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1970~80年代' Roland 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.73】Roland MC-4 ~80年代初頭の普及版デジタル・シーケンサー[1981年]

2018/11/25

 

 

 1981年夏にローランドから発売された「MicroComposer MC-4」についてお話してみたいと思います。これは4チャンネルのデジタル・シーケンサーであり、1977年に発売されたMC-8の廉価版(後継機)といったところでしょうか。MC-8との比較を交えながら展開してみましょう。

 

Roland MC-4
Roland MC-4 ※浜松市楽器博物館にて撮影
 
 
 

MC-4の普及

 MC-8同様、CV/GATEコントロールのシーケンサーとなっています。MC-4では操作が簡便になり、価格もMC-8の半分以下とリーズナブルになったことから、一気に世界中のレコーディング・スタジオに広まり使われるようになりました。入力が(本体のテンキーに加え)鍵盤からも行えた点も大きいと思います(※1)
 

Roland MC-4

 

Roland MC-4

 

 

2種類存在したMC-4

 あまり知られていないことですが、MC-4には「Aタイプ」「Bタイプ」の2種類があります。
 
 MC-4Aは一般のタイプであり、MC-4Bは「MC-4Aに、オプションのOM-4を追加したもの」です。このOM-4というは32Kバイトのメモリー(RAM)キットのことであり、これは単に記憶容量の増量だけではなく、後述する専用デジタルカセット「MTR-100」につなげるインターフェイスでもありました。
 
 
 つまりMC-4Aと外部記憶装置とをつなぐには、追加メモリーの要・不要に関わらず、OM-4を買わなければいけなかったのです。特にプロの現場では外部記憶装置は必須といった感じでしたし、MC-4といえば「MC-4B」の方を指すことが多かったと思います。

 

 

 

外部記録用・専用デジタルカセット「MTR-100」について

 記憶容量は250Kバイト、価格は170,000円でした(!)。当時のパソコン(というかマイコン)でもカセットテープでデータ保存をしていた機種があったのですが、専用のパソコンのテープ記憶装置(→データレコーダーと呼ばれました)はそこまで高価ではなかったように思います。。
 
 
 

MC-4のスペック

 メモリー容量は、約3,900音(MC-4A・16Kbyte)、約12,000音(MC-4B・48Kbyte)です。各チャンネル共に、2つの独立したCV出力を取り出せ、音程と音量、音程と音色などのコントロールが可能でした。また2つのVCOをコントロールすることにより二声の和音演奏にも使えました。
 
シーケンサーならではの小節コピー、インサートなどの編集機能も装備していました。
 

Roland MC-4
 
 
 

個人的に思うところ

 現在使われている電子楽器の共通規格・MIDIの誕生(1981~82年)までの間、世界中に出回っていた楽曲中のシーケンス・フレーズは、MC-8と本機MC-4でほとんどが作られたといってもいいかもしれません。なお一般人の使い方としては、同社のリズムマシン・TR-808、TR-606などと同期させるケースが見られたそうです。
 
 
 そんな感じでMC-8と比較すると大幅にコストダウンとなった本機なのですが、オプションを含めたワンセットは60万円(MC-4B 430,000円 + MTR-100 170,000円)といったところでしょうか。今の貨幣価値に換算するとさらに高価だったろうし、まだまだ一般庶民には高嶺の花だったでしょうね。。
 
 
 
 
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※1 …MC-8でも、カタログではキーボード入力も可能と書かれていたが、実際のところあまり実用的なものではなく、ほとんどのMC-8ユーザはテン・キー入力でデータ作成を行っていた。MC-4ではキーボード入力について大幅に改善されている。

仕様
■メモリー容量:約3,900音(MC-4A・16Kbyte)、約12,000音(MC-4B・48Kbyte)
■出力:4チャンネル、CV-1×4、CV-2×4、GATE(OFF:0V,ON:12V)×4、MPX(OFF:0V,ON:12V)×4
■入力:テンキー、鍵盤
■外形寸法:471(W)×124(H)×348(D)mm
■重量:6.1kg(MC-4A)、6.3kg(MC-4B)
■発売当時の価格:330,000円(MC-4A)、430,000円(MC-4B)
■発売開始年:1981年

 

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