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HAMMOND 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.368】HAMMOND XPK-100/XPK-130G ~1オクターブのお手軽?足鍵盤

2018/11/28

 

 

 今回はハモンドスズキのMIDIサウンドペダルボード・「XPK-100」および「XPK-130G」の2機種を紹介してみたいと思います。“MIDIサウンドペダルボード”というのはいわゆる「足鍵盤」のことですね。主にオルガンのベース音を弾く際に使います。
 
 
 生粋のオルガニストさんだったら2段鍵盤+この足鍵盤を使って演奏することが多いのですが、以前本ブログの「“自分以外が” 鍵盤音を演奏する5つのアイデア ~手が足りない!時に」でもちらっと紹介したように、オルガンの他にもシンセとかにつなげて足で音源を奏でることもできるのです。
 
 
 『足鍵盤っていえばエレクトーンか教会のオルガンとかだけでしょ?』という先入観はとりあえず横に置いといて、どういったことができるかなどを簡単に記してみたいと思います。

 

XPK-100

HAMMOND XPK-100

 

概要

 13鍵仕様のMIDIペダル・ボード。発売時期はおおよそ90年代末頃。発売当初の定価は42,500円でした。現在(2018年3月)では生産完了品となっています。音源は搭載しておらず、純粋なMIDIコントローラーといったところです。
 
 
 当時のHAMMONDの1段コンボオルガン(XK-2、XK-3など)の他、いわゆるホームオルガンであるXE-1にも対応。前述のオルガンの拡張用としてはもちろん、ごく一般的なシンセサイザーやキーボード(※マルチティンバーなものに限る)でも使用が可能です。足鍵盤部はベロシティにも対応。
 
 
 

5つのプッシュスイッチおよびメモリー機能

 本体には、アサイナブルな「コントロール・プッシュスイッチ」を5つ搭載。これらはギタリストがよく使うマルチエフェクトのスイッチャーのように、あらかじめ割り当てておいた様々な設定を呼び出すことができます。
 
 
 MIDIチャンネルやオクターブは自由に変更でき、15個までをメモリーすることが可能。ここではボリュームやプログラムチェンジなどの情報も記憶されるので、両手がふさがっているケースにおいても足での音色チェンジができるようになります。
 
 
 

MIDIマージ機能

 本機のMIDI端子は「MIDI IN1/IN2/OUT」となっていて、複数のMIDI INの信号をオーディオ信号のミキサーのように1つのMIDI OUTにまとめる、いわゆるMIDIマージャーの機能も持っています。
 
 
 これにより、例えば他社のMIDIキーボード×2台(のMIDI OUT)と、本機XPK-100のMIDI IN1とIN2につなぎ、さらに本機のMIDI OUTを同社のオルガンモジュールHAMMOND XM-2(のMIDI IN)につなげると、“上下足”の音源を別々に奏でることが可能になります。
 
 
 うーん、ちょっと分かりにくいですか?? 要するにこのMIDIマージ機能によって、オルガン音源モジュール1台のみで 2段鍵盤+ペダル鍵盤を実現できるということですね。
 
 関連記事:「HAMMOND XM-2 ~お手頃ハモンド」 
 
 

仕様(XPK-100)
■鍵盤:13鍵ペダル鍵盤(ベロシティ対応)
■ディスプレイ:7セグメントLED×3桁
■スイッチ:5プッシュスイッチ(CONTROL、TRANSPOSE/LOCK、PRESET/EDIT NUMBER UPおよびDOWN、PLAY/EDIT)
■メモリー:15プログラム
■外形寸法:560(W)×130(H)×390(D)mm
■重量:8.5kg(本体のみ)
■発売当時の価格:42,500円
■発売年:1990年代末頃

 

 

 

XPK-130G

HAMMOND XPK-130G

 
 XPK-100のリニューアルモデル。こちらは2018年3月現在、現行製品となっています。価格はオープンプライス。
 
 ベロシティ対応の13鍵ということで、基本仕様および見た目はXPK-100と近い印象ですね。いやいや、本機では音源を内蔵しており、外部のMIDI音源が無くてもベース楽器として単体で演奏することが可能となっています。これは大きな変化点と言えますね。
 
 
 

内蔵音色

以下5音色(本機ではこれら音色のことをVOICEと呼びます)。

・ELECTRIC ORGAN
・PIPE ORGAN
・SYNTHESIZER BASS
・FINGERED BASS
・UPRIGHT BASS

 
 XPK-130G単体でベース楽器として演奏することが可能なので、MIDIケーブル接続やMIDIチャンネル設定をすることなくそのままオーディオ・アウトで出力することもできますね。もちろんMIDIでつないで、他マルチティンバーのシンセの特定チャンネル(の音源)を鳴らすことも可能です。
 
 
 

操作系について

 XPK-100にあったLED(7セグメント×3桁)やプッシュスイッチは排され、パネルトップは非常にシンプルなものに変更されました。まあこれによって若干の軽量化を果たしているのですが、見た目ずいぶんそっけなくなった印象ですね。。なお端子類やパラメーターつまみなどはリアパネルに集約されています。
 
 
このつまみですが、内蔵VOICEを色々と変化させるパラメーターが結構揃ってるんですよね。

VOLUMEつまみ …通常の音量つまみ。まあこれは普通。
CUTOFFつまみ …音色のカットオフ・フリケンシーを調整可能。これはいわゆる(シンセにおける)フィルターですね! ちなみにレゾナンスはありません。
RELEASEつまみ …鍵盤を離した後の減衰時間(→リリース・レイト)を調整可能。つまみをあげるといわゆるロング・リリースになります。

 
 オルガン専用と考えたらCUTOFFやRELEASEなんてちょっとナンセンスとも言えますよね! 音作りに関してちょっと面白いアプローチができるようになっており、この辺りも前モデルのXPK-100からの進化?ポイントと言えるかも。
 

 

 

個人的まとめ

 そんな感じで、両手が埋まっている時に “もうひとメロディ欲しい!”と感じるケースではこういった足鍵盤を導入するのもいいかもしれませんよ。もちろんより本格的なオルガン演奏や、バンドにベーシストがいないケースでもこういった機器の導入を検討してもよいのかな、と思ったりします。
 
 

仕様(XPK-130G)
■鍵盤:13鍵ペダル鍵盤(ベロシティ対応)
■音源:バーチャルアナログ音源(モノフォニック、24bit 32kHz)
■内蔵音色:5音色(ELECTRIC ORGAN、PIPE ORGAN、SYNTHESIZER BASS、FINGERED BASS、UPRIGHT BASS)
■コントロール:VOICE、VOLUME、CUTOFF、RELEASE
■外形寸法:560(W)×105(H)×400(D)mm
■重量:7.7kg
■価格:オープンプライス

 

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