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1990年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.406】Roland VK-1000 ~Rhodesブランドのオルガン、否、シンセっぽくもある[1991年]

2018/08/10

 はい!今回ご紹介する機材は、1991年にローランドがRhodesブランドからリリースした電子オルガン・「VK-1000」です。当時の定価は280,000円。もちろんMIDI対応。

 

Roland VK-1000

 

 この「VK」で始まるローランドのモデルは、同社のコンボオルガンに冠せられていた共通の型名なのですが、今回のVK-1000はローランドが “Rhodes”の商標を取得して販売したものですね。『Rhodesなのにオルガン!?』というツッコミはのちのち触れるとして(笑)、いつものようにスペックから表記してみたいと思いますよ。
 
 
 ちなみにローランドのVKシリーズについては、以前の本ブログ記事「Roland VK-1 ~コルグCX-3のライバル的?コンボ・オルガン[1979年]」でまとめてありますので、必要に応じて参照してみてください。
 
 
 

VK-1000のハーモニック・バーについて

 本機では一般的なオルガンに見られる9列の「ハーモニック・バー」(※ハモンドで言うところのドローバー)を備えており、この各バーを任意に上げ下げすることによりサイン波を合成して音色を作ります。
 
 
 そしてVK-1000の変わっているところは、上記のほかにも4列の「パーカッション・ハーモニック・バー」を装備している点。オルガンにおけるパーカッションというのは、音のアタックにパンチを加える効果を与えてくれるものでありよく使われますね。通常では2ndパーカッション、3rdパーカッションというスイッチ(ON/OFF)が配されているのが一般的です。
 
 
 本機ではさらに4thパーカッション、5thパーカッションが加えられ、さらにそれらがスイッチ(ON/OFF)ではなく、各バーによる細かな調整が可能となっています。これは本家ハモンド(のB-3)でも見られない面白い(マニアックな?)仕様と言えるでしょう。
 
 
 

実は単なるオルガン専用機じゃない!?

 音源部は同社のMK-80でも見られたアジャスタブルSA音源を採用。VK-1000では、オルガンを含め全8種のソース波形が用意されています。
 

①ORGAN 1  トーンホイール・オルガン1
②ORGAN 2  トーンホイール・オルガン2
③PIPE ORGAN  パイプ・オルガン
④ORGAN BASS  トーンホイール・オルガンのベース
⑤LEAD      リード(シンセ波形)
⑥E.PIANO    電気ピアノ(Rhodesピアノ)
⑦VIBRAPHONE  ビブラフォン
⑧CHIME     チャイム

 
 シンセとかエレピとかが含まれているのがまず驚きですよね~。。まあRhodesだからエレピが入っているのはいいのか。。つまりはオルガン以外の上記の音色も鳴らせるといったところです。ちなみに本機の核であるオルガン波形は、一応機械式トーンホイール・オルガンの波形をシミュレートしているそうですよ。
 
 
 面白いのが、前述したハーモニック・バーにて、オルガンのみならず上記エレピやシンセ波形を自在に合成できる点です(※ただしエレピ、ビブラフォン、チャイムでは、パーカッション・ハーモニック・バーでは無効となる)。
 
 
 これは生粋のオルガン弾きの人からすれば戸惑いを隠せないと思われますが(笑)、エレピやパイプオルガンの微妙な音量/音色の時間的変化をリアルタイムで変化できたりと、オルガン専用機という固定概念を取り払えば結構楽しく使えると思います。というかこれほぼシンセサイザーですね(汗)
 
 
 

音色パッチについて

 音源部、キーボード・コントローラー部、マルチ・エフェクト部の3つのユニットのパラメーターの組み合わせを、本機では「パッチ」と呼ばれる音色単位で管理しています。
 
 
 このパッチはVK-1000本体に64種を記憶(メモリー)することができ、さらにオプションのメモリーカードを本体の空きスロットに挿せば、さらに64種のパッチを記憶させることができます。

 

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入出力端子について

 本機のアウトプットは通常のフォンジャック(L/R)に加え、ステージ使いでも便利なXLR(キャノン)のバランス・アウトも装備。またライン・イン端子(L/R)も備えており、2ndキーボードを自前のミキサーなしでまとめられるちょっと便利な設計になっています。
 
 
 

内蔵エフェクトについて

 以下5系統のデジタル・マルチ・エフェクツ・プロセッサーを内蔵。なお内部音源に対してのみ有効です。

ワウ(ペダル・ワウ/オート・ワウの選択が可)
3バンドEQ(低域/中域/高域の各レベルのブースト/カットを、±12dBで調整可)
オーバードライブ(ゲインおよびレベルを調整可)
●ロータリーエフェクト
●リバーブ(※マルチタップ・ディレイにもなる)

 
 オルガン演奏のキモであるロータリーは、RVO(レボ。本機におけるレスリー効果の呼び名らしい)、フランジャー、フェイザーの3タイプから選択ができるそうな。また回転スピード(スロー/ファスト/ストップ)は、鍵盤左にある3つのロータリー・スイッチからでも変えることができます。
 
 
 あとオーバードライブとロータリー、リバーブに関しても、パネル上の各スイッチによって一発でON/OFFの切り替えができるようになっていますね。
 
 
 エフェクトを総じて見ると、オルガンのそれとしては必要十分と言えるし、ワウやマルチタップ・ディレイなどは斬新な効果を与えてくれる面白い装備だと思います。
 
 
 

コントローラーなど

 本機の鍵盤部は76鍵でベロシティ付き。またローランド製シンセでよく見られる、ピッチベンド+モジュレーションレバーが一体になったベンダーも備えられています。
 
 
 ハーモニック・バーの右隣にはアサイナブルな3本のスライダーが配されており、このスライダーに割り当てた機能で、演奏中に本体音源や外部MIDI機器をコントロールすることが可能です。


Roland VK-1000(advertisement)
VK-1000/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

個人的かんそう

 見た目的には、同じくローランドRhodesブランドである「MK-80」(エレピ)を踏襲した感じと言いましょうか。前述したように本機設計はマスターキーボード的なアプローチも見られるため、広い上部パネルトップに別の鍵盤を載せて “2台使い”ができる、バンド・キーボーディスト向けのコンボオルガンと見ることができそうです。肝心のオルガン音色ですが、まあこれまたハモンドとは異なるキャラクターで、人により好みは分かれるといったところでしょうか。
 
 
 それにしても個人的にやっぱり違和感なのが、“Rhodesブランドなのにオルガン機”な点。。ハーモニック・バーを備えている辺りはやっぱりオルガンであるのですが、76鍵であったり(ふつうは61鍵)、シンセやエレピなどの音色波形を備えている点は(製品として)ブレブレと感じなくもないです(笑)
 
 
 まあ鍵盤はピアノタッチではない普通のシンセタッチなので、その分MK-80なんかよりは遥かに軽量ですね。オルガン演奏をベースにしつつも、エレピなども鳴らせて、ちょっとしたマスターキーボードとしても使えると考えれば悪くない一台だったと思われます。
 
 
 
 関連記事:
 「Roland VK-1 ~コルグCX-3のライバル的?コンボ・オルガン[1979年]
 「KORG (旧)CX-3/BX-3 ~レスリーとつなげてロックに鳴らす![1980年]
 「Roland VK-8M ~ローランド渾身のオルガンモジュール[2003年]
 

仕様
■鍵盤:76鍵盤(ベロシティ対応)
■音源:アジャスタブルSA方式(ASA方式)
■最大同時発音数:16音
■ハーモニック・バー:
 フィート系9本(16'、5 1/3'、8'、4'、2 2/3'、2'、1 3/5'、1 1/3'、1')
 パーカッション系4本(4'、2 2/3'、2'、1 3/5')
■本体メモリー:64パッチ、192トーン(アッパー・パート64トーン、ロワー・パート64トーン、ペダル・パート64トーン)
■内蔵エフェクト:ワウ、3バンドEQ、オーバードライブ、ロータリーエフェクト、リバーブ
■ディスプレイ:64×240ドットLCD(バックライト付き。グラフィックタイプ)
■外形寸法:1255(W)×115(H)×520(D)mm
■重量:22kg
■発売当時の価格:280,000円
■発売開始年:1991年

 

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