絶対音感より必要なものとは?
2018/11/21
音楽をする上で必要な「音感」とは一体何でしょう。“音楽人にとって必須な聴力”ともいえますが、改めて考えてみたいと思います。
“音感”
・音の高さに対する感覚:音高を認識する方法によって絶対音感と相対音感に分類
・音の長さに対する感覚:正確なテンポを刻む能力で、指揮者に必携とされている
・音の色彩に対する感覚:一般的な管弦楽の楽器の音色の聞き分けが主
・音の強さに対する感覚:強弱のこと
※出典: 「音感」フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ふむふむ。上記に記されている「色彩感覚」はちょっと分かりにくいところですが、シンセなどの場合、音色(おんしょく)に近いような気がします。
今回は「音の高さに対する感覚」について取り上げたいと思うのですが、音の高さについて語られる時の音感というと、なぜか「音感=絶対音感」と認識されている節があるような気がします。
「絶対音感」・・・基準となる高さの音を事前に聞かなくても正しい高さを認識できる
「相対音感」・・・何か基準となる高さの音を直前に聞けば正しい高さを認識できる
まあこれは別にWikiさんを引用するまでもないですね。
そりゃ絶対音感は持ってた方がいいけど・・・
バンドマン的視線でみると、絶対音感を持っていれば耳コピ(音取り)が断然早いというメリットがあります。何も楽器がないのに頭に浮かんだメロディを直接五線譜に書き起こしたりでき、微妙な音程の差(100分の1オクターブとか)も聴き分けたりできるそうです。
実際、“音楽を職業にする人ならば絶対音感はほぼ必須”などと言う人もいます。まあ確かに絶対音感のある方が有利に進められる世界もあると思います。
とはいえ僕みたいな一般人にとって、作曲したり演奏する上で特に問題が発生しなければ、相対音感でも十分やっていけるのではと個人的には思います。
絶対音感よりも重要なもの?
むしろ必要なのは、「絶対テンポ感」だと僕は考えます。
例えばバンドなどのアンサンブルである楽器のある音程がずれてたりしたら、「そこ違うよ」と他パートの人でも指摘してくれるでしょう。鍵盤の場合、音程に関しては白黒鍵盤の “ほぼデジタル”といえるので、間違っていても訂正が容易です。
そこで「絶対的な速度感」なのですが、これは各パートの人が共通感覚を持っていないと結構大変(笑)
どんな曲であろうと異常に速くなりがち(バンド的には “走る”などといいます)な人もいます。逆に遅くなりがち(“モタる”などといいます)な人も。本人に単純に指摘したところで簡単には修正できないケースが多く、とにかく根気よく繰り返して適性テンポを刻み込ませるしかない、みたいな感じです。
そんな感じで絶対音感がないからといって決して音楽人生お先真っ暗というわけではなく、上記のような「絶対テンポ感」のように音感には色々あるので、別の音感を磨いていくという考えもあります。
余談的な
僕の身近な人にも絶対音感を持っている方がいますが、駅の案内チャイムとかコップの音とか、果ては風の音まで音程を聴き当てます。すごい能力ですが、(おそらく無意識で)脳が音程を解明しようとするみたいで、生活する上でちょっと大変かもー、と思ったりもします。
それまで余り世間に知られていなかった「絶対音感」なるものを紹介した1998年のベストセラー・『絶対音感』(最相葉月著)。現在では1円で手に入るそうです。。