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CASIO 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.198】CASIO カシオトーン CT-701 ~付属スキャナで楽譜を読み取れ![1981年]

2018/11/25

 

 

 今回はカシオ計算機の「CT-701(カシオトーン 701)」というキーボードを紹介してみたいと思います。発売は1981年、発売時の価格は148,000円でした。
 
 
 以前本ブログでも紹介したキーボード「YAMAHA ポータサウンド MP-1」は楽譜が印刷できる機能が付いていましたが、このカシオトーンではなんとハンディ・スキャナが標準装備されていて、専用のバーコード楽譜をなぞって演奏を記憶するという、かなり画期的な機能を備えていました。本機のキャッチコピーは『楽器が頭脳を持った。弾けない人も楽しめる本格派電子キーボード』。うーん、どの辺が頭脳なのかよく分かりません(メモリー機能のことなのだろうか??)


CASIO カシオトーン 701(浜松市楽器博物館)
CASIO カシオトーン CT-701 ※浜松市楽器博物館にて撮影
 
 
 

CT-701概要

 世界初となる「バーコード読み取り機能」を搭載。これはバーコード化された専用楽譜を、付属の専用ハンディスキャナでスキャンするだけで曲がメモリーできるというものでした。
 
 
 一旦メモリーされた曲は、スタートキーを押すだけで曲を演奏する自動演奏機能を搭載。またメモリーされている曲に合わせて、鍵盤上部に配置されているランプが光り、次に押さえるべき鍵盤をガイドしてくれたりもします。
 

CASIO カシオトーン CT-701(advertisement)
カシオトーン CT-701/カシオ計算機(株) 雑誌広告より画像引用
 
 
 

メモリー機能について

 前述したように、バーコード化された専用楽譜を、付属のハンディスキャナ(→本機ではこれを “ミュージック・セッター”と呼んでいた)でスキャンするだけで曲がメモリーできるというのが本機最大の目玉機能ですね。このメモリー方法を「MSメモリー」と言います。
 
 
 これとは別に、鍵盤と5種類のプログラムキーでメモリーする方法を「マニュアルメモリー」と言います。これにより自分の好きな曲やオリジナルで作った曲なども自由にメモリー可能となります。
 
 
 

プリセットについて

 内蔵音色は、ピアノ、パイプオルガン、フルート、ビブラフォンなど全20種類。パネル上に10個の音色ボタンがあり、SELECTボタンを押すことによってバンクが切り替わります(10音色×2)
 
 
 内蔵リズムは、ロック、ボサノバ、ワルツなど全16種搭載。こちらも8個のリズムボタン×2バンクといった感じですね。また指1本でアルペジオも弾ける自動伴奏機能も装備しています。
 
 
 あと前年に発売されたCT-401譲りの、カシオ独自の自動伴奏システム(→カシオ・コード)も装備しており、初心者でも本格的な伴奏を付けた演奏を気軽に楽しめるといった感じですね。

 

 

 

光による演奏ガイド機能について

 意外と知られていませんが、次に押さえるべき鍵盤を光で知らせて演奏者を手助けしてくれる機能というのは、本機で初めて採用されました(→本機では “メロディガイド”と呼ばれている)。もっとも、初期の「光るキーボード」は鍵盤自体が光るわけではなく、鍵盤の上部にあるインジケーターが光るようになっているため、現在のそれよりも若干分かりにくい感じですね。
 
 本機に限ったことではありませんが、こういった “とりあえず楽譜が読めない人”にとって、このガイド機能ははじめのうちは結構重宝すると思います。
 
 
 関連記事:「CASIO LK-123/LK-223 ~鍵盤が光るキーボード!
 
 
 

外観

 鍵盤部はレギュラースケール(→ミニ鍵盤ではない)の61鍵仕様。CT-201でも見られたように、スピーカー(×1)も内蔵しているのですぐに音が出せます。外部出力は、やはりこの時代に多く見られたHigh/Lowの個別アウトプット端子が装備されています。
 
 
 カラーリングはブラックとウォールナット(いわゆる木目)の2色展開ですが、中古市場で目にするのは圧倒的に木目の方ですね。当時は木目の方がセールス的によかったのでしょうか。。
 
 
 

つぶやき的な

 バーコードスキャナーが日本のコンビニで採用されるようになったのが1984年頃と言われていて、それよりもずっと早く電子楽器の分野で採用されたという、驚きというか非常に興味深い機種ですね。。
 
 
 ちなみに、これも東京・世田谷にある「樫尾俊雄 発明記念館」で実機が展示されてるっぽいんですよねー(常設なのかは未確認ですが)。演奏よりもスキャナでバーコード読み取りのくだりやってみたいすわ(笑)
 
 
 
 関連記事(カシオトーン):
  「CASIO カシオトーン CT-201 ~1980年発売のカシオトーン第1号機
 

仕様
■鍵盤:61鍵
■最大同時発音数:8音
■プリセット:トーン20種類、リズム16種類
■メモリー機能:MS(ミュージックセッター)メモリー、マニュアルメモリー
■エフェクト:ビブラート×4、サスティン
■内蔵スピーカー:×1
■外形寸法:958(W)×127.5(H)×341.5(D)mm
■重量:12.5kg
■発売当時の価格:148,000円
■発売開始年:1981年

 

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