鍵盤演奏の「イメージトレーニング」を考える ~時間がなくても練習はできる!
2018/11/25
今回は、演奏における「イメージトレーニング」についてのお話をしてみたいと思います。よくスポーツ選手(トップアスリート)では非常に有効なトレーニングとして昔から注目されていますが、楽器演奏については効果的なのでしょうか。スポーツほどは話に聞かないですよねぇ。。
はじめに・時間がない大人たちへ
子供にピアノを教えた(もしくはレッスンを見守った)ことがある人ならば感じたことがあるかもしれませんが、集中している時の子供は非常に飲み込みが早いというか、吸収力の早さにびっくりすることがあります。
しかし悲しいかな、大人になってピアノを始めたという人(→例えば僕です)だと、なかなか脳や体に染み込んでくれず、子供よりも時間がかかることが多いわけです。さらに「日々の仕事や家事などに追われて、まとまった練習時間が取りにくい」という事情もあります。まあ今どきの子供も忙しい子は忙しいわけで、都合のいい大人の言い訳なのかもしれませんよ。。
こういった時間のない大人鍵盤弾きにとっては、「日々の細切れの時間を有効に使う」といった工夫が必要になってきます。そこでイメージトレーニングです。スキマ時間の有効活用や、練習の能率アップといった効果が期待できます。
なお電車の中など、周りの雑音でどうしても気が散ってしまうという人は、耳栓をしたり、実際の演奏音(ピアノ曲等)をスマホから流したりして自分なりに集中するできる環境作りを考えてみましょう。
まずは鍵盤(の配列)をイメージする
ピアノやキーボードを始めた頃はこれが意外と難しかったりします。実際僕は、2オクターブ程度の鍵盤が書かれた絵(→手描き)や、課題曲の譜面(の切れはし)などはしょっちゅう持ち歩いてました。慣れない人はまずは「鍵盤(白鍵/黒鍵)の位置関係を正確に把握する」ところから始めましょう。大きな鍵盤の絵を描いて壁に貼っておいてもGOODだと思います。
弾いているイメージを作る
慣れていれば両手の動きを同時にイメージしますが、難しいということだったらまずは右手だけでイメージします。単音だったらさほど難しくはないでしょう。ただし運指が怪しいところは、実際の練習でも怪しくなりますので(笑)、指番号や注意箇所(→指くぐりなど)を確認できるメモ(教本)などを用意し、すぐに確認できる状態にしておくとよいと思います。そして、右手ができたらプラス左手といった感じでステップアップしていきます。
その際、頭の中で「ドレミファソラシド」の音階が鳴らせるとさらによいのですが、これが結構難しいです。絶対音感を持っていない僕にとってはかなりのハードルです。というか完全には無理です。
なお、イメージングの際に実際に指を動かして「エア演奏」をしてみるのは有効だと思います。とはいえ公共の場(電車内など)だとちょっと目立つかもしれませんので、鍵盤デザイン(黒鍵+白鍵)のお稽古バッグとかを膝上に置いて、“音楽関係者”アピールをしておくといいかもしれません(笑)
思わず広告リンクを貼ってしまいましたが、鍵盤デザインのお稽古バッグとはこんな感じのものだとイメージして頂ければ十分です。いやむしろこれだったら、運指の確認が実際にできちゃいますね。
実際のピアノ練習の時
イメージの段階であやふやだった箇所を実物で確認します。そしてまたイメージを脳に植え付けます。あとはこれの繰り返しです。超絶地味な作業なのですが、イメージを定着させるにはこういったことを何度も何度も行います。
鍵盤を目の前にしたイメージトレーニングの場合
これまでは鍵盤がない(=実際の演奏練習ができない)ケースで話を進めてきたのですが、実際の鍵盤を目の前にして、弾く前に “どのような演奏をするかをイメージする時間を作る”といったイメトレもあります。これは(一通り音符や運指を把握した上で)、“指・腕・体の使い方、表現したいニュアンス、出したい音色”などを一旦頭に描き、イメージがある程度できた時点で実際の演奏(練習)に移ります。
これは、一発勝負のピアノ発表会やライブなどが控えていると思えばイメージしやすいかもしれません。本番さながらに緊張感を持ち、「自分が思い描いている、自分の理想の演奏」をイメージしておくのです。
こういったイメージトレーニングをした後に練習に入れば、普段の練習の質も変わってくるのではと個人的には思います。いわゆる “本番”のシチュエーションにも強くなるでしょう。ポイントとしては、落ち着いた状態になるまで呼吸を整えて、リラックスした状態になるまで待ちます。鍵盤を目の前にして弾きたい気持ちをぐっと抑えて、しばしイメージ作りに集中したのち演奏に移行します。
主に僕の場合
僕は寝つきが悪いので、ベッドに入って電気を消してからの時間が異常に長いです。眠れないからといってスマホを開いてしまうと、ブルーライトにより覚醒状態に拍車がかかってしまうので悪循環です。
そんな時「ひつじが一匹、ひつじが二匹~」と数えてもいいのですが、僕は暗譜した曲を頭の中で弾くようにしています。それで気付いたのが、頭の中でつかえてしまう箇所は、実際に弾いていても確実につかえる ということ。「次はどの音、何のコード、どういったニュアンス」という風に頭の中でしっかり整理できるようにイメージトレーニングをすれば、実際の練習時間もさらに有益なものになるのでは、と感じます。