キーボーディスト、脱初心者を目指す

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【ムック】『DVD&CDでよくわかる! はじめてのキーボード』(リットーミュージック発行)

2019/03/09

 

 

 今回ご紹介する本(ムック)は、リットーミュージック社発行の『DVD&CDでよくわかる! はじめてのキーボード』です。初版は2019年1月28日ということで、本記事投稿時点で出来立てほやほやといった感じの新書ですね。発行は「キーボードマガジン」でおなじみリットーミュージックで、表紙にも大々的に “キーボードマガジン”のロゴが描かれています。
 
 
 表紙には他にも『この一冊にキーボードの基本が全網羅!』というコピーが書かれており、文字も大きく本文に関してはフルカラー!。内容に連動したDVD(映像)やCD(音源)も付いており、いわゆるキーボード入門者向けの一冊という雰囲気が伝わってきますね。
 
 
 なお本誌はローランドさんの全面協力により、実際のシンセサイザー「Roland JUNO-DS」の操作手順が写真付きで解説されています。
 

 

 

本文の内容

各章は以下のように構成されています。

■Part.1 キーボードを弾く前に知っておきたいこと
■Part.2 音を出してみよう
■Part.3 音色別! 練習フレーズに挑戦
■Part.4 コードを学ぼう!
■Part.5 バンド練習で必要になる知識
■Part.6 音を変えてみよう

各Part内ではさらに細かくテーマが分かれています。超簡単に補足してみましょう。
 
 

Part.1 キーボードを弾く前に知っておきたいこと

 冒頭から “シンセサイザーとキーボードの違い”と始まっているように、鍵盤演奏以前に知っておくべきキーボードの基本知識を押さえた、イントロダクション的な読み物Partとなっています。
 
 

Part.2 音を出してみよう

 一般にシンセサイザーというと本体にスピーカーを搭載していない機種もあるわけで、本Partではアンプやヘッドフォンの接続の仕方などから説明してくれます。
 
 

Part.3 音色別! 練習フレーズに挑戦

 軽音バンドのキーボードでよく使う音色(ピアノ、エレクトリックピアノ、オルガン、ブラス、ストリングス等)を個別に取り上げ、それぞれの音色ごとのエクササイズ・フレーズが掲載されています。
 
 

Part.4 コードを学ぼう!

 バンドでのアンサンブルに必要な「コード」についての基礎知識から実際の使い方、バンド譜の読み方などについて記述されています。
 
 

Part.5 バンド練習で必要になる知識

 一般的なクラシックのピアノ教室ではあまり教えてもらえない、バンド練習時における電子キーボードの基礎知識が書かれています。
 
 

Part.6 音を変えてみよう

 音を変化させる効果(つまりエフェクター)についての記述。リバーブ(残響)、コーラス、ディストーション(歪み)などですね。
 
 
 以上が本文のざっくりした内容ですが、ここまでで約80ページ。冒頭でも触れましたが、文字が大きくフルカラーで初心者でも読みやすいと個人的には感じました。各Partごとは掘り下げると非常に深くなってしまうのですが、そこは複雑になりすぎずシンプルにまとめてある感じですね。

 

 

 

掲載スコア

■ピアノ・アレンジ譜
「Lemon」米津玄師
 
■キーボード・スコア
「プロミスザスター」BiSH
 
■バンド・スコア
「丸の内サディスティック」椎名林檎
「シュガーソングとビターステップ」UNISON SQUARE GARDEN
「ときめきエクスペリエンス!」Poppin’ Party

 
 今どきの流行ソングなどが中心のラインナップであり、初心者の中でも特に若い人向けの選曲といった印象ですね。なのですが、「丸の内サディスティック(椎名林檎)」が入っているのが違和感があって面白いです(笑)
 
 
 「丸の内~」といえば、椎名林檎さんのファーストアルバム(1999年発売)内のシングル化されていない一曲。でもバンドマンには(おそらく)人気が高いし、実際ライブでも盛り上がります。そして何よりキーボーディストが “弾いていて超楽しい曲”でもあります。慣れたらぜひ色々とアレンジしてみて楽しんでほしいですね。
 
 
 

こんな人に向いている(個人的所感)

●BanG Dream!(バンドリ!)が好きで実際にバンドを組みたくなった
 

●ピアノは小さい頃習っていて今でもある程度弾けるけど、電子鍵盤はよく分からない
 

●上記アニメでも使われていたし、店員さんの勧めでRoland JUNO-DS(シンセサイザー)を購入したけど、使いこなせるか不安

 
 誌面の多くがJUNO-DSと連動しているということもあり、バンドリ!きっかけでバンド・キーボードに興味を持った人にとっては、特におすすめできる一冊といった感じですね。もちろんJUNO-DSじゃないキーボードでも応用が利くと思います。
 
 
 時代によって流行の音楽は移り変わっていきますが、「バンドやりたい!」「ステージでキーボード弾きたい!」という人はいなくならないと思います。『ピアノは昔習ってたけど、電子キーボードやシンセサイザーとかはよく分からない…』といった人でも入りやすい内容に仕上がっていると思いますよ。

 

 

 

【おまけ】マニア的考察&つぶやき

 親雑誌とも言えるキーボード・マガジン誌でも、かつてはこういった初心者向けの誌面コーナーが見られました。ただし近年は季刊誌となり大幅に構成を変更する必要に迫られ、昨今ではビギナー向け記事はほとんど見られなくなりました。
 
 
 今回のムック『DVD&CDでよくわかる! はじめてのキーボード』は、そういった “露頭に迷っている(かもしれない)電子キーボード入門者”をサポートする、出版社の親心的な意図が感じられる一冊だと感じました(笑)
 
 
 あと、この手の教則本ではおなじみの音声(映像)付録ですが、あえてCD&DVDという物理メディアを付けたのは個人的には評価したいです。一時期はURLが書かれていてネットストリーミングで確認するというのが流行っていたのですが、ネット環境なしでこの先何十年(たぶん)でも使える円盤媒体という方が安心できますね。 
 
 
 
 関連記事:「キーボーディスト目線でアニメ「BanG Dream!」を観た後の感想とか

 

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