【Vol.4】Roland JX-1 ~エラ張ってます[1991年頃]
2018/11/21
さて今回はRoland JX-1という鍵盤のご紹介です。知ってる人いますかね・・・ 1991年頃発売されたものです。当時の価格は79,000円、重量は5.8kgと、“安くて軽いキーボード”を体現していたのですが、こう見えてれっきとした「シンセサイザー」です(→本体に表記されている)
この子は、僕がクソ貧乏で鍵盤が一台もなかった時期に、バンドメンバーから貸してもらったメインのキーボードでした。「元々子供のために買ったものだけどもう使わないので、お前使え!」という感じで。
一見おもちゃみたいな感じだったけど、やっぱりおもちゃみたいでした(笑)。とはいえMIDI OUT端子がついてたのは助かりました。内部音源はあまり使わず、もっぱらSC-88pro(これも借り物。DTM音源の方がまだましだったのか。。)を鳴らしていたのを覚えています。唯一使っていた内蔵音源は、D-50系のキラキラパッドのみだったと思います。。
JX-1/ローランド(株) 雑誌広告より画像引用
JX-1の概要
内蔵プリセット・64音色、最大24音ポリフォニック(※音色により異なる)で、イージー・オペレーションを特徴としている “プリセット・シンセサイザー”。フロントパネルには音色名ごとのボタンが計32個搭載されており、階層に入ったりダイヤルを回さなくても瞬時に音色を切り替えられるのが便利。
音色ボタンを2つ押すことで音も重なる「デュアル」機能を搭載していますが、エディットができるのは先に押した方(メイン・トーン)のみになります。
JX-1の特徴(個人的感想入り)
ライブでも何度か引っ張り出したので、僕にとってはちょっと思い出深い機種です。特に後世に名を残すシンセではないのですが(ごめんなさい)、ちょっと変わった特徴があるので挙げてみます。
【形状】
パンチに乏しい中身を補うためか、外観が6角形とちょっとだけインパクトがあります。なおこれをライブ会場搬入時など壁に立てかける際、全然安定しませんでした。ちなみにこれ、専用のソフトケースも販売されていたのですが、やはり六角形なのでした。
【シンセサイザー?】
仮にも伝統ある「JX」を冠しているし、本体にも「PERFORMANCE SYNTHESIZER」と書かれているのでシンセサイザーのカテゴリーだと思うのですが、パネル上にはLEDや液晶は装備されておらず、シンセらしいコントローラも4つのスライダーのみ。。このスライダーでADSRのアタック、リリース(ディケイ、サスティンは省略)や、カットオフなどをコントロール可能です。
なおボリューム・スライダーの隣りに、単独の「BRILLIANCE」スライダーを備えています。これはプリセット音の明るさを調節できるというものですが、フィルターのカットオフほどの変化はせず、非常に穏やかな感じです。家庭向け電子ピアノに付いてくるそれに近いですね。
また、一応音色ストア(記憶)もできるのですが、そもそも凝った音作りはあまり期待できず、ほぼプレイバック音源といった感じですね。。逆に、すぐに音を出したい初心者にとっては便利だったともいえます。音色名も書かれてたりして分かりやすさは抜群です。
【インプット・ミックス機能】
当時のシンセとしては珍しく、INPUT端子がステレオで装備されています。つまりCDコンポやリズムマシンなどの外部音声を入力して、ヘッドフォンとかで本シンセとのMIX音声を聴くことができるというもの。当時ミキサーもなかった僕はこの機能に地味に助けられました。
余談的な
このシンセを記事にしよう!と思ったのですが、なかなか機種名が思い出せずに苦労しました。ローランドのホームページから過去シンセ系譜などを探してもなかなかヒットせず、かなーり苦労しましたですよ。。同社にとってはなかったこととして扱われているのかもですね。。
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仕様
■最大同時発音数:24音以下(音色により異なる)
■音色:プリセットトーン64、メモリートーン32
■接続端子:ACアダプター・ジャック、アウトプット端子(L/R)、ペダル・ホールド端子、MIDI端子(IN/OUT/THRU)
■外形寸法:1057(W)×64(H)×293.5(D)mm
■重量:5.8kg
■発売当時の価格:79,000円
■発売開始年:1991年春頃