1970~80年代'' YAMAHA 楽器・機材【Vol.〇〇】
【Vol.40】YAMAHA DX7II Centennial ~ヤマハ100周年記念・“幻のDX7” [1987年]
2018/11/23
今回ご紹介するシンセサイザーは、知る人ぞ知る、YAMAHAの「DX7II Centennial(センテニアル)」。これは1987年に、ヤマハ創業100周年を記念して100台限定で販売されたプレミアム・シンセサイザーです。“幻のDX7”と言われることもあります。
中身は特別な回路等を使っているわけではないのですが、30年経った今見てもちょっとインパクトのある外観ですね! どのようなものだったかちょっと見てみましょう。
特徴
ゴールドスイッチ、ゴールドホイール、ゴールドスライダー!
スイッチ(46個)およびホイール(2基)、スライダー(3個)は金メッキが施されています。(なお、今日市場に出回っているものは一部メッキが剥がれてしまっているものが多い)
あと、あまり目立ちませんが、鍵盤の右端上には「Limited Centennial Edition 1887〜1987」と表記されています。
中身(音)は?
中身はDX7II-FD(61鍵盤)であり、実質的にそれの76鍵盤バージョンです。
蓄光鍵盤採用!
白鍵は明るい時に光を蓄え、暗くなったら薄緑色に発光します。ただし蛍光塗料が塗ってあっただけなので、経年劣化により現在手に入るものはあまり発光しないものがほとんどだそうですね。
デザインは?
パネルレイアウトはほぼDX7II-FDと同じですが、76鍵なので “スイッチが詰め込まれてる感”はなく、パネル上は割と広々としています。なお、同じくDXファミリー76鍵の「DX5」とはデザインが全く異なることから、この「DX7II Centennial」のためだけに新たに筐体設計を行ったと思われます。
価格は?
500,000円ポッキリでした!(※ちなみにDX7II-FDの当時の定価は298,000円)。498,000円にしなかったことが潔さを感じます。
DX7II Centennial/ヤマハ(株) 雑誌広告より画像引用
個人的つぶやき
これは僕も実機を見たことはないですね。DX7II-FDは61鍵だったので、「それと同じ操作感で76鍵がどうしても欲しい!」という人はもしかしたら購入対象となったかもしれません。というか、多数の人はレア感・プレミアム感先行で購入したのでしょう。。そもそも50万円は庶民にはなかなか手が出ない。
どうせならば 百式みたいにほぼゴールドにしてしまってもよかったかも。。でもそこを踏みとどまったのはヤマハさんのセンスの良さだったかもしれません(笑)
【2017/5/29追記】
2017年5月23日放送のTV番組『マツコの知らない世界・駅メロの世界』にて、“駅メロの再現演奏用キーボード”として本機が使用されていました。出演者の松澤健さんは「150曲以上の駅メロを完全再現するサラリーマン」ということでしたが、駅メロ動画の世界(?)では結構な有名人だったみたいですね。
都心の駅メロの音色がFM音源だけでほぼ再現できる、というのも目からうろこでしたが、収録スタジオに「DX7II Centennial」という30年前の激レアシンセを持参する辺りはただ者ではないですね(笑)。楽器メーカー勤務ということで、ひょっとしたヤマハの方なのかもしれません。
松澤さん「今度『マツコの知らない世界』に出るので、社内にある状態のいいDX7借りてっていいですか?」
上司 『いーよいーよ、どうせだったらCentennial持っていきなよ。宣伝にもなるし』
みたいなやり取りがされていたのかも(笑)
上記の余談
上記番組の放送直後、本ブログの記事別アクセス履歴が、本記事のみでほぼ埋め尽くされるという事態になりました。ほとんどがGoogleなどからの検索によるもので、直後は「一体何が起こったのだろうか?」と悩むこと然り。。(→僕はリアルタイムで番組を見ておらず、後日ビデオで確認)
番組中では楽器(鍵盤)について触れることはなく、「DX7」「Centennial」などのキーワードも一切出てきませんでした。にもかかわらずこれだけ多くの人が機種名を探し当て検索されたというのが、個人的には一番の驚きだったりします。。
仕様
■鍵盤:76鍵(蓄光鍵盤採用)
■音源方式:FM(6オペレータ・32アルゴリズム)× A/B
■最大同時発音数:16音(シングルプレイ時)
■プリセット音色数:インターナルボイス:32× A/B、 パフォーマンス:32
■外形寸法:1206(W)×85.8(H)×333.7(D)mm
■重量:14.3kg
■発売当時の価格:500,000円
■発売年:1987年