロデュース&浅倉マニュピレート”…
 
 
 

個人的思い出的な

 このQY10は、僕が若かりし頃、オリジナル・バンドに加入して間もない時に、メンバー(ギタリスト)が作曲のためによくデモを作成していたのが思い出深いです。今でもこの音源のバスドラ/スネアの音を聞くと、当時の自身の環境とかを思い出します。あの頃はバンド活動全てが新鮮で楽しかったな。。
 
 
 

まとめ的な

 操作も簡単だし、電子楽器にあまりなじみのない他パートの人も、作曲用によく使っていたというイメージでしょうか。何といっても本機の素晴らしいところはそのコンパクトさですね。電池でも動くから、電車の中とか外出時のちょっとした時間にイメージをメモでき、さらにオケの形にまでできるという優れものでした。
 
 
 昨今では、こういったタイプのハード・シーケンサーは見かける機会がめっきり少なくなりましたが、こんなマシンもあったということを覚えておいて欲しいなーと思う今日この頃です。
 
 
 
 本ブログ内関連記事(ヤマハQYシリーズ):
 「YAMAHA QY20 ~大型グラフィック液晶採用のポケット・シーケンサー[1992年]
 「YAMAHA QY22 ~クイック・コンポーザーQY20がGMフル対応に![1995年]
 「YAMAHA QY100 ~ギタリスト向けに作られた最後のQY [2000~2014年]
 
 「NOVATION MM-10 ~QY10がマウント可能なMIDIキーボード[1992年]」 ※QY10用コントローラー
 

仕様
■音源方式:AWM音源
■最大同時発音数:28音
■マルチ・ティンバー数:8(DVA付)
■トラック数:8(シーケンス4、コード2、ベース1、リズム1)
■プリセット音色:30+リズム(26種)
■プリセット・パターン:76種
■パターン:プリセット76、ユーザー24
■記録容量:8ソング、約6,000音
■ディスプレイ:16文字×1行LCD
■MIDI端子:MIDI IN/OUT
■入力用ミニ鍵盤数:13 ※単音入力のみ
■外形寸法:187(W)×25(H)×104(D)mm
■重量:0.3kg(乾電池除く)
■発売当時の価格:39,000円
■発売開始年:1990年

 

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