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ヒント集 音楽

シンセサイザーの「アフタータッチ」機能について ~現行シンセの対応表も記してみた

2019/03/09

 

 

 今回はシンセサイザーのアフタータッチについてのお話をしてみたいと思います。そもそも『アフタータッチとは何ぞ?』と思った貴方、正解は概ね以下みたいな感じです。

 「鍵盤を押した後、さらに強く力を入れて押し込むことで音に変化をつける機能のこと」
 
 
 ピアノ畑の方にはピンとこないかもしれませんが、現在でも一部のハイエンドモデルのシンセサイザー(およびエレクトーン)に採用されている機能なので、電子楽器に慣れている人は知っているかもですね。MIDI規定当初からMIDIが備えている機能の一つであり、鍵盤を強く押し込むことによってコントロールデータが送信される仕組みとなっています。
 
 
 

アフタータッチ、どんなメリットがあるの?

 でこの機能、何故あるのかというと、弾いている方の別の手を使わず音変化がつけられるのが大きな利点だと考えます。
 
 
 分かりにくいですか? ええと例えば、、「右手でフレーズを弾いてて、左手でモジュレーションを掛けたいのだけど、左手も別のフレーズを弾いているためモジュレーションホイールを操作できない」こういったケースで、アフタータッチを使えば(=鍵盤を押し込めば)、右手だけでモジュレーションを掛けることが可能です。こうすることで空いた左手では別のコントロール(ベンド操作とか)もできるようになり、演奏の幅が広がるといった次第です。
 
 
 上記例ではモジュレーション(→LFO。周期的なゆらぎのこと)を割り当てていますが、どのような音の変化を加えるかはシンセサイザーの仕様および設定次第です。機種が対応しているかによりますが、ビブラート(→音程のモジュレーション)やトレモロ(→音量のモジュレーション)といったモジュレーション系以外でも、音程を変化させたり音量をアップしたりといったことができるものもあります。
 
 
 なお、モジュレーション効果やプラスアルファの音量などが欲しい時、足元(エクスプレッションペダル)でコントロールするという手法もありますが、アフタータッチの方がよりとっさに対応できるのがいいですね。ただし変化量の加減のしやすさで考えるとペダルの方がよい場合もあるので、シチュエーションに応じて使い分けができると上級者っぽいです(笑)
 
 
 

2種類あるアフタータッチ

アフタータッチはMIDIの一機能として定義されており、以下の2種類が定められています。

・「モノフォニックアフタータッチ(チャンネルプレッシャー)」
  そのMIDIチャンネル全体に共通の信号として出力。

・「ポリフォニックアフタータッチ(キープレッシャー)」
  各鍵盤ごとの独立した圧力を個別に出力。

 
 モノフォニックアフタータッチは、たとえば『ドミソ』の和音を弾いた場合、「ド」「ミ」「ソ」それぞれに押している圧力が違うが、メーカによってその代表値のデータを取り出しこれをプレッシャー値として送るため、「ドミソ」全ての音に同じ効果がかかります。
 
 
 ポリフォニックアフタータッチは、「ドミソ」の和音を押さえた場合、各鍵盤のプレッシャー値はそれぞれ独立して送られます。モノフォニックアフタータッチより表現力が高いといえるのですが、全てのキーに独立した圧力センサーを持つことが必要であり、処理にも負担がかかるため対応していないキーボードや音源も多いです。
 
 
 そんな感じで若干小難しい話になってしまいましたが、基本的な動作を覚えておけば、演奏にも大いに役立つ日が来るかもしれません。お手持ちのシンセがアフタータッチに対応しているかどうかはカタログや取扱説明書に必ず書かれていることなので、活用を考えている方はそんなところも読み込んでみてください。

 

 

 

おまけ

 2017年末現在の、国内3大シンセメーカーの主要製品におけるアフタータッチ対応表を作ってみましたのでご参考までに。カテゴリーとしてはステージピアノとシンセサイザーです。物理押し込みによるアフタータッチ対応のもののみを○としました。
 

YAMAHA

  アフタータッチ対応
CP4/CP40 STAGE ×
MONTAGE(6/7/8)
MX49/61/88 ×
MOXF6/8 ×
reface(CP/YC/DX/CS) ×

 

Roland

  アフタータッチ対応
Roland RD-2000 ×
FA-06/FA-07/FA-08 × ★1
JUNO-DS × ★1

 

KORG

  アフタータッチ対応
GRANDSTAGE(73/88) ×
KRONOS(KRONOS2-61/73/88) ○ ★2
KROME(61/73/88) ×
KROSS2(61/88) ×

 

★1 …ただしペダル、ホイール、つまみ、スライダーにアフタータッチが割り当てられているケースでのMIDI送信には対応
★2 …ただしKRONOS2-88LSは鍵盤押し込みによるアフタータッチは非対応(MIDIによるアフタータッチ送信には対応)
 
 
 

おまけの所感

 YAMAHAとKORGの高級シンセモデルのみが対応という感じですね。かつて多く出回っていたピアノタッチMIDIマスターキーボードは、現在はステージピアノ(ヤマハCP、ローランドRDなど)に取って代わられたという印象です。
 
 
 そして、マスターキーボード機能を兼ねた仕様をステージピアノにも持たせるという発想は、今の時代ではあまり流行らないということなのでしょう。まあ今どきハードウェア音源モジュールなんてそもそもほぼ出回ってないし、愛用者も少なくなっていることから致し方ないところでしょう。
 
 
 アフタータッチに対応している現代の一部のモデルにおいても、80年代の機材みたいに『アフタータッチにも対応!(ドヤ)』などと大々的にカタログマニュアルで書かれているわけではなく、『高級モデルなんで一応付けるには付けときましたけど…』的なニュアンスが見え隠れします。うーん、ちょっと寂しい感じですね。。

 

 

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