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1990年代 KORG 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.201】KORG Kaoss Pad ~X-Yパッド装備のKAOSS PAD初号機[1999年]

2018/07/01

 今回紹介する音楽ギアは、コルグが1999年に発売した「Kaoss Pad」です。当時の価格は29,800円(税抜)。主にDJ向けに開発された、リアルタイムでの操作性に優れたダイナミック・エフェクター/コントローラーといった趣きのモデルとなっています。
 
 このKaoss Pad(およびKaossilator)はヒットシリーズとなり、のちに様々な後続機種が発売されていますが、今回取り上げるのは初代・Kaoss Padになります。

 

KORG KAOSS PAD

 

Kaoss Pad概要

 中央に大きく装備された「X-Yパッド」を指先でなぞる(こする、タッピングする)ことにより、入力した音声を劇的に変化させるという、直感的なエフェクト操作を可能にした楽器感覚のコンパクト・エフェクト・コントローラー。
 
 
 DJミキサー等と並べた際に使いやすくするためかボディはやや厚みを持たせており(58.5mm)、またターンテーブルから直接入力できる「PHONOインプット」や、専用のマイク入力用ジャックも装備しています。
 
 
 DJユースとして配慮が見られる入出力端子設計、および感覚的に操作できるエフェクト・プログラムは、当時国内外を問わず多くのDJに受け入れられ、当時DJの間ではあまり知られていなかった「KORG」というメーカーを広く知らしめることになりました。
 
 
 

内蔵エフェクト・プログラムおよびX-Yパッドについて

 ピッチシフト、ディストーション、フィルター、ワウ、トレモロ、フランジャー、ディレイ、リバーブ、パン、ゲート、フェイザー、リング・モジュレーターといった計50種類のエフェクトおよび、10種類のサンプル/プレイ・エフェクトを内蔵しています(→合計60種類)
 
 
 
これらエフェクト・プログラムは、あらかじめX-Yパッドの縦軸・横軸に各パラメーターが設定されており、各プログラムを呼び出してX-Yパッドをなぞるだけで様々な音色の変化をもたらしてくれます。プログラムの変更は本体右上のPROGRAMつまみを回し、LEDで番号を確認します。
 
 
 また、「ここぞ!」と決めたポイント(押してる時のパッドのポジション)で本体左部のHOLDボタンを押せば、エフェクト効果がそのポジションでキープされます。このHOLDボタンは、通常のエフェクターのように押すたびにON/OFFすることが可能となっています。
 
 
 

実はサンプリングも可能

 サンプリング周波数48kHzで、最大約5秒のサンプリング機能も搭載されていました。本体右部にあるRECボタンを押すとすぐさまサンプリングがスタートします。そのようにサンプリングしたサウンド(フレーズ)は、前述した10種類の「サンプル/プレイ・エフェクト」によって、より効果的な変化をさせることができますね。
 
 
 例えば、“Y軸にサンプルのピッチ、X軸に再生方向(正再生、リバース再生)”が割り当てられた「SAMPLE/PLAYZ」を選択すれば、非常にトリッキーなスクラッチ・プレイができるといった感じです。

 

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入出力端子について

 本機の出力端子はRCAピン・ジャック(L/R)および、本体手前にあるステレオ・ヘッドフォン・ジャック(専用ボリューム付き)
 
 
 入力端子もRCAピン(L/R)なのですが、これに加え、ターンテーブルから直接入力ができるPHONOインプット(ターンテーブル用電源アース【GND】付き)が装備されているのが大きな特徴と言えます。またマイク入力用の端子も別途装備。こちらはモノラルの標準ジャックとなっていて、TRIMつまみ(→入力レベルを調整)も付いています。
 

KORG KAOSS PAD(rear)

 

 

Kaoss Pad BLK/WHについて

 「BLK」は初代Kaoss Padの翌年(2000年)に発売されたブラック・バージョン。しかしただの黒ではありません。スケルトンです。そういえば当時はカラフルなスケルトンの「iMac」が登場していた時期でしたね。シンセ/エフェクター方面でスケルトンな筐体はあまり見られなかったので、非常に斬新なルックスとして話題となりました。台数は忘れましたが限定発売だったらしいですよ。
 
 なお2001年には、同じくホワイト・スケルトン・バージョンである「WH」も数量限定で販売されました。
 
 
 

個人的かんそう

 とにかく操作ボタンが簡単でいいですね。リアルタイム・プレイ時に使用する本体ボタンといえばHOLDボタンくらいでしょうか。「あとはX-Yパッドで各自好き勝手やってくれい」と言わんばかりの自由な設計です(笑)。僕はDJプレイについてはよく分かっていませんが、MIDI OUT端子も付いてるしシンセにつなげて使っても有効だと思います。
 
 
 光で文字表示もできる近年のモデル(KAOSS PAD KP3+等)のような視覚的な派手さはありませんが、前述したように入出力方面も充実していますし、使いこなせば結構実用的な一台になってくれるのではないでしょうか。
 
 
 

余談的な

 ちなみにこの革新的なX-Yパッドは実は初出ではなく、同社のキーボード付きシンセサイザー「Z1」(1997年)にて既に採用されていました。ただしZ1のそれは(面積的に)小さく、ガイド用のベクトル線もなし。シンセサイザーなので基本的に内部パラメーターをパッドにアサインするにとどまったため、「リボン・コントローラーの延長みたいなもの」と捉えられる向きもありました。
 
 
 関連記事:「KORG KAOSS MIXER ~カオスなるDJミキサー[2001年]
 

仕様
■サンプリング周波数:48kHz
■信号処理:18ビット(A/D&D/A)
■エフェクト・プログラム数:60
■エフェクト・バリエーション:ピッチシフト、ディストーション、フィルター、ワウ、トレモロ、フランジャー、ディレイ、リバーブ、パン、ゲート、フェイザー、リング・モジュレーター、サンプル/プレイ
■外形寸法:203(W)×58.5(H)×177(D)mm
■重量:660g
■発売当時の価格:29,800円(税抜)
■発売開始年:1999年

 

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