音響・楽器向けラック(19インチ規格)について ~ラックマウントをやってみる
2018/11/28
今回は、ラック型の音響機器・楽器などをスマートに収める「ラックケース」「ラックフレーム」について記述してみたいと思います。このラックは、各種電子機器を収容するため、機器の取り付け幅(横幅)を19インチ(=482.6mm)と定めた規格となっており、音響機器・楽器の場合だとほぼこの規格を採用していますね(EURORACK除く)。
ちなみにIT系のサーバー管理者だったら、背の高さほどあるサーバー専用ラックを見たことがあるかもしれません。あれも一般的には横幅は同じく19インチです。
私物の箱型8Uラック
↑以前本ブログでも取り上げた「SKB」のものです(※若干昔のモデル)。なおSKBのそれはABS樹脂素材でできているものが多いですね。
関連記事:「SKB - アメリカ発のケースブランド ~ぴったりの鍵盤ケースを見つけよう」
正面から見た画像。19インチ規格ならば横幅はきっちり482.6mmです。
フタを付けた状態。
フタを外すとこんな感じ(簡単に着脱可能となっています)。ラックの横の両端には、音響機器などを固定するためのネジ穴が取り付けられているのが確認できますね。
→ サウンドハウスで「 CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CPA08 」の価格をチェック
あいにくこのラックに収まっていたのは。TEACのパワー・ディストリビューター(上段)とパッチベイ(下段)の2台のみ。かつて山のように所有していたラックタイプの音源モジュールが、我が家には既に一台も存在していないことがこれで分かりました(汗)
関連記事:「パワーディストリビューターとは何か? ~代表機種「TASCAM AV-P250」のご紹介」
そんな個人的なことはさておき、この機材ごとの最小限の縦のピッチ(1U)は44.45mmと決まっています。この数字は一応覚えておいて損はないです。上の画像だと、1U+1Uで合計2Uマウントしているということですね。
そしてわざとらしくネジを締めているの図(笑)
フレーム型ラックについて
→ サウンドハウスで「K&M ( ケーアンドエム ) / 40900 」の価格をチェック
こちらは外枠だけのフレームタイプのラック。コストが安いというメリットがありますが、重量のあるものをマウントするには若干注意が必要。2Uのパワーアンプだったりしたら10~15kgくらいの重さがあるので、マウントする位置(→高さ)は配慮するようにしましょう。
→ サウンドハウスで「 YAMAHA P1000S 」の価格をチェック
↑これはYAMAHAの定番2Uパワーアンプということでご参考までに。なおパワーアンプは稼働していると筐体が次第に熱を持ってくるので、上下の機材は少しすき間を作ってマウントすることをお勧めします。
ネジの締め方のコツ
機材側の端(→ “耳”とも言います)には縦横左右で合計4つのネジ穴が空いています。上記のような箱状のラックケースならば、機材側のフロントパネルを上面にして締めていけばいいでしょう。ポイントとしては、4か所のネジを全て仮止めにしておいて、位置の微調整ののち、本締めにしていきます。
また、マウント時のネジは下側を強めに締めるのがポイント。フレームに傾斜がついていて水平状態でネジを締めにくい場合でも、下ネジを必ず先に締めてください。以下図解していきます。
↑もし音響機器・楽器の上段のネジから先に締めてしまうと。。
↑自重に耐えきれず、このように “耳”がひん曲がり落ちてきてしまうこともありえます。前述したように特にパワーアンプは重いので、先に上ネジを締めてしまうのはよろしくありません。
↑下ネジを先に締めれば、上の “耳”にてストッパーがかかります。こうなると上のネジは締める必要すらあまりないとも言えるでしょう。もちろん4か所きっちり締めるのは基本だとして、時間がない時とかネジが足りない時などに覚えておくと役に立つかもしれません。
個人的つぶやき
楽器(音源モジュール)やエフェクターに関しては、昨今このようなラックマウント形状のタイプは少なくなってきています。とはいえ業務用音響機器やIT系サーバーの現場では積極的に使われているので、何かの拍子に思い出して頂ければ幸いに思います。