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CASIO 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.171】CASIO Privia PX-300 ~“ステージでもイケる!” 家庭向け電子ピアノ[2003年]

2018/11/25

 

 

 今回ご紹介するキーボードは、CASIOの電子ピアノ・「PX-300」です。発売は2003年。カシオのスタイリッシュ・デジタルピアノ・ブランド「Privia(プリヴィア)」初号機であるPX-100の同年(同時?)に発売されたモデルです。本体価格は75,000円(税別)

 

CASIO Privia PX-300

 

 
 PX-100はPriviaシリーズのいわゆるエントリー・モデルの位置付けだったのですが、本機PX-300はライブでも使える「ステージ・キーボード」としての用途も視野に入れた作りになっていますね。順に記していきましょう。
 
 
 関連記事:「CASIO Privia PX-100 ~Privia(プリヴィア)1号機![2003年]
 
 
 

概要

 当時、スピーカー内蔵とは思えないほどの軽量コンパクトな筐体ながら、お手頃価格クラスとは思えないような本格的鍵盤タッチ、および豊かなサウンドを実現。持ち運びに便利なスリムボディで、12.5kgという重量は当時 “女性一人でも(なんとか)運べる”と広まり、ライブでの使用もしばしば見られました。
 
 
 

音ほうめん

 パネル上に配された15個のトーン・ボタンによって音色を切り替え可能。またVARIATIONボタンを押すことにより各トーンのバリエーション音色が選択されるため、実質30音色を瞬時に選択可能です。また、それとは別にGM音色(128音色)も内蔵しています。
 
 
 音色的にはピアノ音色の出来がよかったですね。妙にクリアな(安価なデジタル・ピアノにありがちな)音ではなく、低音域も比較的しっかり響いてくれるという印象でした。
 
 
 あと、この価格帯のデジタル・ピアノには珍しいWurlitzer(ウーリッツァー)音色が搭載されていました。実際は「60'S PIANO」という名前の音色ボタンであり、ひとこともウーリッツァーとは書かれていないのですが、このアタックのニュアンスは間違いなくウーリーを模したものだと思われます。エレピ音色にもこだわりが感じられますね。
 
 
 

鍵盤タッチほうめん

 鍵盤部は、(当時)新開発の「スケーリング・ハンマーアクション鍵盤」を採用。バネを一切使用していないという新機構で、自然な弾き心地を実現するという謳い文句でした。実際、タッチのフィーリングはとてもCASIOの低価格モデルとは思えない(失礼!)、非常にしっかりしたものだったと個人的に記憶しています。

 

 

 

鍵盤スプリット/レイヤー機能搭載

 鍵域を低音部・高音部に分け、別々の音色を割り当てることができます。実はこの機能、エントリーモデルのPX-100にも搭載されているのですが、PX-300ではライブ向けの使い方もできそうですよね! 左手でストリングス、右手でピアノ音色といったセッティングも簡単設定で行えます。
 
 
 

接続端子ほうめん

 標準(フォン)ジャックのステレオ・アウトプット端子を装備。なおPX-100はヘッドフォン端子(×2)のみでした。PX-300では外部出力もできることにより、ライブでの使用も想定されているように思えます。
 
 
 さらにPX-300が特徴的なのが「ステレオ・インプット」も備えているところ。外部からの音声信号(ポータブルMP3プレイヤー、MIDI機器等)をインプットし、PX-300の出力とミックスして(PX-300内蔵の)スピーカーで鳴らすこともできます。
 
 
 MIDI周りでは、MIDI IN/OUTの他に、シンセ等ではおなじみの「MIDI THRU端子」が装備されています。これもPX-100には見られない端子でした。
 
 
 

つぶやき的な

 あと本機には120種類ものリズム・パターンによる自動演奏機能や、録音/再生機能、内蔵曲を使ったレッスン機能など、家庭用電子ピアノとしての機能もいくつか搭載されているのですが、個人的にはあまり興味をそそられる感じではなかったですね(すみません)。
 
 
 やはり本機は「安い、軽い、音も(まあまあ)いい、タッチも(そこそこ)いい」ということで、当時、ライブにも持っていける基本性能の高さが個人的には大いに評価したいポイントであります。ライブでのマスター・キーボードとしての使用でもいけるんじゃないかと思いますよ!
 
 

仕様
■鍵盤数:88鍵(スケーリング・ハンマーアクション鍵盤)
■音源方式:HL(Highly-compressed Large-waveform)音源
■最大同時発音数:32
■音色数:パネル音色×15、バリエーション音色×15、GM音色×128、ドラム・セット×10
■デジタル・エフェクト:8種(リバーブ×4、コーラス×4)
■録音機能(ソング・メモリー):2トラック/1曲/容量約5,200音符
■レッスン機能:右手/左手パートオフ機能
■内蔵スピーカー:12cm/6cm(楕円)×2
■外形寸法:
 1323(W)×132(H)×278(D)mm  ※本体のみ
 1306(W)×765(H)×288(D)mm  ※別売専用スタンドCS-55P装着時
■重量:約12.5kg
■発売当時の価格:75,000円(税抜)
■発売開始年:2003年

 

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