ピアノと認知症予防の関係を考える
2018/11/23
世間一般では「ピアノを弾いているとボケ(認知症)予防になる」とよく言われますね。指を細かく動かしていると脳が刺激・活性化され、加齢による脳の退行を遅らせてくれるというまことしやかな説です。
僕はもちろん医者でもなければ脳科学者でもないので専門的な知識はないのですが、客観的な数字と、自身の身の回りの話などを交え展開してみたいと思います。
認知症統計
「厚労省認知症対策総合研究事業」が2015年1月に発表した統計によると、現在の認知症患者数は約500万人。さらに2025年には700万人に達するのではないかと算出しています(これは65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が罹患する計算)。この数字からすると、今後 約10年で1.5倍にも増える見通しということになります。うう怖いですね。。
脳の活性化とは何だ?
ちなみに僕の実家にあるグランドピアノは普段全く弾かれないわけで、母に「もったいないし、ボケ防止に弾いてみたら?」などと勧めてみますが、億劫がってるのかいつもやんわり断られます。
新しいことを始めるのがめんどくさいというのは親子似た者同士なのですが(笑)、頑張った時はそれなりに報いがあるような気がします。
「脳は全く新しい刺激を受けると疲れる」
↓
「疲れるからこそ脳細胞が活性化される」
↓
「結果、脳の老化を遅らせられる」
みたいな。筋肉もこんな感じですよね。
指そのものの運動というより、楽譜から読み取る細かな音符情報を脳(前頭葉)に伝達し、今度はその音を弾く・聴くということの繰り返しによって脳が活発に働くのではないかと思います。
音符を先読みしたり、暗記したり、実は脳も色々働いてくれてそうです(もちろんピアノは頭だけで弾くのではなく、感覚を働かせて感性のようなもので弾くこともあります)。
ではピアノ弾きの人は100%ボケないのか?
というとそうでもないらしいです。
「●●先生(町内では有名なピアノの先生)がぼけちゃってねぇ。
まだ70前なのに。やっぱり長年ピアノ弾いててもぼける人はぼけるのよねぇ。。」
と以前母も言ってました。
でも不思議なことにピアノの演奏はできるとのことです。どうやら脳の部分にも色々あって、“ピアノ脳”のブロックは無事だったみたいですね。ここらへんのメカニズムについては現在も研究が進められているみたいですよ。脳って深いですね。。
まとめ的な
僕の所感ですが、暗譜してその曲の習熟度が増すと、何も考えなくても弾けてしまうものです。逆に全く新しい曲に着手する際、譜読みはやたら疲れるので脳を使っていると実感します。あと、初心者ほど脳を全部使って前頭葉を刺激するそうです。
この他にも、ご年配にとってピアノに興味深く取り組むというのは、「生きがい」を見出すことにもつながるのかなと思います。定年して趣味もなく、日がな一日ぽけっと過ごしているよりは、”時間を忘れて夢中になれるものがある”という人にとっては、他の化学的な施策よりも、認知症を予防・改善させる効果があるのかもしれません。
というわけで、老後の楽しみおよび老化防止のためにピアノを始めましょう~(しかしそうなると別にピアノじゃなくてもいいような。。家庭菜園とか陶芸とか絵てがみとか。本記事の存在価値はあったのだろうか。。)
参考文献:厚生労働省/認知症施策