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その他メーカー 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.291】VOCE MICRO BII ~オルガン音源モジュール・MICRO Bが進化![1994年]

2018/03/10

 今回ご紹介する機材は、VOCE(ヴォーチェ)のオルガン音源モジュール「MICRO BII」です。日本発売時の当初の価格は88,000円。発売は1994年末頃ですが、本機の約半年前には前身とも言えるMICRO B(以下初代機)が発売されたばかりであり、後継機というにはあまりにも早いタイミングでのリリースとなりました。

 

VOCE MICRO BII

 

 見た目も初代機と似ている真っ黒(?)のハーフラックサイズ・モジュール。ただし中身(およびコントローラーの一部)は様々な改良が加えられているみたいですね。なお基本仕様は初代機と共通点が多いので、ここでは相違点を中心に記してみたいと思います。必要に応じて初代機の方の記事も読んでみてください。
 
 関連記事:「VOCE MICRO B ~1Uハーフラックのオルガン音源モジュール[1994年]
 
 
 

概要

 ハモンドB3オルガンのサウンドをプリセットの中から即座に呼び出せる同社の「MICRO B」をベースに、ユーザーから寄せられた要望の数々を盛り込んだ、MICRO Bの改良版とも言えるハーフラック・オルガン音源モジュール。内蔵音色数はMICRO Bと同じく全36プリセットとなっています。
 
 
 

改良点

ボリューム・コントロールがMIDIコントロール・チェンジ対応に

 初代機にもMIDIは実装されていましたが、MIDIコントロール・チェンジ(の#7 MIDIボリューム情報)は無視されていたので、レベル調整にはアナログのボリューム・ペダルを使用する必要がありました。このMIDIボリューム対応により、シーケンスでの取り扱いが実用的になったと言えるでしょう。
 
 またロータリー・スピーカー、パーカッション、ビブラート/コーラス等をMIDIでコントロール・チェンジすることも可能となっています。
 
 

キー・クリックを2種類から選択可能

 初代MICRO Bでも再現されていたB3独特の(離鍵時の)キー・クリックのニュアンスが、ソフト/ハードの2種類から選択できるようになりました。これをソフトに設定すると鍵盤リリース時のクリックが低減し、特に速弾き時での(音楽的ではない)ノイズが出なくなるといった感じです。
 
 

エフェクトの組み合わせが可能に

 コーラス+ロータリースピーカーの組み合わせが3種類、ビブラート+ロータリースピーカーの組み合わせが3種類追加されました。
 
 初代機のエフェクトはビブラート3種、コーラス3種、あるいはRS(ロータリー・スピーカー・エフェクト)であり、その中からいずれか一つしか選ぶことができませんでした。IIではバージョンアップにより、コーラス+ロータリースピーカー、あるいはビブラート+ロータリースピーカーという組み合わせも可能になったということですね。
 
 
 なお初代機ではPERCUSSION DECAYは可変式のノブで制御していたのですが、IIでは押ボタン式のSLOW/FASTに変更されています。この辺りの操作感の変更は、ユーザーによって好みの差が出るかもしれません。
 
 
 

音色選択について

 オルガン音色は計36音色がプリセットで用意されています。マニュアル(→手動操作)の場合は1~22までで、フロントパネルに用意された「PRESETノブ」(セレクター)を回し、1~22のどれかを選び音色を選択します。残りの23~36は初代機同様MIDIプログラム・チェンジを使って呼び出さなくてはいけないということで、この辺りの仕様は変わっていないですね。。

 

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MIDI機能

 初代機同様3チャンネルによるマルチティンバー・モードを備えているので、アッパー/ロワー/ペダル(2段鍵盤+足鍵盤)という、本家ハモンドっぽいセッティングも可能です。
 
 
 

つぶやき的な

 (デジタル・オルガンモジュールにおいて)ロータリー効果にコーラス/ビブラートを組み合わせて掛けられるというのは、現代の感覚からすればあって当たり前的な仕様と捉えちゃったりして、むしろ初代機では「何でそれができないままリリースしちゃったの!?」と感じなくもないです(個人的所感)。まあ今から20年以上前のテクノロジーだし、仕方がなかったのかもしれません。
 
 
 ただし素晴らしいのが当時のVOCEの(対応の)スピード感。ユーザーからの「こういった部分を改良して欲しい」という声を敏感に察知しすくい上げ、わずか数ヶ月という短いスパンで改良版を出したというのはすごいと思います。今でこそ内部OSのバージョンアップによる機能向上というのは珍しくないのですが、本機ではハード設計も一部変わっているんですよね(→ノブが一つ減ってボタンが増えている)。
 
 
 そういった企業努力のせいなのかは不明ですが、本機MICRO BIIは2000年代半ばまで現行として発売され続けた(※1)ロングセラー機でもあります。ドローバーこそありませんが、現場のMIDIキーボードに手軽に接続してすぐに音が出せるという大メリットがあるので、本機のようなコンパクト・ハードウェアオルガン音源も捨てたもんじゃないと思うのです。
 
 
 関連記事:「VOCE MICRO B ~1Uハーフラックのオルガン音源モジュール[1994年]
 
 
 

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※1 …ただし日本の代理店が一時期VOCEの取り扱いを行っていなかった時代があり、2000年代に再上陸したという経緯がある。いわゆる “再上陸”時には価格もオープンプライスとなっている。

仕様
■最大同時発音数:32音
■エフェクト:コーラス、ビブラート、ロータリーの組み合わせ全15種(C1~C3、V1~V3、C1R~C3R、V1R~V3R、C3R2、R1~R2)
■コントロール(ノブ):
 ボリューム、オーバードライブ、キー・クリック、パーカッション・ボリューム、およびエフェクト、プリセット
■コントロール(プッシュ・ボタン):
 パーカッション・ディケイ[SLOW/FAST]、パーカッション・ハーモニック[2nd/3rd]、キー・クリック[SOFT/HARD]、ローター[SLOW/FAST]
■重量:約1.8kg(ACアダプタ除く)
■発売当時の価格:88,000円
■発売開始年:1994年末頃

 

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