1990年代' Roland 【アンプ/スピーカー】 楽器・機材【Vol.〇〇】
【Vol.158】Roland KC-880 ~合計320W出力のハイパワー・キーボード・アンプ
2018/11/25
今回ご紹介する機材はローランドのモニター・スピーカー「KC-880」です。160W出力のスピーカー&ツイーターを2基ずつ搭載した、合計320W出力のハイパワー・キーボード・アンプとなっています。出力が大きい分、キーボードアンプにしては非常に大柄なルックスです。44kgと重量級でもあるので、本体にはキャスターが付いていますね。
モニター用途のみではなく、メイン・スピーカーとしても使えますね。また「KC-880」を2台使いにした際の「ステレオ・リンク」機能(320W+320W)にも対応しているので、そこそこのステレオPAとしても使えると思います。
INPUT/OUTPUT方面は?
ステレオ4CH+AUXの最大5系統のステレオ・ソース入力に対応しています。なおCH1にはXLR(キャノン)入力端子も装備しており、マイクを接続することも可能です。鍵盤+ボーカルといった弾き語りのセッティングなどにも使い勝手がいい感じですね。
AUX INは、1〜4CH同様に独立した専用のボリュームつまみを搭載しており、入力ソースに合わせた音量調整が可能です。対応ジャックは標準フォーン、RCAピン、ステレオ・ミニの3種類を装備しているため、民生用のCDプレーヤーや小型オーディオ・プレーヤーなど様々な機器を接続できます。
音質調整方面は?
[LOW]/[MIDDLE]/[HIGH]の3バンド(パラメトリック)EQを装備しています。
また本モデルの特徴的な点が「EFX」という機能。これは見たままエフェクトの意味なのですが、つまみの位置により4種類のエフェクトを切り替えたり、効果の度合いを調節することができるというものです。以下、4種のエフェクトを簡単に説明してみましょう。
REVERB(リバーブ)
残響を与えるエフェクト。CH1につなげたボーカルマイクにも手軽にリバーブを加えられる。
CHORUS(コーラス)
音に厚みや広がりを与えるエフェクト。ストリングス音色などに便利。
TOREMOLO(トレモロ)
周期的に音量を変化させるエフェクト。エレクトリック・ピアノなどの音作りに便利。
ROTARY(ロータリー)
独特の回転感(うねり)を与えるエフェクト。オルガンなどの音作りに。
なおCHごとに「EFX」スイッチが独立して配されており、それぞれ(CHごとに)内蔵エフェクトのON/OFFが可能です。
個人的感想
見た通り大柄で出力も大きく、非常に安定感があります。大きいとはいってもAMPEG(→ベースキャビネット)とかに比べたらそれほど巨大というわけでもありません。ちょっと広めのプライベート・スタジオに、キーボードアンプとして常設しておくような用途だったら便利に使えると思います。
ライブのたびに持って行くとなると大変なのですが、たまたま使ったライブハウスがこのKC-880を置いてあったりすると非常にうれしいです。「今日のライブはモニターに関しては何の心配もない!」といった安心感があります(笑)
ただし「EFX」機能はちょっと使い勝手が難しいですね。。チャンネルごとにEFX入/切はできても、各チャンネルごとの独立したEFXの調整は不可になっています。
ちなみに
KC-880はアニメ「けいおん!」(第1期)オープニングにも登場しています。
画面右下にある黒い箱がそれです。ものすごく分かりにくくて申し訳ない。。
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仕様
■定格出力:320W(160W+160W)
■スピーカー:30cmウーファー×2、ホーン・ツィーター×2
■接続端子
CH1インプット・ジャック ※XLRタイプ
CH1~4インプット(L/MONO、R)ジャック ※標準タイプ
AUX 1インプット(L/MONO、R)ジャック ※標準タイプ
AUX 2インプット(L、R)ジャック ※RCAピン・タイプ
AUX 3インプット・ジャック ※ステレオ・ミニ・タイプ
ヘッドホン・ジャック ※ステレオ標準タイプ
ステレオ・リンク・アウト(L、R)ジャック ※標準タイプ
ステレオ・リンク・イン・ジャック ※標準タイプ
ライン・アウト(L/MONO、R)ジャック ※標準タイプ
ライン・アウト(L、R)ジャック ※XLRタイプ
フット・スイッチ・ジャック ※TRS標準タイプ
■外形寸法:
759(W)×585(H)×470(D)mm ※キャスター含む
759(W)×534(H)×470(D)mm ※キャスター含まず
■重量:44kg