キーボーディスト、脱初心者を目指す

ピアノ、シンセサイザー、オルガンとか鍵盤楽器もろもろ。関係ない記事もたまにあるよ

その他メーカー 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.412】PEARL PK-801(/PK-701) ~あのパールがかつて出した電子キーボード[1980年]

2018/09/15

 今回紹介するキーボードも珍品中の珍品ですね、1980年頃にPEARL(パール)から発売された「PK-801」というポリフォニック・キーボードです。発売当初の定価は390,000円。あ~ こんなの誰も知らないだろうなー と思いながら書き始めています(汗)

 

PEARL PK-801(advertisement)
PEARL PK-801/パール楽器製造(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

 当時のトレンドの一つだった “ポリフォニック”(→本機では8音まで同時発音可能)を実現した、まあ言ってみればほぼそれだけのキーボードなのですが、今日打楽器(ドラム、シンバル等)のメーカーとして知られるPEARLが手掛けた電子キーボードというのがミソですね。ちなみにこのPK-801は同社初となるキーボード製品らしいですよ。では詳しく記してみましょう。
 
 
 

PK-801概要

 8つの独立したアナログ・シンセサイザー方式の音源を内蔵したポリフォニック・キーボード。当時のアナログ・キーボードとしてはまだ珍しかった「タッチ・レスポンス」(→タッチにより音の強弱を付けられる)も装備していました。
 
 
 本機は基本的にはプリセット・タイプのキーボードなのですが、エンベロープやモジュレーションがある程度操作できたりと、いわゆるシンセサイザー的な音作りも多少可能となっています。
 
 
 

音源方式(個人的所感入り)

 本機では「DWS(Dynamic Wave Shape System)」という音源を採用しており、これは発振波形を直接連続的に変化させる方式らしいです。VCFと同様に倍音レベルを自由にコントロールできるそうな。まあ要するにアナログ音源ですわな。
 
 
 それまでの比較的廉価な “ポリフォニック・キーボード”というと、全鍵盤に音源を持たせたような方式が主流だったのですが、本機ではそれらとは異なる感じのものらしいですね。音源の数が少なく済むため、その分高度な電子回路を持つことができ、結果としてリアルな音質を得ることに成功したとのことですよ。
 
 
 

プリセット音色

以下8種類のプリセット・サウンドが収められています。

PIANO I
PIANO II
CLAVI(クラビ)
HAERPSI(ハープシコード)
REED(リード)
FLUTE
BRASS
STRINGS

 
 これらは、パネル上の「TONE SELECT」のバンクに各々のスイッチ(トーン・セレクター)が配置されており、スイッチ一つで簡単に音色変更が可能となっていますね。

 

スポンサーリンク

 

 

音色の調整

 上記のプリセット音色を選んだら、「トーン・モディファイア」と「モジュレーション」の2セクションにて音の変化(効果)を作り出すこともできます。
 
 
 トーン・モディファイアの方は、音の明るさを調節するブリリアンスや、いわゆるエンベロープ(アタック、ディケイ、リリース)を調節する縦方向のレバーが配置されています。
 
 
 モジュレーション方面では、「アンサンブル」「ビブラート」「フェイザー」の3種のエフェクトが設定可能。アンサンブルというのはいわゆる “コーラス効果”であり、音の響きに厚みを出すのに有効です。
 
 
 当時は、こういったプリセット音色に “効果”を与えるのは外部ユニット(外付けエフェクター)で行うのが一般だったので、それが鍵盤本体に内蔵されたということでちょっと目新しかったという感じですね。
 
 
 

タッチ・レスポンス鍵盤採用

 本機には新開発の「速度検出型タッチレスポンス方式」鍵盤を搭載。文字通り打鍵時の速度を検出して音量変化を作り、同時に音色の微妙な変化も作り出しているそうです。ストリングス音色ではそこそこ使えたかもですね。
 
 
 というかこれまた現代のキーボード/シンセサイザーでは当たり前すぎるほど当たり前な機能ですね。当時はこれが革新的だったのです。。
 
 
 

姉妹機・PK-701について

 上級機・PK-801の基本性能をそのまま踏襲した61鍵盤のコンパクトモデル。定価は285,000円。
 
 こちらも同じく8音ポリフォニックで、DWSシステムおよび内蔵の8つのプリセット音色も全く同じ。また61鍵ながらタッチ・レスポンス機能もPK-801から受け継いでおり、トランスポーズ・スイッチにより76鍵と同等の鍵域を得ることが可能。あと重さはPK-801(40kg)の半分以下である18kgに大幅ダウンしていますね。
 
 
 それ以外の違いといえば、PK-801のモジュレーション回路からフェイザーが省略されているみたいです。また、PK-801では本体に付属していたサスティン・ペダルとエクスプレッション・ペダルはオプションとなりました。
 

PEARL PK-801(advertisement)
PEARL PK-801/パール楽器製造(株) 雑誌広告より画像引用  ※広告モデルは若き日の佐山雅弘氏
 
 
 

つぶやき的な

 ドラム歴の長いベテランドラマーさんでも、かつてPEARLがこのようなキーボードを作っていたことを知る人は多くないでしょう。というか、PEARLは1970年代末~80年代初頭においてギター(やそのアンプ)なども作っており、どうやら今日のヤ●ハのような総合楽器メーカーを目指していたみたいですね(※個人的推測)。
 
 
 そんな貴重なPEARL製キーボード、もし田舎のリサイクルショップなどで見かけるような機会があれば、Instagramとかで知り合いのドラマーさんに大いに自慢してあげましょう(笑)。あとPEARLのフルートって今でも結構有名みたいですね。今回調べて初めて知りました。。
 
 

仕様(PK-801)
■鍵盤数:73鍵
■最大同時発音数:8音
■内蔵プリセット:ピアノI、ピアノII、クラビ、ハープシコード、リード、フルート、ブラス、ストリングス
■外形寸法:1140(W)×200(H)×600(D)mm
■重量:40kg
■発売当時の価格:390,000円
■発売開始年:1980年頃

 

関連記事および広告

関連記事および広告


-その他メーカー, 楽器・機材【Vol.〇〇】