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【雑誌】『週刊マイミュージックスタジオ』(デアゴスティーニ社発刊)

2018/11/25

 

 

 今回取り上げる雑誌は、2008年1月に創刊され、全81号(実質全80号。第81号は総索引収録の特別号)で完結した『週刊マイミュージックスタジオ』です。
 
 
 デアゴスティーニ(DeAgostini)といえば、毎号付いてくるパーツを集めて最終的に「SLを作る」「ロボットを作る」「ラジコンカーを作る」などの企画で有名ですね。他にもDVDコレクションなどのシリーズなども展開しています。
 
 
 

『週刊マイミュージックスタジオ』の概要・内容

 音楽について学んでいって、最終的には自分で作曲ができるようになるというのが本シリーズのテーマとなっています。「PCさえあれば音楽制作は出来る!」「誰でもミュージシャン! 音楽ソフトでアレンジや曲づくりが思いのまま!」などのコピーが添えられていました。
 
 
 創刊号には、国産DTMソフトの雄・「Singer Song Writer」(※機能制限版)のインストールCD-ROMが付いてきて、徐々に(4~5号おきに)新機能が追加可能になります。雑誌テキストの進行と寄り添って制限が次第に解除されていくという感じであり、本誌を50号まで集めると、全機能が使えるようになるというものです。
 
 
 監修はDTMマガジンで長きに亘って連載をされていた小川悦司さん。雑誌本体には音楽に関する情報やコラムなどが載っていて、毎号付属するCD-ROMには「音素材集」が収録されていました。なおこのSinger Song WriterはWindows版(→XP/Vistaの時代)でありMacは非対応でした。
 
 
 

Rolandのソフトシンセ「VSC」もバンドル

 創刊号にはSinger Song Writer(※本書のための特別エディション)のインストーラとは別に、ローランドのサウンド・キャンバス・シリーズのソフトシンセ版「VSC【Virtual Sound Canvas】」もバンドルされていました。もちろんSinger Song Writerからも直接呼び出して使えるので、単体のハードDTM音源などを別途用意する必要もありませんでした。
 
 
 

価格面

 創刊号のみ特別価格490円(税込)、2号以降は1,190円(税込)でした。全号律儀に購入した場合だと、合計95,690円になりますね。今だともうバックナンバーもないので、手に入れるには古本やオークション等になるかと思います。ちなみに当時、製品版の「Singer Song Writer 8.0」は32,000円でした。
 
 
 同社の過去の「パーツを集めて完成させよう」パターンの商品は、現在でもヤフオク等でそれなりの価格帯(→全号で数万円)でやり取りされているものが多いのですが、この『週刊マイミュージックスタジオ』については非常に落札相場が低いですね。全号セットでも4,000~8,000円程度です。しかも「最初の数号のみ開封済み、残りは未開封」という出物の多いこと。。

 

 

 

個人的かんそう

 全81号ということで、全てを揃えるには期間にして約1年7ヶ月、金額にして10万円弱という、雑誌モノとしてはスケールの大きな商品でした。まあ同社の商品展開は全てこんなような感じなので、その部分については今さら驚く人も少ないでしょう。
 
 
 リアルタイムで毎号学習していた人にとっては、「徐々に解除されていく機能」「誌面に連動した音素材が毎号追加」など、Singer Song Writer自体も “育てていく”という感覚が味わえたのではないでしょうか。学習による自身のスキルアップともリンクし、モチベーションアップにもつながったと思います。
 
 
 

つぶやき的な

 DTMソフトは1年半も経てばトレンドも推移していくわけで、ましてやOSもどんどん新しくなり古いものは動作しなくなるという宿命を背負っています。本書に付いてきた「Singer Song Writer」も、既に(デアゴスティーニ側による)ユーザーサポートおよびアップデートは終了しています。今どきのOSで正常動作するかどうかは未確認です。
 
 
 とはいえ、Windows XP/Vista時代の休眠パソコンを「スタンドアローンでDTM学習用(教育用)として活用したい」という人にとっては、かなりのお買い得感があると思います。分かりやすいCD-ROMでのインストールだし、オンラインアクティベーションも不要です。
 
 
 何より、雑誌テキストの部分の記事を全冊根気よく読めば、幅広い知識を得ることができそうです。ソフトの機能の使いこなし記事だけではなく、基本的な音楽理論、ヒット曲の分析、用語集など、結構内容は充実していると思います。そういえばファイリングしやすいようにバインダー穴も開いてましたよね。
 
 
 DTMソフトの基本構成は10年前も今もそれほど革新的に変わっているわけではないですし、用途を絞れば使い道はまだまだあると思いますよ。

 

 

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