ツイン・キーボードについて考える
2018/11/24
アマチュアのライブで、ギタリストが2人いることはよくありますが、キーボーディストが2人いることは極めてまれです。今回は、そのちょっとレアな「ツイン・キーボード」についてお話してみたいと思います。
結論から言うと、ツイン・キーボードのバンドは相当楽しいです。“自分以外の人のキーボード演奏の音が聴こえていて、自分もキーボードとしてその音の輪に加われる”みたいな喜びです。至極当たり前のことを言ってますが(笑)、個人的にはその通りなのです。
そうはいってもバンドでツイン・キーボード体制を実現するにはいくつかハードルがあります。
キーボーディスト、そもそも絶対数が少ない問題
鍵盤を弾く人はそもそも少ないというこの悲しい現実。。
せっかくバンドに加入してくれる話になったとしても、「私、幼稚園からクラシックを習ってきました。基本的にピアノしか弾けません。できれば楽譜が出ている曲だけでお願いします」というケースもなきにしもあらず。。そういった際は、2人目のキーボーディストはバンマスのようにオケ全体を見渡し、アレンジを構成し直すセンスを問われることも。
キーボード・セッティング問題
キーボードは横幅を取りがちなため、アマチュアミュージシャンが行う小さいライブホールのステージでは、スペース確保的に難しかったりします。2人ともL字型セッティングできるような広さがあれば理想的なのですが。。
そもそも練習スタジオからしてそんなに広い部屋があるとは限らないので、音合わせ以前に環境を整える必要があります。(例:広い部屋のあるスタジオを探す。できれば駐車場があるところ、できれば安いところ、音がいいところ etc.)
プロではたまに見かけるのだけど!
上記などの理由からアマチュアだと導入しにくいツイン・キーボードですが、主にホールライブツアーを行うプロミュージシャンには、サポート・キーボーディストとして2人いることが多いですね。特にポップス系ソロ歌手でよく見かけるかな。その場合、大体の役割分担が決まっています。
①ピアノ系(生ピアノ、エレクトリックピアノ)
②オルガン/シンセ系
サポート・ミュージシャンにも「ピアノ演奏に長けている人」、「オルガンが得意な人」、「シンセ使いが達者な人」など色々なタイプのプレーヤーがいるため、このように分担しているものと推測されます。何でもできる人もいるけど。
個人的思い出的な
以前Dreams Come True(以下ドリカム)のコピバンに参加した際、余りにも多いシンセの音色数に精神崩壊し、断腸の思いで音色を省くことになりました。こんな時、ツイン・キーボードだったらほぼ完ぺきに再現可能なのになぁ。。と。
実際、昨年参加させてもらった東京のドリカムセッションではトリプル・キーボードで臨んだ曲もありました。
関連記事:「ドリカムセッション行ってきた! ~鍵盤的ドリコピ回顧録」
音色数が多いと、上下2台の鍵盤で、右手→オルガン、左手→ピアノ などというケースも出てきたりします(→どちらの音色もオケを構成する上で絶対不可欠!と判断した場合)。
ピアノとオルガンは見た目こそ似ていますが、奏法としてはかなり異なるため、全く別の楽器といってもいいくらいです。上記の場合だと、片手はオルガン脳、もう一方の手はピアノ脳で弾かなければならず、これが非常に難しいのですわ。
まとめ的な
音色数が多いということは、演奏中の音色チェンジ操作等にもエネルギーを使うので、演奏自体に集中しにくいという側面もあります。こんな時、もう一人キーボードの音を出してくれる人が居たらどんなに助かることか。。
というわけで、ツイン・キーボードのバンドに参加できる機会がある人は、ものは試しに一度参加してみて下さい。オケの彩りも増え、楽しいこと請け合いですよ。