【Vol.119】NOVATION BassStation (Keyboard) ~ベース・シンセサイザー[1994年]
2018/11/25
今回はNOVATIONの「BassStation(ベースステーション)」というシンセ・ベース鍵盤を取り上げてみたいと思いますよ。最初の発売は1994年(価格74,000円)で、一旦生産を終了したのち、1999年には再発売されています。
なお1994年の発売当初は単に「BassStation」という名前でしたが、再発売時には「BassStation Keyboard」という表記が一般的でした。NOVATION(ノベーション)というメーカーを一躍世界に知らしめた、同社の功労者的なモデルでもあります。
概要
2オクターブ・25鍵盤のシンセベース・キーボード。MIDI装備ですが、れっきとしたアナログ・モノシンセですね。1994年当時のRoland TB-303ブームを意識して、サウンドも同機に近い感じのキャラクターになっています。加えて、リアル・タイム・コントロール機能もいくつか装備しており、minimoogともTB-303とも異なる独特の音・操作性を、低価格で実現しています。
NOVATION BassStation/(有)セレクト・インターナショナル 雑誌広告より画像引用
音源部
構成は2オシレーター、1フィルター、2エンベロープ、1LFOと、いたってベーシックな仕様。
気になるフィルター・セクションですが、カットオフ・フリケンシー、レゾナンス(自己発振可)、モジュレーション・デプス(→LFOとエンベロープ)が設定可能です。-12dB/octのフィルター2基が直列となっており、-12dB/octと-24dB/octが選択可能になっていますね。
ポルタメントも装備。また「シングル」「マルチ」「オート・グライド」の3種のトリガー・モードによって、演奏時に様々なニュアンスを与えることができます。一応それぞれ説明してみます。
シングル・トリガー…鍵盤を離さないで次の音を弾いた時、新しい音でエンベロープは作動しないので滑らかに音が移行する
マルチ・トリガー…鍵盤を弾くたびに、新しい音で再度エンベロープが作動する
オート・グライド…鍵盤を離さないで次の音を弾いた時のみ、ポルタメントが有効になる
音源部がシンプルな割に、トリガーは3種類も揃えており、リアル・タイム・コントロール性を意識した作りになっているといっていいでしょう。
ショルダー・キーボードとしても使える!?
電池駆動が可能(もちろんACアダプターも使用可)で、ショルダー・キーボードとして使うためのストラップ・ピンも装備していました。ベース・シンセというカテゴリーではありますが、オクターブ・シフト機能により8オクターブ以上の音域で鳴らすこともできます。
こうやって見るとTB-303というよりはSH-101に近い感じですね。。BassStationではSH-101のようにグリップは後付けできませんが、MIDIでつなげてベース以外の音色も “ショルダーで”手弾きするということもできると思います。いやむしろライブ時では、バイオリンみたいにアゴで固定して弾くというスタイルがカッコイイかもですね。。
個人的おもいで
これも僕が勤めていた楽器屋に長いこと展示されていたので思い出深いですね。。僕はピアノからシンセの世界に入ったので、初めて本機を見た時は「何だこの少ない鍵盤は!」と驚いたことを覚えています(笑)。本機を大型のシンセの左上に置いて、左右別々の手で別々の鍵盤で弾くというのが楽しかったです。ベース・シンセなんて2オクターブあれば十分ですからね、手弾きとしても結構使えますよ!
追記的な
本機にはラック版の「BassStation Rack」というのもあるのですが、鍵盤ナシという以外にもいくつか仕様が異なる点があるので、ラックの方はまた別途記事を書いてみたいと頂きます。
書きました!→「NOVATION BassStation Rack ~1Uになったベーステ[1995年]」
なお2013年秋には、長い年月を経て「Bass Station II」が発売されています。2オクターブ仕様で、全体的な外観・カラーリングも近いことから、一目でBass Stationの後継機ということが分かりますね。今風なスタイリッシュなデザインに仕上がってます。
→ サウンドハウスで「NOVATION BassStationII」の価格をチェック
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仕様(BassStation)
■最大同時発音数:1音(アナログ・モノフォニック)
■鍵盤部:25鍵(ベロシティ対応)
■フィルター部:-12dB/oct、-24dB/oct選択可能、レゾナンス発振可能
■音色メモリー:7
■外形寸法:465(W)×55(H)×215(D)mm
■重量:約3kg
■発売当時の価格:74,000円 ※1999年の再発売時にはオープン・プライス
■発売開始年:1994年