【Vol.47】KAWAI MX-8SR ~ラックマウント・ミキサーのベストセラー[1989年]
2018/11/24
今回ご紹介する機材は、KAWAIの2Uラックマウント・ミキサー「MX-8SR」です。発売は1989年ですが、1996年頃まで販売されたロングセラー機でもあります。僕も自宅用ミキサーとして、テレビとかビデオとかも含めたオーディオ信号をまとめるのに非常に便利に使っていました。
仕様は?
2Uラックサイズのキーボード・ミキサーであり、8チャンネル各々がステレオ入力となっています。なので実質16チャンネル・ミキサーとして機能しますね。
各チャンネルごとにPAN POTも備えていたので、各機材の定位をL・Rに振れば、今どきのステレオ・アウトの楽器を8台まで一括(ステレオ)管理できるということであります。
なおch1、2はマイク入力にも対応。エフェクト・センドおよびリターンは2系統で、通常のPHONEアウトの他にXLRアウトも装備しています。
1~2U程度のラック・マウント・タイプのミキサーは、チャンネルごとのレベルを変えるのに「ツマミ」で行うことが多いのですが、本機はスライダーを採用しています。限られた縦スペースなのでストロークは長くないですが、一発で各チャンネルがどのレベルにあるかを視認できたので、個人的に非常に重宝しました。
KAWAI MX-8SR/(株)河合楽器製作所 雑誌広告より画像引用
ミキサーの寿命
僕が保有していたMX-8SRですが、さすがに15年使い続けたくらいでノイズ(ガリ)がひどく乗るようになり、自分で分解して接点を洗浄しました。こういったタイプのミキサーは他にはなかなか無く貴重なので、できるだけ延命させてあげようと、素人ながらネット等で調べてオーバーホールしてみた次第です。
結果としては、一時的には確かにノイズ(ガリ)は消えました。が、数ヶ月するとまたノイズが乗るように。接点洗浄剤の効き目は実感できたのですが、やっぱり素人が音響機器の完全修理をするには無理があったのかもしれません。そんなわけで本機はつい最近処分しました。長い間ありがとうねー。
接点洗浄剤の個人的なお勧めはサンハヤト社製のもの。一般に「接点復活剤」として販売されているものは、吹いたあとに成分が残ってしまうものも多いのでちょっとパス。下記のRC-S201の主成分はアルコールなので、すぐに乾くし後残りもありません。安いし。
余談的な
本機の誕生前には「MX-8R」という前身ミキサーがありました(→1986年発売・49,800円)。同じく2Uラック・マウントタイプの8chステレオ入力でしたが、パネルトップのデザインがちょっと異なります。
またMX-8Rでは、“1 IN 3 THRU”のMIDIスルー・ボックスも装備していたのが特徴です。「MX-8SR」では価格が6,000円上がったのにこのMIDIスルー・ボックスは省略されているんですよね。何故なのでしょう。。
関連記事:「KAWAI MX-8R ~MIDIスルー・ボックスも内蔵した8chミキサー[1986年]」
仕様(MX-8SR)
■INPUT:8chステレオ(16chモノラル入力)
■OUTPUT:2ch
■EFFECT1:(POST)RETURN×2、SEND×2
■EFFECT2:(POST)RETURN×2、SEND×1
■コントロール:GAIN(1~2ch)L/M/H
PANPOT×8
EFFECT1 VOLUME×8
EFFECT2 VOLUME×8
CHANNEL FADER×8
MASTER FADER×2
■外形寸法:482(W) x 88(H) x 230(D) mm
■重量:4.0kg
■発売当時の価格:56,000円(税別)
■発売開始年:1989年