【Vol.8】KORG SGproX ~イコライザー付ステージ・ピアノ[1997年頃]
2018/11/21
今回は、僕が現在でも実家で使い続けているステージピアノ、KORG SGproXを紹介してみます。発売は1997年、当時の定価は220,000円。同社のステージピアノの伝統「SG」を冠した、当時としては最高峰のステージピアノ・モデルとして発売されました。
購入のきっかけ
今からかれこれ20年近く頃、とあるバンドのボーカリストさんから、ライブで2曲だけサポートしてほしいとお声が掛かりました。その曲だけピアノと唄だけでやりたいとのこと。光栄です。
当時そのバンドはメジャーデビューを控えていて、アマチュアとして最後のホールツアー(!)で、地元公演・1会場2曲だけのゲスト演奏になるとのこと。当時若くてステージ経験もそれほど多くなく、なおかつ緊張しいの僕ですよ。
「気楽にやってもらっていいから。リハーサルも本番前2回くらいでいいよね?」なんて言われても。。
これが緊張するなという方がおかしい ( ̄_ ̄ i)タラーリ
その頃はちょうど電子ピアノ1台もない時期で、
「こりゃいかん!」
と思い、気合を入れ急きょローンを組んだのがこのピアノ。とりあえずステージで使うというのが目的なので、現場の音作りに対応しやすい5バンドEQ(イコライザー)が搭載されているというのが決め手でした。
SGproX/(株)コルグ 雑誌広告より画像引用
音・タッチの個人的感想
ピアノ音色はKORGっぽい硬質な響きです。中でも「A01 Concert」はよく使いましたね。デジタルっぽくもあるんだけど、それ故ロックな楽曲にはマッチしやすいです。当時加入していたB'zコピバンでは、のちに僕の絶対的機材(笑)として大活躍することになります。また「A03 Dance」はくっきりとした輪郭のキャラクターで、これまたロックなコード回しでよく使いました。
個人的に多用したセッティングは、音色を「A01 Concert」にして、5バンドのイコライザーの「MID LOW」を少し落とし、「MID HIGH」を上げるというもの。いわゆるドンシャリ(※1)系です。ライブだと本機の中低域はちょっと目立つ(→若干出過ぎ)みたいなので、その場で音質補正ができるのは便利でした。
同モデルの先代にあたるマスター・ピアノ「SG-1D」(1986年)では3バンドのイコライザーだったので、SGproXではより音補正が細かくできるようになったという感じですね。
鍵盤タッチ(物理的タッチ)は、YAMAHAのデジタルピアノに慣れていたというのもありますが、若干軽くて浅いかなと感じました。この部分は好みによるところも多いのですが、決して悪くはなかったです。欲を言えば、タッチ・センス・カーブがパネル上ですぐに変化できればもっといいのになと。。あと、外部音源をMIDIコントロールするマスターキーボードの機能も一通りそろってます。この辺りも「SG-1D」の基本仕様を受け継いでいる感じですね。
運命のライブの顛末(笑)
でもってライブ本番はド緊張のテンパりまくりでもって、音色をエレピにするつもりが生ピアノの音色でやってしまいました。とはいえそれ以外の大きなミスはなく、無事弾き切ったのを覚えています。いやいや、音色間違いは重大ミスだろ俺。。
つぶやき的な
このKORGピアノ、もちろんとっくの昔に生産終了になっているのですが、今でもまれにプロミュージシャンが使っているのを見かけますね。そんな思い出もあり、僕の機材としては珍しく手放さないで残っています(→実家の夜間練習用ピアノとして)
あと言い忘れましたが、本機のLCD画面(および表示される文字)は大きくて、バックライト付きということもあり、ライブでは見やすくて非常に重宝しました。
関連記事(コルグSGシリーズ):
「KORG SG-1D/SG-1 ~80年代の定番デジタル・ピアノ[1986年]」
「KORG New SG-1D ~SG-1Dのメモリー容量が5倍に![1987年]」
「KORG SG-Rack ~デジタルピアノSG proXが1Uラックになったよ[1997年]」
---
※1 ドンシャリ・・・重低音と高音を強調した音のこと。メリハリのある大胆な音になるが、極端にかけると耳が痛く、耳障りに聞こえることも。
仕様
■鍵盤数:88(ウェイテッド鍵盤)
■最大同時発音数:64
■パフォーマンス・メモリー:64
■8アサイナブル・コントローラー搭載
■外形寸法:1322(W)×139.7(H)×392(D)mm
■重量:23.8kg
■発売当時の価格:220,000円
■発売開始年:1997年頃