【Vol.401】COLUMBIA ELEPIAN EP-61C(/EP-7C) ~70年代製レア・コンボ・エレピ
2019/11/24
今回は、直近に発売された「キーボード・マガジン 2018 SUMMER (No.401)」でも紹介されている、知る人ぞ知るマニアックなエレクトリック・ピアノ「COLUMBIA エレピアン EP-61C」を取り上げみたいと思います。発売はおそらく1970年代前半。定価は185,000円でした。
さていざEP-61Cを記事にしてやろうと思ったはいいものの、いかんせん実機を拝んだこともなければ記憶も資料もほとんどないため、早々と記述が終わってしまうような予感がします。。まあとりあえず進めてみましょう。
コンボ エレピアン EP-61C
コントローラー類
パネル上のコントローラーは「VOLUME」と「TONE」のみ。まあシンプルですね。。VOLUMEを除けば音色コントロールは1つのみというのはウーリッツァーのようですが、本機ではウーリッツァーのようにトレモロはかかりません。鍵盤は61鍵。
音源部
金属板をハンマーで叩き、ピックアップで拾うという方式。コロムビアではこれを独自開発の「リードアクション方式」と銘打っており、ピアニシモからフォルテシモまで、ダイナミズムのあるフィーリングが得られると謳っていますね。
ちなみにこのピックアップ部には新開発の「ポール90方式」なるものを採用しているそうで、これにより一段とクリアーな音質を得ているとのこと。なんだポール90って。。
EP-61C, EP-7C/日本コロムビア(株) 雑誌広告より画像引用
サスティーン・ペダル
ペダルは上から踏むことにより、物理的(機械的)に金属棒が押し上げられサスティーンがかかるというタイプ。金属棒を採用している点はRhodesやCP-70/80と同じような感じですね。もし今日入手可能なものでこのペダルが無かったとしても、自作することは不可能ではないと思います。
軽さを実現!
本体重量は46kg。アンプ/スピーカーは内蔵していないものの、これは当時の電気式ピアノとしては非常に軽い部類でした。
また、本体背面部にはキャスター穴が開いており、そこに取り外し可能なキャスターを設置することで移動も楽に行えるとのこと。ツアーなどで頻繁にステージ移動することを考慮したプロ向け仕様といったところでしょう。
まあ軽くて運びやすいとはいっても50kg近くあるわけで、一人だけで脚部を付け外ししたりするのはちょっと無理がある重さですね。。
サウンドは?
僕も実機を演奏したことはないのですが、動画などを見る(聴く)限り、クリアでクセのない印象ですね。前述したキーボードマガジン誌(2018 SUMMER号)にて、執筆者のYANCYさんが『アンプやトレモロ回路を一切持ち合わせていないのでその分マイルドで濁りのないサウンドがする。』と述べられていますが、個人的にも「そんなところかな」という気がします(中身のない印象ですみません。。)
まあ確かに、クセのないサウンドはそのままでも楽曲に合わせやすいですし、あとからコンパクト・エフェクター(トレモロやコーラスなど)を買い足して自分好みのサウンドに寄せていくという楽しみはあるかも。
仕様(EP-6C)
■鍵盤:61鍵(C0~C4)
■エフェクト:サスティーン(ダンパーペダル付属)
■コントロール:ボリューム、トーン
■外形寸法:
1100(W)×920(H)×575(D)mm ※組み立て時
1030(W)×315(H)×500(D)mm ※収納時本体。脚部は取り外し可能
■重量:46kg
■発売当初の価格:185,000円
EP-7C
EP-61Cの演奏性・音楽性を受け継いだ、75鍵タイプの上位モデル。発売時の定価は285,000円でした。
高ゲイン・プリアンプを内蔵しており、バス/ミドル/トレブルによる音質調整が可能となっている点がEP-61Cと大きく異なる点です。またスピード、デプスが調整できるトレモロも内蔵しています。
見た目はEP-61Cに脚部を足したような風貌に仕上がっていますね。EP-61Cでもそうですが、何とも無骨な外観イメージです。こちらの重量は65kg。
仕様(EP-7C)
■鍵盤:75鍵
■エフェクト:サスティーン(ダンパーペダル付属)
■コントロール:ボリューム、ベース/ミドル/トレブル、トレモロ(スピード、デプス変更可)
■外形寸法:1240(W)×935(H)×518(D)mm
■重量:65kg
■発売当初の価格:285,000円
つぶやき的な
COLUMBIA(日本コロムビア)といえば、僕が小さかった頃によく出回っていた音響機器メーカーの一つであり、音楽好きのおじさんの応接間にそれの高級オーディオ・セットが置かれていたというイメージが強いですね。そんなコロムビアが作った流通量の少なかったエレピということで、今見ると非常にレアな一台と言えるでしょう。
重さはさておき、当時20万円を切るプライスだったということで、『Rhodesが買えない人が買った』というのもあながち外れてない気はしますね(笑)