あえて弾かない! ~無音の美学
2018/11/21
キーボードがメインのインストバンド(※1)だったらともかく、ボーカルが居るバンド(ロック/ポップス等)ではキーボードは裏方に回ることが多いです。つまりはバッキングとかが多いということですね。コード弾きしてすき間を埋めたり、オケに厚みを加えたりします。
一般的なバンド編成の中には大抵ギターさんが居るわけだし、サックスなどのソロ楽器もメンバーに加わってたりすると、さらにキーボードが目立つ機会は減っていきます。
プロのライブ映像を見ていると…
市販のライブDVDなど、プロでも曲によっては驚くほどシンプルな運指でキーボードアレンジしてるケースをよく見かけます。ぶっちゃけ、、
そのアレンジだったら僕(アマチュア)でも余裕で弾ける!
なんて思ったりします。
決してキーボード音が目立ってはいけない、という暗黙の了解があるわけではないですが、やっぱり歌モノだと、ボーカルがバンドの顔でありセンターポジションなのだから、それを引き立たせるような演奏をという考えになるのですね。これはキーボードに限らず、ギターとかでも同様だと思います。
僕はこういった弾けるんだけどあえて弾かないというプロミュージシャンの美学(?)を見習いたいと思うのです。だってプロなんだから、弾こうと思えば超絶テクなんかももっと披露できるはず。
アマチュアあるある
ちょっと弾けるようになってきたアマチュアキーボーディストって、曲の余白に何でもかんでも音を埋めたがったり、必要以上にソロを取りたがったりする人が多いような気がするんですよねー。僕もテンションが上がってくるとたまにやっちゃう時がありまして。。ここがプロとの大きな違いではないかと。
オケ全体を見渡し、「ここはあえて弾かない方がよい」と判断したら、弾かない勇気を持つのも大事だと思うのです。
その際、
「ここは “無音を弾く”ことでオケに貢献している」
という意識を持つようにしてます。ものは考えようかもしれません。
究極の演奏とは…
そのように考えを飛躍させると、究極の演奏というのは、楽器と対峙したまま何も弾かないというスタイルになるのかもしれません(笑)。まさにピアノ仙人!
「そんなの演奏してるって言っていいの!?」という人、実はあるんですよ。ジョン・ケージのピアノ曲「4分33秒」はまさにそれ。
「4分33秒」は考え出すと深いので、また別の記事で改めてご紹介したいと思います。
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※1 「インストゥルメンタルバンド」の略。ボーカルが入らないバンド編成のこと。