【Vol.94】BOSS RT-20 ~COSM技術を採用した“光る回る”ロータリー・シミュレーター
2018/11/25
今回はコンパクト・エフェクターで有名なBOSSの、ロータリー・シミュレーター「BOSS RT-20 Rotary Ensemble」のご紹介です。発売開始は2005年からですが、2018年5月現在も現行商品ですね。
同社のCOSM技術(テクノロジー)を採用しており、4種類のモードで、標準的なサウンドからハードロック向けまで幅広いロータリー系の音作りが楽しめます。もちろんオルガンにつなげてもよしです。ロータリー・サウンドが得られる単体エフェクターとして、実に息の長い製品となっています。
操作について
大まかには左側のスイッチ(ペダル)で「エフェクトのON/OFF」の切り替え、右側のスイッチ(ペダル)で「ロータリーのSLOW/FAST」の切り替えになっています。
モードについて
本機には4つの「(ロータリー)モード」が用意されていて、パネル上のMODEスイッチ「I~IV」で切り替えることができます。以下、ざっくり見てみましょう。
モードI …COSMによる標準的なロータリー・サウンド
モードII …より深いトレモロ感を得られるサウンド
モードIII …オーバードライブ設定により、よりロックに適したサウンド
モードIV …「UNI-V」という独特のフェイジング・サウンド
モードIVの「UNI-V」だけ何のこっちゃ?って感じですよね(笑)。僕も詳しくは分かりませんが、60年代のエフェクター「ユニバイブ」をモデリングしたものだそうです。効果としてはフェイザーというかワウにも感じられるかもしれませんね。うまく説明できなくてすみません。。
近未来的なディスプレイ!
本機の非常に特徴的な部分ですね。ロータリー・スピーカーの回転速度に合わせて赤色/青色の光が回転する「バーチャル・ロータリー・ディスプレイ」を採用しています。こういった派手な光の変化は、回転スピードを視認しやすくするのはもちろん、ステージ暗転時などの視覚効果もばっちり期待できたりします。
その他の機能
本機のリア・パネルには、「DRIVE TYPE」としてGUITAR/KEYBOARDの切り替えができるスイッチが装備されています。これは、接続する楽器によって最適なオーバードライブ・サウンドを得られるようになっています。つまり、ギターに使ってもキーボードに使ってもよいように、最初から設計されているということですね。
個人的かんそう
これは僕も実際、シンセのオルガン音色をソースにして試したことがあるのですが、レスリーの回転感とはまた違ったニュアンスの独特の効果が出たことを覚えています。
ヒュンヒュン(あるいはシュワシュワ)と音が揺れる “ぶん回し感”は、ディスプレイのビジュアルとも相まって、むしろスペーシーなシンセ音とかと合わせても面白いと思います。あとエレピにかけても楽しいかもしれませんね。2017年11月現在まだ現行商品ですし、本機を手にする機会がある人は、ぜひオルガンだけといわず色々試してみてくだされ。
なお本体は乾電池でも駆動しますが(単三×6本)、専用のACアダプター(BOSS PSA-100またはPSA-100S)は別売りとなっています。必要な人は忘れずに手に入れておきましょう。
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仕様
■規定入力レベル:-20dBu
■入力インピーダンス:1MΩ
■規定出力レベル:-20dBu
■出力インピーダンス:1kΩ
■コントロール:MODEノブ、RISE TIMEノブ、BALANCE LEVELノブ、OVERDRIVEノブ、EFFECT LEVELノブ、DIRECT LEVELノブ、SLOW SPEEDノブ、FAST SPEEDノブ、DRIVE TYPEスイッチ
■外形寸法:173(W)×57(H)×158(D)mm
■重量:1.1kg(電池含む)
■価格:オープン・プライス
■発売開始年:2005年