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KURZWEIL 楽器・機材【Vol.〇〇】

【Vol.161】KURZWEIL K-1000(K1000)および姉妹機たち ~K1000ファミリー大騒ぎ

2018/02/16

 今回ご紹介する楽器は、KURZWEIL(カーツウェル)社の「K-1000」というキーボードです。1987年秋に発表され、翌年には日本にも上陸。なおカーツウェルの当時の日本代理店は(株)ハモンドスズキであり、国内発売時での定価(初値)は248,000円でした。

 

KURZWEIL K-1000(K1000)

 

 K-1000は、「K-250」の機能を、当時新開発の「VLSI【Very Large Scale Integration】」チップに詰め込み、K-250譲りのサウンドをハイ・コストパフォーマンスで実現したといった感じでした。なおK-250の記事は本ブログ内で別に書いてますので、よろしければご参考までに。
 
 
 関連記事:「KURZWEIL 250(K-250) ~S・ワンダー愛用のスーパー・キーボード
 
 
 

K-1000概要

 K-250の10分の1以下という低価格(※ただし日本販売時での価格比)で、K-250のリアルなサンプリング・サウンドを継承。24鍵ポリフォニック(一部サンプルは20音ポリ)機能を持ち、エディットもイージーに行えるプリセット・タイプのサンプリング・キーボードです。
 

KURZWEIL K-1000(advertisement)
KURZWEIL K-1000/(株)ハモンドスズキ 雑誌広告より画像引用

 
 
 

音源部について

 本機はいわゆるプリセット・タイプの鍵盤付きサンプラーであり、ユーザーが新たにサンプリングを行うことはできません。
 
 とはいえ内蔵のプリセット・プログラムは全115種類あり、これが当時としては非常にリアルで使いやすいという評判でした(→ちなみにユーザーがRAMに記憶させることができるプログラムは64種類まで)
 
 
 K-250での憧れだった、全鍵域でバランスよく鳴るリアルな “Grand Piano”や、生っぽい “Strings”音色群などが、この低価格でほぼ実現できたわけです。
 
 
 上記の115プログラムは今見れば何てことはない数字ですが、当時は「ユーザー・サンプリングができなくても、これだけのクオリティのプリセットが揃っていれば十分ではないか!」と称賛されたわけです。
 
 
 

外観について

 小さなLCD窓、2つの横スライダー、23個の小さなボタンという、極めてシンプルなパネル構成になっています。そして筐体左上部を大胆にカットした独特のデザインに仕上がっていますね。この “カットの角度”に合わせて、パネル上のスリットも斜めに配されています。
 
 
 なお鍵盤数は76鍵となっていて、一般的なシンセサイザーよりも若干ウェイトを付けた感じのタッチになっています。
 
 
 

エディットについて

 エディット・モードでは、一つのプログラムに1~4つまでの「レイヤー」があり、それぞれのレイヤーに素材とする音をアサインし、そのレイヤーに対してLFO、エンベロープ、エフェクトなどのパラメーターの設定を行ってプログラムを作っていきます。
 
 
 このレイヤーを組み合わせることにより、鍵盤スプリット/音色重ね、はたまたタッチによる音色変化(→ベロシティによるエンベロープ・コントロール)なども行うことが可能になっています。ちなみにK-1000にはいわゆる「フィルター部」は内蔵していません
 
 
 

内蔵エフェクトについて

 「コンパイルド・エフェクト」と「モジュラー・エフェクト」を備えています。
 
 前者は「レイヤー」の機能を使って、コーラス、トレモロ、ビブラート、レスリーなどのエフェクトをシミュレートします。
 
 後者は、Oberheim Matrix-12のようないわゆる「マトリックス・モジュレーション」みたいなものと言えばいいでしょうか。LFOやエンベロープ(ASR)などのソースに様々な変調(=modulation)を掛けることができます。
 
 
 

やたらあるK-1000の姉妹機たち

 本ブログ記事の主役・K1000のほかにも、様々な派生機種というか姉妹機が存在しました。僕の把握している範囲で恐縮ですがざっと挙げてみましょう。

<K-1000の機能を2Uラックに凝縮し、それぞれ別々のプリセット音色を持つ音源モジュール群。以下4機種>

1000 PX …汎用的な音色を120個プリセットしたもの。K-1000のラック版とも言える
1000 SX …ストリングス系の音色を中心に99個のプリセットを持つ
1000 HX …ホーン/ブラスを中心に75個のプリセットを持つ
1000 GX …ギター/ベースを中心に100個のプリセットを持つ

 

KURZWEIL 1000PX

1000PX

KURZWEIL 1000SX

1000SX

KURZWEIL 1000HX

1000HX

KURZWEIL 1000GX

1000GX

 これとはおまけに、「EGP【Ensemble Grand Piano】」という76鍵・スピーカー付きというモデルも存在しました。こちらはK-1000とほぼ同じ筐体を採用しているため、見た目も酷似していますね。パネルに配された斜めのスリットの下にはスピーカーがあるそうです。
 

KURZWEIL EGP

E.G.P.

 

 

まだまだあるよ

K1000 SE    …鍵盤タイプ。アフタータッチが追加されている
K1000 SE/EXT …鍵盤タイプ。40種のサウンド追加され、様々な諸機能が強化されている
K1000 SE II  …鍵盤タイプ。「SE」の後継機と推測されるが詳細は不明
K1000 SE/EXT II …鍵盤タイプ。「SE/EXT」の後継機と推測されるが詳細は不明

1000 PX Plus …K1000 SE/EXTのラックタイプ(日本未発売?)
1000 AX Plus …「1000 SX」と「1000 HX」を統合したもの。ラックタイプ(日本未発売?)

 

KURZWEIL K-1000 series(advertisement)
KURZWEIL K-1000 Series/(株)ハモンドスズキ 雑誌広告より画像引用
 
 
 
うーんもう何がなんだか。。(汗)
 
 
 

余談的な

 いわゆる「K-1000ファミリー」というとK1200も含まれることが多いのですが、そちらはまた別の記事にまとめさせてもらいました。いやしかしこのK-1000ファミリー、あまりの種類の多さに混乱しまくりました。吐きそうだわ。。
 
 
 関連記事:「KURZWEIL K1200 Professional ~高品位サウンドを継承した88鍵仕様のK1000
 

仕様(K-1000)
■鍵盤:76鍵(ベロシティ・センシティブル鍵盤)
■最大同時発音数:24音(一部20音)
■プリセット・プログラム:115種類(ROM)
■ユーザー・プログラム:64種類(RAM)
■外形寸法:1220(W)×140(H)×365(D)mm
■重量:21.5kg
■価格:248,000円(日本での当初の定価)
■発売開始年:1987~88年頃

 

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