楽器買取の「高く売れるドットコム」について
2018/11/26
今回はリサイクルショップの「高く売れるドットコム」について取り上げてみたいと思います。全国に展開している大型総合リサイクルショップということで、まあ全国的な知名度は高いかと思います(僕は使ったことはありませんが)。公式HPのコピーでは『100万人が利用した買取サービス』などと謳われていますね。
このショップですが、様々な分野(フィギュア、家電、カメラ等々)ごとに専門のサイトが立ち上げられているのが特徴的で、その中には「楽器買取部門」というのもあるわけです。ひとことに “楽器”と言っても非常に多岐にわたるわけですが、鍵盤楽器(電子楽器)の買取についてはどの程度信頼が置けるのでしょうか。ちょいちょい個人的感想などをはさみつつ展開してみたいと思います。
なお本ブログでの情報は2017年7月末現在のものです。最新の情報は下記HPからご確認ください。
楽器高く売れるドットコム→http://www.gakki-takakuureru.com/info/shop.html
「楽器高く売れるドットコム」概要
インターネットや電話から買い取りを依頼し、店舗から事前に買取価格を提示。利用者は価格を確認してからサービスを利用するという流れ。
リユースセンターと呼ばれる言わば買取拠点は、(2017年7月現在)東京、横浜、埼玉、仙台、名古屋、大阪、神戸、福岡の全国8か所に設置されており、全国どこからでも利用できるという触れ込みです。
買取方法
①宅配
②出張
③リユースセンターへ直接持ち込み
HPで確認したところ、出張料、送料は完全無料をうたっていますね。
大部分の人が該当するであろう「宅配買取」については、問い合わせ後に宅配キット(段ボール、梱包材)が届くとのことで、これは素直によいサービスだと思います。
「出張買取」は楽器に限らず他の家電等もまとめて処分したい場合などは有効かもしれません。ただし該当エリアのみなので、住んでいる地域が出張OKなのかは事前に確認しておきましょう。
またリユースセンターが運よく家の近くにある場合は、素早い対応(→現金化)が期待できそうですね。来店前にあらかじめ電話やメールで問い合わせておくとよりスマートに手続きが行えると思います。
細かな規約はホームページに全て書かれていますので、内容を隅々まで目を通し、全て納得した上で買取を依頼することをお勧めします。
楽器のカテゴリー分けについて
楽器買取に関しては、楽器のカテゴリーが超細分化されているのが特徴的です。電子楽器/鍵盤楽器に関しては、「AKAI MPC」「テルミン」など非常にマニアックな分類がされていますね。まあテルミン持ってる人でリサイクルショップに売る人はまずいないと思うけど。。
あと、各楽器の概要を解説する「説明文」には明らかに誤った記述がいくつか散見されます。ちょっと例を挙げてみましょう。以下は総合サイトからたどっていった先にある記述です。
リンク→高く売れるドットコム(総合サイト)
MPC 高価買取中
高く売れるドットコムでは、MPCの完全無料査定を行なっております。 (中略)
MPCについて
MPCは、Media Player Classicの略で、マイクロソフトで使われているwindows media player6.4によく似たインターフェースを持ちながら、独自の機能を上乗せしたオープンソースのメディアプレーヤーです。(中略)最近のwindows7などにはwindows media player9が入っていることが多く、これにはDVDを再生できるコーデックも入っているので、MPCを使う場面はだんだん少なくなってきています。
<楽器 買取 » DTM-DAW 買取 » MPC 買取 より引用>
サムネイルにはAKAI MPC(→ハードウェア・サンプラー)の画像が使われているのに、MPCの説明文はいわゆるフリーソフトの内容になっています。これは全く知らない人が適当にググって、おそらくその中身をコピペしただけなのでしょう。このような壮絶な勘違いはお店の信用を落とすだけなので速やかに修正(それが無理なら削除)した方がよいでしょう。本当にフリーソフトを高価買取してくれるのならばうれしいんだけど。。
もう一つ挙げてみましょう。今度は「電子オルガン」についての説明文です。
電子オルガンについて
電子オルガンはパイプオルガンに由来する楽器である。歴史は意外にも長く、19世紀初めごろには開発されていた。このころから教会などでパイプオルガンの代わりに電子オルガンが使われるようになった。(後略)
<楽器 買取 » 電子オルガン 買取 より引用>
嘘つけ!!(笑) 19世紀初めといえば1801~1810年頃の年代ですよ。パイプオルガンの代用として “電子オルガン”が一般に広まったのはおおむね20世紀半ば頃のことです。
まあこんな感じの誤った情報が他にもいくつか書かれていますので、時間のある方は目を通してみるのもいいかもしれません。
楽器買取専用サイトの説明文は全体的に若干まともですね。でも「エレクトリックピアノ」(→Rhodes Mark Vのサムネイル画像が使われている)の記述はちょっとおかしいです。。
エレクトリックピアノについて
ピアノをやってみたい、習いたい、教養の一つとして子どもや孫に、と思っている方は多いと思いますが、自宅にピアノが必要となると無理かしらとあきらめてしまう方もいると思います。ピアノは大型の楽器で値段も高く、設置場所や調律などの維持費も高くなります。そこでおススメなのがエレクトリックピアノです。
エレクトリックピアノと言っても、シンセサイザーなどの他の鍵盤電子楽器のように、あくまで「ピアノ」と言う音がでますという点とは違います。ピアノの音を自由自在に出す事ができ、それでいてピアノより価格が安く場所もとらない、それに加えてピアノの最高潮時の音を音源と使っているので、常に良い音を出し続ける事ができるという画期的な楽器です。また、自宅でも設置場所に困らず、使わない時は簡単に収納ができ、必要に応じて場所を移動することもできます。アフターメンテの点でも、エレクトリックピアノの音源は電気構造なので、基盤の簡単なチェックで調律もでき、エレクトリックピアノメーカーに依頼すれば、手入れや修理が簡単に済みます。
<楽器買取専門店楽器高く売れるドットコム » 楽器の買取品目一覧 » エレクトリックピアノ 買取 より引用>
この説明文の内容はどちらかというと “電子(エレクトロニック)ピアノ”ですね。まあ電子ピアノも広義の電気(エレクトリック)ピアノと言えますが、サムネにRhodesを貼り付けている以上、訂正しておいた方がいいと思いますよ。
あと、内容自体もちょっとというかかなり変(ナンセンス)です。“ピアノの最高潮時の音”って何すか? “基盤の簡単なチェックで調律もでき”ってどゆこと?? メーカーに依頼すればお手入れに来てくれるの???
個人的かんそう
口コミでは『すごくいい対応!買取額も高額だったのでうれしい』という肯定的な意見ばかりが集まるサイトもあれば、『最悪!もう二度と利用しない』という意見が集中するサイトもあったりして、中間の評価がとても少ない印象です。どの口コミを参考にしたらよいかは非常に難しい感じですね。
まあ「査定額が低すぎる」ということで低評価を与えている人も多く見受けられるのですが、実際のところ総合リサイクルショップに高額査定を期待するのは難しいところだと思いますよ(たとえ店名に “高く売れる”と書かれていたとしても)。。あくまで僕個人の見解ですが。
個人的には、(主観や偏りや誤りが見られる)上記のような楽器説明文からして、利用にはちょっと慎重になった方がいいという感想です。「大切な楽器を売るに当たってちゃんと査定して欲しい」という人は、ちゃんとした査定員のいる専門店に依頼した方がいいと思います。ただし「家財道具を急ぎでまとめて処分したい」という人にとってはこういった業者の利用もアリかもしれません。