『キーボード・マガジン 2019 SUMMER (No.405)』(リットーミュージック発行)
2019/07/15
発売が2019/6/10頃だったのでかなり出遅れましたが、キーボード・マガジンの2019 SUMMER号を入手したので、簡単に個人的感想なんかを書き記してみたいと思います。今号の表紙はSuchmosのキーボーディスト、TAIHEIさん。
いわゆる大御所やベテランキーボーディスト(ミュージシャン)ではない、当代気鋭の若手キーボーディストが表紙を飾るというのは久しぶりなような気がします。いや個人的にはいいと思います、月刊誌時代のキーマガ表紙って感じ。
特集記事は「ポータブル・キーボード」となっていて、これも個人的にはツボ。ソフトでお手軽に何でも鳴らせる昨今の音源トレンドではありますが、最近はちゃんとした音の出るポータブルも揃ってきており、『やっぱりハードウェア鍵盤が好き!ミニならさらに場所も取らないし』と愛好家も少なからずいると思います。
Featured Artist TAIHEI(Suchmos)
巻頭は、Suchmosのキーボーディスト・TAIHEIさんのインタビューおよび同バンドのライブレポート等。
でもって個人的に本記事を読み込むに当たり、Suchmosの最新アルバムを購入してみました。
うーん、近所のCDショップで音楽CDを買うなんて超絶久しぶり。。記事内でも詳しく言及されている3rdフルアルバム『THE ANYMAL』ですね。
同アルバムは鍵盤楽器的には、エレピとストリングス(メロトロン)系の音色が要所で入ってきており、キーマガ誌のインタビューを読みつつ鑑賞すると非常に味わい深いですね。TAIHEIさんの特にエレピへのこだわりは音源でもよく伝わってきます。ローズのきらびやかな音色からの、CP70の(いい意味での)抑揚のないトーンの使い分けとか。
あとライブキーボード・セッティングは、アナログ中心の実に素敵なセットです。
Rhodes Sound Seminar 基本演奏&エフェクト活用術
ローズにおける、基本的な演奏解説やエフェクターを加えた演奏例などを掲載している企画。付録のCDとも連動しているので理解しやすいのではないかと。
内容としては、同誌の2010年WINTER号で掲載された同名の記事の(ほぼ)再掲載といったところでしょうか。前述したようにTAIHEIさんの記事でもローズがフィーチャーされていたため、『ローズって何? どう弾くの?』という読者の問いに即座に応えるナイス企画だと思います(笑)
なお2010年WINTER号では、「エフェクト活用術」において各コンパクト・エフェクターが写真付きで詳しく紹介されていたのですが、今回はその辺りは割愛されているようです。興味のある方はバックナンバーも参考にしてみてください。
特集記事「ポータブル・キーボード」
現在当たり前のように出回っている標準鍵盤と、それをコンパクトサイズに縮め可搬性を高めたいわゆる「ポータブル・キーボード」誕生の歴史などを記述した特集記事。
本ブログでも数年前にこのポータブル・キーボードについて考察しているようです。
関連記事:ミニ鍵盤を考える
ふむふむ。かつては幼児のおもちゃみたいなイメージだったこの手のキーボードですが、近年はMicroKorgのヒットやYAMAHA refaceにより、シンセサイザーの鍵盤としてもすっかり市民権を得てきたという感じですね。
個人的には、YAMAHAのショルキー(SHS-10等)やDX100、小室先生もステージで使っていたKX5なんかが印象深いです。80年代機材ですね。。ええ、古い人間なんで(汗)
関連記事:
「YAMAHA "SHOLKY" SHS-10 ~公式「ショルキー」![1987年]」
「YAMAHA CS01(/CS01II) ~ブレスコントローラー搭載!…[1982年]」
「CASIO カシオトーン DM-100 ~ミニ鍵盤なのに2段鍵盤!…[1988年]」
「YAMAHA ポータサウンド MK-100 ~シンセのような音作り…[1983年頃]」
「CASIO サンプルトーン SK-1 ~爆発的ヒットを記録した…[1985年]」
「YAMAHA ポータサウンド MP-1 ~楽譜が印刷できる…[1982年]」
やたら書いてますね。。
さておき、もちろんキーマガ誌では現行のポータブル・キーボードがいくつか掲載されています(付録CDにレビュー音源あり)。
Teenage Engineering OP-Z
IK Multimedia UNO Synth
Modal Electronics Skulpt Synthesiser
KORG Minilogue xd
YAMAHA reface DX
Arturia MiniBrute 2
YAMAHA VKB-100
紹介機材
KORG Krome EX
WALDORF Quantum
Krome EXはコルグさんのワークステーション思想における製品ラインの最新作ですね。WALDORF Quantumはウェーブテーブル・シンセシスにアナログ・フィルターも搭載した、新世代の本格シンセサイザーといった趣きの一台です。
関連記事(前号):
『キーボード・マガジン 2019 SPRING (No.404)』(リットーミュージック発行) ~オルガン&クラフトワーク特集