他メンバーにキーボードの音をもっと知ってもらおう! ~隗より始めよ
2018/11/26
オリジナルバンドでメンバーの作ったデモテープを元に、最初にメンバー全員で音合わせをするケースを思い浮かべてみてください。あるいはコピーバンドの場合だと、市販のCD音源などから各パートが練習を積んで最初にスタジオで音合わせをするといった場合。僕はこの初スタジオの初音出しの瞬間が大好きなのです。何故かって? では以下解説してみましょう。まあ僕個人の見解なんですけどね。。
鍵盤楽器の出せる音について
キーボード(シンセサイザー)に詳しいメンバーがバンドに居れば話は別ですが、大抵は他楽器パート(ギター、ベース、ドラム等)の人は鍵盤楽器の音に詳しくありません。
メンバーの作ったデモテープにしても、『キーボードはここでモワ~っとした感じの音色をベタ~っとした感じで弾いて』とか、『ここはピアノっぽい音で適当に刻んで欲しい』とか、実に曖昧な指定をされることもしばしば。。否、それは指定ではなく、キーボードが出せる音(あるいは奏法)を知らないってことが大多数なのですね。
これはある意味キーボーディストにとってチャンスです。他楽器パートの人にとっては、キーボードの音色といえば「ピアノとかストリングスとかキラキラした音」くらいしか思い浮かばないケースも少なくないのです。そこでキーボーディストが様々な音色、あるいは奏法(または音色のリアルタイム・コントロールなど)を提示してあげると、他メンバーは素直に驚いてくれることが多いです。『鍵盤でそんな音が出せるんだ~』とか。うーん快感な瞬間(笑)
初スタジオに入るための “準備”
僕はアマチュア・ミュージシャンの中でも、毎週のようにライブを行ったりツアーを組んだりするようなタイプのバンドマンではないです。知り合い経由で頼まれたりして、1回のライブのためだけのサポートという形で参加することが多いですね。それだと必然的に初顔合わせのメンバーと合わせることも多くなるわけで、上記のように様々な音色・奏法のアプローチを提示するよう試みています。
その日のスタジオの課題曲のボリュームにもよりますが、いくつかの音色や奏法をあらかじめ準備しておいて、『次は〇〇を●●に変更して演奏してみます』などと宣言して行うといった感じ。何度か試行錯誤した上でうまくハマれば儲けものです。
まあその場で臨機応変に完璧に対応できる力があれば下準備すら必要なくなると思うのですが、僕の今の力だとこんな感じですね。。機材の持つパワー(性能)に依るところもありますし、難しくもあり楽しいところでもあります。
まずはメンバーから攻める!
前述したように、僕にとってライブ自体は1回こっきりなケースが多いので、お客さんにとってのキーボード音というのはぶっちゃけ印象に残っていないと思いますし、『俺の音を聴け~!』といった、ライブ時におけるバンドサウンドのバランスを崩すスタンドプレーに走ることはしないよう心掛けています。ライブではむしろ淡々と、さらりとこなしたい感じですね。
でも何度も同じ曲を重ねることになるメンバーに対しては、明らかに “キーボードサウンドの啓蒙”も狙ってスタジオに入ってます(笑)。「キーボードはバラード要員、あるいは音の薄さを埋める補間的パート、だけじゃなくて、その場の音空間を支配するような存在感を放つこともできるんだよ!」といった意識ですね。メンバーの “キーボード観”に何らかのつめ跡が残ればこれ幸いと思って臨んでます。