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ALESIS 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.118】ALESIS MIDIVERB/MIDIVERB II ~廉価「デジリバ」のさきがけモデル[1986~87年]

2019/01/30

 

 

 今回取り上げる機材は、ALESIS(アレシス)のデジタル・リバーブ「MIDIVERB」および「MIDIVERB II」です。MIDIVERBは1986年、MIDIVERB IIは1987年に発売されました。
 
 
 80年代初頭ではプロの現場くらいしかお目にかかれなかったデジタル・リバーブが、80年代中頃からの低価格化によってアマチュアでも手の届くところまで下がってきたという感じですね。各社から10万円を切る機種がこぞって発売されるようになりました。
 
 
 

「MIDIVERB」

ALESIS MIDIVERB

 
   定価は98,000円。63種類のプログラムが用意されています。なお本機は基本的にはプリセット・タイプのデジタル・リバーブであり、音作りをするパラメーターはありません。入出力端子は2in/2outのステレオ仕様。ドライ/リバーブのミックスバランスのみがコントロール可能な、いたってシンプルな構成です。
 
 
 名前からも推察できますがMIDIに対応しており、MIDIキーボードからプログラム・チェンジにより、対応したナンバーのプログラムに即座に切り替えることができます。
 
 
どうでもいいですが、見た目は一人用のIH鍋コンロみたいですね。。
 
 
 

「MIDIVERB II」

ALESIS MIDIVERB II

 
 
 当初の定価は79,800円(のちに59,800円に値下げ?)。初代MIDIVERBの正統進化といった感じで、内蔵プログラムが計100種類と増えています。リバーブ、ゲート・リバーブ、リバース・リバーブの他、ディレイ、コーラス、フランジャーなどの空間系エフェクトも搭載していました。ただしこちらも基本的にプリセット・タイプですね。形状はIHコンロから、普通の1Uラック型になりました。
 
 
 ちなみに「アコギの神様」と呼ばれることもあるトミー・エマニュエルというギタリストが、本機を愛用していたというエピソードが知られています。

 

 

 

つぶやき的な

 僕は同社の「microverb」を一時期使っていたのですが、結構分かりやすい掛かり具合が気に入ってました。ALESISは低価格帯ということもあり高級機のようなきめ細やかさはないと思うのですが、ライブにおいて、昔のアナログ・シンセやエレピに手軽にリバーブを足したい時などは重宝すると思います。
 
 
 なおこのMIDIVERBシリーズは、「MIDIVERB III」(1990年)、「MIDIVERB 4」(1995年頃)と続きます。気が向いたらそちらの記事も書くかもしれませんが書かないかもしれません。。
 
 
 

【おまけ】シンセ音色に合うデジタル・リバーブ活用法を考える

 今どきのシンセには、当たり前のようにリバーブがかかった高品位な音色が収められていますが、音場に応じて変化を付けたい時など、内蔵リバーブでもちょっと操作を加えるとよりいい感じになるかもしれません。音色ごとに自分なりに考えてみましたよ。
 
 
パッド系
 倍音成分が多く、一般にリバーブとの相性は非常によいです。ホールでもルームでも大概いい感じで乗りますが、掛け過ぎるとコードチェンジの際に不協和音になりやすいので注意です(→特にロング・リリースの音色)
 
 
 
パン・フルート音色系
 リバーブのデチューン効果を得るために、原音のリバーブ成分にさらにピッチ・シフトをかけ元のリバーブ成分をミックスします。フルートなどの素朴な木管楽器系でソロをとる時など、いい感じの雰囲気で鳴ってくれます。
 
 
 
ブラス系
 アタック感のあるブラスにはプレート・リバーブを合わせ、プリ・ディレイ(→元の音から残響が起こり始めるまでの時間のこと)を短めに掛けます。アタックの音像をボヤけさせないよう、プリ・ディレイは概ね10msec未満にします。
 
 
 
 ただしライブ時では、PAさんがマスターのリバーブを(やや過剰気味に)かけてしまうことが多く、せっかく作り込んだ自前のリバーブ・バランスが崩れて、モアモアな出音になってしまうこともあります。そういった時には勇気を出して、リハーサル時に自分の出したい音のイメージをできるだけ正確に伝えましょう。

 

 

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