【Vol.29】YAMAHA G3 ~2本ペダルのグランドピアノ回顧録
2018/11/23
今回取り上げる楽器は、YAMAHAのグランドピアノ・G3です。1998年頃に中古で買った、自分にとって初めてのグランドピアノでもあります。当時の購入額は本体のみで約50万円でした。
このG3、製造年によってタイプ・価格も様々ですが、僕が手に入れたのは、奥行とか経年感から察するに後期型(G3E)あたりじゃないかなーという感じです。
中古グランドピアノの出物がたった50万円とのことで、たまたま広い部屋に引っ越したという条件も重なって、迷った挙句購入しました。金属のフレーム部は若干サビてたけど、ハンマーアクションは問題ない状態。何たってグランドピアノが自室に置けるのですよ! 多少の劣化は目をつぶりましょう。
当時、JR松本駅前の雑居ビルの4Fに住んでいた僕は、この子を自室に入れるために、、
・床の補強工事(→建築士の友人に依頼)
・高層搬入用クレーンの手配(→知り合いのピアノ運送会社に依頼)
・搬入箇所の敷地保有者への交渉(→駅前のデパート駐車場管理者に)
など様々な手続きをほぼ一人でこなしました。そんなこんなで、本体価格は50万ほどでしたが、全経費を含めると結局70万位かかりましたね。
肝心の音は、やっぱり生グランドだけあって深みがあります。音色の繊細さはあまり感じられませんでしたが、タッチはばらつきもなく悪くなかったです。
このG3はグランドピアノのくせにペダルが2本しかなくて(→真ん中のソステヌートが省略)、それが外観上の特徴点でもありました。どうでもいいですが、サビていたということもあり、勝手に「じーさん」とニックネームを付けていました。
このピアノのその後…
このように苦労して手に入れたグランドピアノでしたが、自室に置けて演奏できたのはわずか1年弱でした。訳あって借りていた部屋を追い出されることになり、それに伴いピアノが入る部屋探しを余儀なくされることに。。
結局このピアノはバンドメンバーが経営する酒蔵に一時預かってもらったのち、個人で音楽スタジオを経営している人に売ることになりました。
ここでも金銭的なトラブルで、その経営者とモメにモメて泥沼状態になってしまいまして。。まあその経営者とは後年和解して、それからはそのスタジオにいつでも無料で出入り可・ピアノ練習可という環境を手に入れました。
そんなわけで、自室で弾いた時間よりも、スタジオで弾かせてもらった方の時間の方が長かったりします。会社帰りによく寄ったなー。今でも大事に使われているといいな。