【Vol.9】BOSS SP-303 ~ハンディ・ワンショット・サンプラー[2001年]
2018/11/21
今回はサンプラー・BOSS SP-303のお話です。前機種(SP-202)に引き続き「Dr.Sample」なんて書かれていますね。発売は2001年で当時の価格は38,000円でした。
ライブのオープニングSEとか、各種効果音とか出したいと思い僕も買いました。いわゆる「ワンショット・サンプラー」としての使用ですね。シンセに入っていないような音でも、何でも取り込んで簡単に再生できるのが強みです。
SP-202に引き続き本機種も、DJのための+α音源としての用途が主で設計されたのかな? 基本設計(機能)はそのままに大幅にバージョンアップしている感じです。
関連記事:「BOSS SP-202 ~「Dr.Sample」DJ向けコンパクトサンプラー[1997年]」
SP-202からの変更点
表面素材が以前のプラスチック一体成型からシルバーメタリックとなり、高級感というか未来感が出ていますね。つまみも増えリアルタイム操作性も高まってます。
またサンプリング周波数の最高音質がCD並みに上がっています(31.25→44.1kHz)。さらに内蔵のエフェクトは、SP-202から大幅増の全26種類となっていて、DJユースを意識した「アイソレーター」(→DJプレイでよく使われるEQの一種)や、「LO-FI」(→ローファイな音にする)などを備えているのが特徴ですね。
目新しい機能としては、サンプルにエフェクトをかけた後に “その音のまま”再度サンプリングできるという「リサンプリング機能」。それらの内部処理は全てデジタルなので、音質劣化の心配なく行えるわけですね。
サンプルの取り込み・外部記録メディアについて
サンプルの取り込み・編集も一応本体のみでできますが、結構難しいです。大型液晶表示ではないので、記号のようなパラメータ名を解読して作業しなくてはいけません。取扱説明書をちゃんと読んで慣れなければいけませんね。
僕は、波形編集はパソコン側でwavにて行い、メモリーカード経由で本体に流し込むという使い方をしていました。
インターフェースは主に8つのパッドからなります。インターナルではA/Bバンクの2つに分かれているので、実際は16のサンプルを(本体のみで)扱えるということです。
なお 押す強さは関係ないです。このパッドが結構反応が良くて、軽く指を置くだけでも発音したりします。2回同時に押したり、隣りのを押しちゃうなんてよくあること。若干コツがいります。
でもって記録メディアが「スマートメディア」。スマメですよ! 時代を感じさせますねー。同メディアといえば2005年頃に生産がほぼ終了し、容量は最高128MBどまり。本サンプラーだと8~64MBバイト(3.3V仕様)のみ使用可能です。以下、サンプリングタイムを記してみましょう。
■最大サンプリングタイム
本体メモリー↓
STANDARD | LONG | LO-FI |
約31秒 | 約63秒 | 約3分10秒 |
メモリーカード(スマートメディア)↓
容量 | STANDARD | LONG | LO-FI |
8MB | 約4分 | 約8分 | 約25分 |
16MB | 約8分 | 約16分 | 約50分 |
32MB | 約16分 | 約33分 | 約101分 |
64MB | 約33分 | 約66分 | 約202分 |
あと、データロードには結構時間が掛かったりします。ライブで使う人においては、セッティングを組み立てる際、真っ先に電源を入れてロードを始めてください。1曲目に間に合わなくなります(笑)
思い出的な
思い出すに、昔のサンプラー(ENSONIQのESPシリーズとか)って、演奏前にデータを読み込ませるために、大量のフロッピーディスクを入れ替えるのが風物詩だったなぁ。スマートメディアなら入れ替えない分まだいい方か。。
余談ですが、本機の後継機種・SP-404は「Roland」になってるんですよね、BOSSとRolandの厳密な違い(製品カテゴリーの線引き)は今でもよく分かりません。。
関連記事:
「BOSS SP-202 ~「Dr.Sample」DJ向けコンパクトサンプラー[1997年]」
「Roland SP-404(/SP-404SX) ~サイズ感・パッドの操作感が秀逸なデスク…」
仕様
■最大同時発音数:8
■インターナルメモリー:サンプル16(8サンプル×2バンク)、パターン16(8サンプル×2バンク)
■メモリーカード(スマートメディア):サンプル16(8サンプル×2バンク)
■サンプリング周波数:STANDARD=44.1kHz、LONG=22.05kHz、Lo-Fi=11.025kHz
■パターンシーケンサー:
最大記憶音数 インターナルメモリー=約7,500音
メモリーカード(スマートメディア)=約7,500音
■内蔵エフェクト:26種
■外形寸法:170(W)×67(H)×241(D)mm
■重量:0.85kg(付属ACアダプタ除く)
■発売当時の価格:38,000円
■発売開始年:2001年